「二重窓にすると、かえって熱がこもって夏は暑いのでは?」そんな疑問をお持ちではありませんか。
夏の厳しい日差しによる室温上昇は、多くの家庭にとって悩みの種です。
この記事では、「二重窓は暑さに効果があるのか」という基本的な疑問から、具体的な内窓の夏における効果、そして効果的な二重窓での暑さ対策まで、詳しく解説します。
また、設置を検討する上で気になる、二重窓の欠点は何ですかという不安や、内窓は遮熱と断熱どっちのガラスを選べば良いのかという重要な選択についても掘り下げます。
さらに、和室にも調和する障子風のデザインの紹介や、リフォーム費用を抑えるために欠かせない2025年の補助金情報、特に千葉県や神奈川県にお住まいの方が利用できる補助金制度についても触れていきます。
この記事を読めば、あなたの疑問や不安が解消され、最適な二重窓選びができるようになるはずです。
- 二重窓が夏の暑さ対策に効果的である具体的な理由
- ご自宅の環境や目的に最適なガラス(遮熱・断熱)の選び方
- 国や千葉県・神奈川県などで利用できる補助金制度の最新情報
- 暑さ対策以外にも得られる二重窓の多様なメリットと注意点
目次
二重窓は夏に暑いのは誤解?内窓の効果や欠点を解説
- 二重窓は暑さに効果があるのか?
- 具体的な内窓での夏の効果を解説
- 優れた二重窓の暑さ対策とは
- 知っておきたい二重窓の欠点は何ですか?
- 内窓は遮熱と断熱どっちを選ぶべきか
- 和室に合うおしゃれな障子風の内窓
二重窓は暑さに効果があるのか?
結論から言うと、二重窓は夏の暑さ対策に非常に効果的です。「窓が二重になると熱がこもる」というイメージは誤解であり、実際はその逆の効果を発揮します。
なぜなら、既存の外窓と新しく設置する内窓の間に生まれる「空気層」が、強力な断熱材の役割を果たすからです。この空気層が、夏の暑い外気と太陽の熱が室内へ伝わるのを防ぐ「壁」のようになります。
夏の室温上昇の最大の原因は、窓から侵入する日射熱です。一般的な一枚ガラスの窓では、日射熱の約7割が室内に入り込んでしまいます。
しかし、二重窓にすることで、この熱の流入を大幅に抑制できるのです。その結果、室内の温度上昇が緩やかになり、より快適な空間を維持しやすくなります。
二重窓は暑さに効果がある?
「窓を二重にすると、ガラスの間に熱がこもってしまい、かえって夏は暑くなるのではないか」という懸念は、二重窓の設置を考える際に多くの方が抱く自然な疑問です。
しかし、この考えは誤解であり、実際には二重窓は夏の厳しい暑さ対策として、非常に優れた効果を発揮します。
その効果の根幹をなすのが、既存の外窓と新しく設置する内窓の間に生まれる、密閉された「空気層」の存在です。この空気層が、物理の原理に基づいた強力な断熱材として機能し、室内の快適性を大きく向上させます。
熱の伝わり方には、物質を通じて直接伝わる「伝導」、液体や気体が移動することで伝わる「対流」、そして電磁波によって直接伝わる「放射」の3種類があります。二重窓の空気層は、これらの熱の移動を巧みに抑制します。
まず、外窓と内窓が直接接していないため、外の熱気がガラスを伝って室内に入ってくる「熱伝導」を大幅に遮断します。さらに、密閉された空気層では、熱を持った空気が自由に動き回る「熱対流」も起きにくくなります。これは、魔法瓶がお湯の熱を逃がさないのと同じ仕組みです。
夏の室温上昇の最大の原因
窓ガラスを透過してくる太陽の「放射熱」です。一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会のデータによれば、夏の冷房中に家の中へ入ってくる熱のうち、実に74%が窓などの開口部から侵入しているとされています。
例えば、炎天下に駐車した車内が瞬く間に高温になるように、窓から侵入した日射熱は室内の床や壁に蓄積され、夜になっても室温が下がらない「熱だまり」の原因となります。
二重窓は、この根本的な熱の侵入経路である窓を強化することで、室内の温度上昇を緩やかにします。一枚ガラスの窓に比べて熱の流入を大幅に抑制できるため、夏の厳しい日差しにさらされても、室内が急激に暑くなるのを防ぐことが可能です。
このように、二重窓は単に窓を一枚増やすという単純な構造ではなく、熱の伝わり方を科学的にコントロールする仕組みに基づいています。
そのため、「熱がこもる」という心配は不要であり、むしろ夏の室内環境を快適に保つための、極めて合理的な解決策と言えるのです。
内窓での夏の効果を解説
二重窓がもたらす夏の快適さは、単に「涼しくなる」というだけではありません。具体的にどのような効果があるのか、3つのポイントに分けて解説します。
エアコン効率の向上と電気代の節約
二重窓の高い断熱効果は、室内の冷気を外に逃がしにくくします。これは、一度エアコンで冷やした快適な温度を長時間キープできることを意味します。冷房の効きが良くなるため、エアコンの設定温度を過度に下げる必要がなくなり、稼働時間も短縮できます。
これらのことから、エネルギーの消費量が減り、夏の高額になりがちな電気代の節約に直接つながるのです。近年の猛暑と電気料金の高騰を考えると、これは非常に大きなメリットと考えられます。
紫外線カットで人や家具を守る
夏の強い日差しには、多くの紫外線が含まれています。紫外線は、肌の日焼けの原因になるだけでなく、大切な家具やフローリング、カーテンなどを色褪せさせてしまう原因にもなります。
二重窓に使用されるガラスの種類にもよりますが、複層ガラスであれば約40%、紫外線カット機能の高いLow-E複層ガラスであれば70%~80%もの紫外線をカットする効果が期待できます。窓際にいてもジリジリとした不快な日差しを和らげ、室内での日焼けやインテリアの劣化を防ぎます。
遮音・防音効果
夏の暑さ対策が主目的であっても、二重窓がもたらす遮音効果は見逃せないメリットです。窓の間に生まれる空気層は、熱だけでなく音の伝わりも和らげる働きをします。
道路を走る車の音、近隣からの生活音といった外部の騒音の侵入を抑え、室内を静かな環境に保ちます。逆に、室内で楽しむテレビの音や楽器の演奏、子供の声などが外に漏れるのも防ぐため、ご近所に気兼ねなく過ごせるようになります。
優れた二重窓の暑さ対策とは
二重窓の効果を最大限に引き出し、夏の暑さ対策を万全にするためには、内窓に設置する「ガラス選び」が鍵となります。特に、日射熱を強力にカットする機能を持つ「Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)」の選択が最適です。
Low-E複層ガラスとは、2枚のガラスの間に特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングした高機能ガラスのことです。この金属膜が、太陽の熱線(赤外線)を反射する働きをします。
遮熱タイプのLow-E複層ガラスは、この金属膜を室外側のガラスにコーティングしており、太陽の熱が室内に入る前に反射してブロックします。これにより、一般的な複層ガラスよりもさらに高い遮熱効果を発揮し、室内の温度上昇を強力に抑えるのです。もちろん、冬には室内の暖房熱が外へ逃げるのを防ぐ断熱効果も併せ持っているため、一年を通して省エネと快適な室温維持に貢献します。
二重窓の欠点は何ですか?
多くのメリットがある二重窓ですが、設置を検討する際にはいくつかの欠点や注意点も理解しておくことが大切です。
まず、窓の開閉が二度手間になる点が挙げられます。換気などの際に、内窓と外窓の両方を開け閉めする必要があるため、少し手間に感じることがあるかもしれません。
次に、掃除の手間が増えることです。窓ガラスの面が単純に倍になるため、掃除する範囲が広くなります。特に、外窓と内窓の間はホコリが溜まりやすいため、定期的な清掃が必要となります。
また、当然ながら設置には初期費用がかかります。 हालांकि、後述する補助金を活用することで、この負担は大幅に軽減することが可能です。最後に、窓枠を室内側に追加するため、ほんの数センチですが、部屋が狭く感じられる可能性も考慮しておきましょう。
内窓は遮熱と断熱どっちを選ぶべきか
Low-E複層ガラスには「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」の2種類があり、どちらを選ぶべきか悩む方は少なくありません。
この選択は、窓がどの方角にあるか、そして何を最も重視するかによって決まります。
遮熱タイプがおすすめの窓
遮熱タイプは、太陽の日射熱を反射して室内への侵入を防ぐことを最も得意とします。したがって、夏の日差しが強く、室温が上がりやすい以下のような窓に最適です。
- 南向きの窓: 一日を通して日当たりが良い分、夏の暑さが最も厳しくなる方角です。
- 西向きの窓: 午後から夕方にかけての強い西日で、室温が急上昇するのを防ぎます。
これらの窓に遮熱タイプを採用することで、夏の冷房効率を最大化できます。
断熱タイプがおすすめの窓
一方、断熱タイプは、室内の熱を外に逃がさない保温効果を重視したガラスです。太陽の熱は適度に取り込みつつ、暖房の熱を逃がさないため、以下のような窓に向いています。
- 北向きの窓: 日当たりが少なく、冬場に室温が下がりやすい方角です。
- 東向きの窓: 朝日は取り入れたいけれど、冬の寒さが気になる場合に適しています。
冬の暖かさを優先したい、日当たりの少ない部屋の寒さ対策をしたい、という場合には断熱タイプが有効な選択肢となります。
ガラスタイプ | 主な特徴 | おすすめの窓の方角 | メリット |
遮熱タイプ | 日射熱を強力に反射・カット | 南、西 | 夏の室温上昇を抑え、冷房効率を最大化する |
断熱タイプ | 室内熱を外に逃がさない保温効果 | 北、東 | 冬の暖房効率を高め、部屋の暖かさを保つ |
このように、部屋ごと、方角ごとに最適なガラスタイプを使い分けることで、家全体の快適性をより高めることが可能です。
和室に合うおしゃれな障子風の内窓
「和室の雰囲気を壊したくない」という理由で、二重窓の設置をためらう方もいらっしゃいます。しかし、現在の内窓製品には、和室のデザインに美しく溶け込む「障子風」のオプションが用意されています。
例えば、YKK APの「プラマードU」やLIXILの「インプラス」といった主要メーカーの製品には、半透明で和紙のような風合いを持つガラスや、障子の骨組みである「組子(くみこ)」をガラスの間に挟み込んだデザインがあります。
これらを選ぶことで、見た目はほとんど障子と変わらないまま、断熱性や遮音性といった二重窓の優れた性能を手に入れることができます。すりガラス調のものを選べば、プライバシーを確保しつつ、やわらかな光を室内に取り込むことも可能です。
障子の張り替えの手間がなくなるという、思わぬメリットもあります。
二重窓で夏の暑い日を快適にする方法
- 2025年に申請できる補助金とは
- 千葉県で使える二重窓の補助金情報
- 神奈川県で使える二重窓の補助金情報
2025年に申請できる補助金とは
二重窓の設置リフォームは、国の省エネルギー政策において非常に重要視されており、高額な補助金制度の対象となっています。2024年に実施された「先進的窓リノベ2024事業」では、リフォーム費用の最大50%、上限200万円という大規模な補助が行われました。
2025年7月現在、2025年版の具体的な制度内容はまだ発表されていませんが、「住宅省エネ2025キャンペーン(仮称)」といった形で後継事業が実施されることが強く期待されています。
参考として、2024年の制度では、設置する内窓の断熱性能(熱貫流率という数値で評価)が高いほど、補助額も大きくなる仕組みでした。例えば、高性能なLow-E複層ガラスを使用した内窓を設置した場合、大きな掃き出し窓1箇所あたり10万円以上の補助金が交付されるケースもありました。
補助金の申請は、個人で行うのではなく、登録されたリフォーム事業者が代行するのが一般的です。そのため、補助金の活用を考えている場合は、制度に詳しく、申請実績が豊富な事業者を選ぶことが大切です。
2025年の最新情報が発表され次第、リフォームを検討している事業者に相談してみることをお勧めします。
千葉県で使える二重窓の補助金情報
国の補助金に加えて、お住まいの自治体が独自にリフォーム補助金制度を設けている場合があります。千葉県内でも、市町村単位で省エネ改修や住宅リフォームに対する補助金が用意されていることがあります。
例えば、過去には松戸市や船橋市、柏市などで、断熱リフォームを含む住宅改修に対して補助金を交付した実績があります。これらの補助金は、国の制度と併用できる場合も多く、活用できれば自己負担額をさらに抑えることが可能です。
ただし、自治体の補助金は予算の上限に達し次第、受付を終了することがほとんどで、募集期間も限られています。また、制度の内容は年度ごとに変わるため、常に最新の情報を確認する必要があります。「(お住まいの市町村名) 住宅リフォーム 補助金」といったキーワードで検索したり、自治体のホームページを確認したり、リフォームを依頼する事業者に相談してみましょう。
神奈川県で使える二重窓の補助金情報
前述の通り、神奈川県内でも、県や各市町村が独自の補助金制度を実施している可能性があります。特に、横浜市や川崎市、相模原市といった人口の多い自治体では、省エネ化を促進するためのリフォーム支援策が手厚い傾向にあります。
過去の例を挙げると、既存住宅の断熱改修工事を対象とした補助金や、子育て世帯向けのリフォーム補助金などが存在しました。
これらの制度も、国の補助金との併用が認められるケースが多く、利用者にとっては大きなメリットとなります。
千葉県の場合と同様に、神奈川県内の補助金制度も年度ごとに更新され、申請期間や条件が異なります。
リフォームを計画する際には、まずお住まいの市区町村の公式ウェブサイトで最新の補助金情報をチェックすることが第一歩です。その上で、地域の事情に詳しいリフォーム事業者に見積もりを依頼し、利用可能な補助金がないか相談するのが確実な方法です。
二重窓は夏に暑いのは誤解だった:総括
この記事で解説してきた内容をまとめます。
- 二重窓は夏の暑さ対策に非常に効果的
- 効果の理由は外窓と内窓の間の「空気層」による断熱
- 夏の室温上昇の原因である日射熱の侵入を大幅にカットする
- 冷房効率が向上し電気代の節約につながる
- 紫外線もカットし家具や床の色褪せを防ぐ
- 副次的な効果として遮音性や防音性も向上する
- 暑さ対策を万全にするにはLow-E複層ガラス(遮熱タイプ)が最適
- 夏の暑さが厳しい南向きや西向きの窓には遮熱タイプを推奨
- 冬の寒さ対策を重視する北向きや東向きの窓には断熱タイプが有効
- 欠点として窓の開閉や掃除の手間が増えることが挙げられる
- 和室には景観を損なわない障子風のデザインも選択可能
- 設置費用は国や自治体の補助金で大幅に軽減できる
- 2025年も大規模な国の補助金制度が期待されている
- 千葉県や神奈川県でも市町村独自の補助金が利用できる場合がある
- 「二重窓は夏に暑い」という懸念は適切な製品選びと施工で解消できる