光熱費の節約や快適な室温維持のため、二重サッシを自分で取り付けたいと考えていませんか。
しかし、実際に取り組むとなると、二重サッシを取り付ける費用はいくらですか?という疑問や、二重窓をdiyで安く済ませる方法、特にポリカーボネートを使ったdiyでの防音効果など、気になる点は多いはずです。
また、具体的な二重窓を自分で取り付けの手順や、もっと簡単なワンタッチ二重窓をDIYするにはどうすれば良いのか、さらにはDIYで取り付ける場合の注意点も知っておきたいところでしょう。もちろん、二重サッシのメリットだけでなくデメリットも理解し、失敗や後悔を避けたいものです。
この記事では、そうしたDIYに関するあらゆる疑問や不安を解消するため、二重サッシの自作に関する情報を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。
- DIYで二重サッシを取り付ける具体的な手順
- 必要な道具や材料、そして費用の目安
- ポリカーボネートなどを使った安価なDIY方法
- 取り付け時の注意点や失敗しないためのコツ
目次
二重サッシを自分で取り付ける前に知るべきこと!費用や手順を解説
- 賃貸でも可能?二重サッシのメリット
- 開閉や掃除が手間?二重サッシのデメリット
- 二重サッシを取り付ける費用はいくらですか?
- キット活用で二重窓をdiyで安く済ませる
- 二重窓diyはポリカーボネートで防音も期待
二重サッシのメリット!賃貸でも可能!
二重サッシを設置する最大のメリットは、住まいの快適性を大きく向上させる点にあります。既存の窓の内側にもう一つ窓を設けることで生まれる空気層が、魔法瓶のような役割を果たし、優れた断熱効果を発揮します。これにより、夏は外からの熱気の侵入を、冬は室内の暖かい空気の流出を防ぎ、冷暖房の効率が格段にアップします。メーカーの調査によれば、電気代を25〜35%節減できるというデータもあり、光熱費の削減に直結すると考えられます。
また、この空気層は音の伝わりを和らげるクッションにもなり、防音性能の向上も期待できます。車の走行音や近隣の生活音といった外部の騒音を軽減し、より静かで落ち着いた室内環境を実現できるでしょう。
さらに、結露の防止も大きな利点です。二重サッシは外気と室内の温度差を緩和するため、冬場に悩みやすい窓の結露を大幅に抑制します。これにより、カビやダニの発生を防ぎ、健康的な住環境を保ちやすくなるのです。
これらのメリットに加え、ネジを使わずに両面テープなどで固定する簡易的なDIYキットを選べば、壁や窓枠を傷つけることなく設置が可能です。そのため、退去時の原状回復が求められる賃貸住宅にお住まいの方でも、手軽に導入できる点は魅力と言えます。
開閉や掃除が手間?二重サッシのデメリット
多くの利点がある一方で、二重サッシにはいくつかのデメリットも存在します。導入を検討する際には、これらの点を理解しておくことが大切です。
最も多くの方が懸念されるのは、窓の開閉に手間がかかる点です。換気や出入りの際に、内窓と外窓の2回、鍵の開け閉めと窓の開閉操作が必要になります。特に、ベランダへの出入りなど頻繁に開閉する窓に設置した場合、この動作を煩わしく感じることがあるかもしれません。
次に、掃除の手間が増えることも挙げられます。窓ガラスの面が単純に倍の4面になり、サッシのレールも2本分になるため、掃除にかかる時間と労力は増加します。特に内窓と外窓の間の空間は手が届きにくく、ホコリが溜まりやすい箇所なので、清掃方法を工夫する必要が出てきます。
また、デザインや見た目の変化も考慮すべき点です。内側にもう一つ窓枠が追加されるため、窓辺が少し厚みを持ち、圧迫感を感じる可能性があります。製品によっては後付け感が目立ってしまい、インテリアの雰囲気を損なうと感じる方もいるでしょう。窓からの眺望が若干遮られることも念頭に置く必要があります。
これらのデメリットを軽減するためには、開閉頻度の低い窓から試してみたり、掃除がしやすいシンプルな構造の製品を選んだりといった工夫が考えられます。
二重サッシを取り付ける費用はいくらですか?
二重サッシを設置する際の費用は、「業者に依頼する場合」と「自分でDIYする場合」とで大きく異なります。それぞれの予算感や特徴を把握し、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが肝心です。
業者に依頼する場合、窓一箇所あたりの費用相場は、製品代と工事費を含めておおよそ3万円から15万円程度です。価格は窓のサイズ、ガラスの種類(単板ガラス、複層ガラス、高断熱タイプなど)、そしてサッシの材質によって変動します。専門家による正確な採寸と確実な施工により、高い性能を最大限に引き出せるのが最大のメリットですが、その分コストは高くなります。
一方、自分でDIYに挑戦する場合、費用を大幅に抑えることが可能です。ホームセンターなどで材料を個別に揃えれば、テラス窓のような大きなサイズでも6,000円から1万円程度で設置できる場合があります。また、後述するDIYキットを利用すれば、数千円から2万円程度が目安となり、手軽に始めることができます。
以下に、それぞれの方法の比較をまとめます。
比較項目 | DIYで取り付ける場合 | 業者に依頼する場合 |
費用相場(1箇所) | 約5,000円~20,000円 | 約30,000円~150,000円 |
メリット | ・費用が圧倒的に安い ・自分のペースで作業できる ・作る楽しみを味わえる |
・高い断熱・防音性能を発揮 ・仕上がりが美しい ・手間がかからない |
デメリット | ・手間と時間がかかる ・仕上がりの精度は腕次第 ・失敗のリスクがある |
・費用が高い ・業者選びが必要 |
おすすめな人 | ・コストを最優先したい人 ・ものづくりが好きな人 ・賃貸住宅で簡易的に試したい人 |
・確実な効果と高い品質を求める人 ・DIYが苦手、または時間がない人 ・長期的な利用を考えている人 |
このように、費用と求める品質、そしてかけられる手間のバランスを考えて、最適な方法を選択することが後悔しないための鍵となります。
キット活用で二重窓をdiyで安く済ませる
DIYで二重窓を作りたいけれど、材料を一から揃えるのは大変だと感じる方には、市販の「簡易内窓製作キット」の活用が非常におすすめです。この方法なら、DIY初心者の方でも比較的簡単に、そして安価に二重窓の設置が実現できます。
DIYキットの最大の利点は、内窓の製作に必要な部材がセットになっている点です。一般的には、窓枠となる上下のレールや左右のフレーム、窓のパネル部分となる面材(ポリカーボネートなど)、そして取り付け用の両面テープなどが一式含まれています。そのため、材料を個別に探して購入する手間が省け、採寸と簡単な加工作業に集中できます。
価格帯も魅力的で、窓のサイズによりますが、多くは数千円から1万円台で購入可能です。業者に依頼する場合と比較して、コストを大幅に削減できるでしょう。
今回データベースで紹介されている「エコな簡易内窓」のように、窓のサイズに合わせて複数の規格(Mサイズ、Lサイズなど)が用意されている製品が多いため、ご自宅の窓に合ったものを選びやすくなっています。取り付けも、部材を窓枠のサイズに合わせてカットし、両面テープで固定するだけの簡単なものが主流です。ネジを使わないタイプであれば、前述の通り、賃貸住宅でも安心して使用できます。
これらのキットは、全国のホームセンターや各種オンラインストアで手軽に入手できますので、まずはご自宅の窓のサイズを測った上で、適切なキットを探してみてはいかがでしょうか。
二重窓diyはポリカーボネートで防音も期待
DIYで二重窓を製作する際、ガラスの代わりとして最も広く利用されている素材が「ポリカーボネート」です。この素材は、断熱性だけでなく、一定の防音効果も期待できる優れた特性を持っています。
ポリカーボネートは、ガラスに比べて非常に軽量でありながら、耐衝撃性はガラスの数百倍とも言われ、非常に割れにくいのが特徴です。そのため、加工がしやすく、カッターナイフなどで比較的容易に切断できることから、DIYの材料として最適なのです。
特に「中空ポリカーボネート」と呼ばれる、内部が空洞の層になっているタイプ(ハモニカーボやツインカーボとも呼ばれます)は、その内部にある空気層が熱の伝わりをさらに抑制し、高い断熱効果を発揮します。そして、この構造は音の伝わりを和らげる効果も持ち合わせているのです。既存の窓との間に新たに生まれる大きな空気層と、中空ポリカーボネート自体の空気層が二重の壁となり、外部からの騒音を軽減してくれます。
ただし、その防音効果は、音の種類や大きさによって感じ方が異なります。車のエンジン音のような低音よりも、人の話し声などの中高音域の音に対して効果を発揮しやすい傾向があります。本格的な防音対策を求める場合は専門の防音サッシには及びませんが、「騒音が少し和らいだ」「静かになった」と感じられる程度の効果は十分に期待できるでしょう。
また、多くのポリカーボネート製品にはUVカット機能も備わっており、夏場の強い紫外線から家具や床の日焼け、色あせを防ぐという副次的なメリットもあります。
二重サッシを自分で取り付ける方法【初心者向け】
- 写真で解説!二重窓を自分で取り付けの手順
- もっと手軽にワンタッチ二重窓をDIYするには?
- 採寸が肝心!DIYで取り付ける場合の注意点
- 二重サッシを自分で取り付けた後の調整方法
- 快適な暮らしへ二重サッシを自分で取り付けよう
二重窓を自分で取り付けの手順
ここでは、市販のDIYキットを使った一般的な二重窓の取り付け手順を解説します。作業自体はシンプルですが、丁寧に行うことが美しい仕上がりへの近道です。
準備と採寸
まず、作業に必要な道具を揃えます。キット本体の他に、メジャー、長い定規(金属製のものが安全)、大型のカッターナイフ、油性ペン、そして軍手などを用意してください。
次に、最も重要な採寸を行います。窓枠の内側の寸法を、縦(高さ)と横(幅)でそれぞれ3カ所ずつ測ります。これは、窓枠に歪みがある可能性を考慮するためです。測った数値の中で、最も小さい値をその辺の寸法として採用すると、部材が長すぎて入らないという失敗を防げます。
さらに、窓枠の対角線を2カ所測り、その差が5mm以上ある場合は窓枠が大きく歪んでいます。この場合、内窓を設置する前に窓枠自体の補正が必要になるかもしれません。
部材のカット
採寸した寸法に基づき、キットの説明書に従って各部材をカットしていきます。上下のレール、左右のフレーム、そして面材となるポリカーボネートを、油性ペンで付けた印に合わせて慎重にカットします。レールやフレームは付属の金ノコで、面材は大型カッターで切断するのが一般的です。作業の際は、床などを傷つけないよう注意し、安全のために軍手を着用しましょう。
窓枠の設置
カットした上下のレールと左右のカバーの裏面に、付属の両面テープを貼り付けます。最初に上下のレールを窓枠にしっかりと圧着させます。このとき、レールが窓枠の縁から同じ距離になるように注意深く位置決めをすることが、窓のスムーズな動きにつながります。次に、左右のカバーを貼り付け、窓枠側の作業は完了です。レールは溝が深い方が上側になるのが一般的ですので、間違えないようにしましょう。
内窓の組み立てと設置
カットしたポリカーボネートの面材に、フレームをはめ込んで内窓を2枚組み立てます。面材の保護フィルムを剥がしたら、ゴミやホコリの付着を防ぐため、静電気防止クリーナーなどで拭いておくと良いでしょう。
完成した内窓を、まず上側のレールに深く差し込み、少し持ち上げながら下側のレールにはめ込みます。この手順で2枚の窓をセットすれば、取り付けは完了です。
ワンタッチ二重窓をDIYするには?
DIYキットの組み立てやカット作業すら面倒に感じる、あるいは工具を扱うことに不安があるという方には、さらに手軽な「ワンタッチタイプ」の二重窓という選択肢があります。
ワンタッチタイプとは、その名の通り、極めて簡単な手順で設置が完了する製品を指します。多くの場合、部材のカットが不要、あるいは最小限で済むように設計されています。例えば、窓枠に両面テープでレールを貼り付け、そこに既製のパネルをはめ込むだけ、といった非常にシンプルな構造です。
このタイプの最大のメリットは、工具をほとんど使わずに設置できる手軽さと、作業時間の短さです。DIYの経験が全くない方でも、説明書を読めばすぐに取り組むことができるでしょう。価格も比較的安価なものが多く、まずは二重窓の効果を手軽に試してみたいという場合に最適です。
一方で、デメリットも存在します。多くはサイズが固定、または調整範囲が限られているため、ご自宅の窓枠に完璧にフィットしない可能性があります。また、構造が簡易的な分、本格的なDIYキットや業者施工の二重サッシと比較すると、断熱性や防音性の効果はややマイルドになる傾向があります。
とはいえ、結露の軽減や、窓際のヒンヤリ感を和らげる効果は十分に期待できます。アクリサンデー社の「マドミラン」のように、ホームセンターで広く扱われている製品もありますので、DIYへの第一歩として検討してみてはいかがでしょうか。
DIYで取り付ける場合の注意点!採寸が肝心!
二重サッシのDIYを成功させるためには、作業前の確認と、作業中のいくつかの注意点を守ることが不可欠です。これらを怠ると、うまく取り付けられなかったり、期待した効果が得られなかったりする原因となります。
取り付け可能な窓の確認
まず、ご自宅の窓がDIYでの設置に適しているかを確認します。多くの簡易内窓キットは、垂直な壁にある「引き違い窓」への設置を想定しています。また、内窓のレールを取り付けるために、既存の窓枠に十分な奥行き(幅)があることが必須です。クレセント錠(鍵)の出っ張りを含め、少なくとも30mm以上の平らなスペースが必要になることが多いでしょう。購入前に、ご自宅の窓枠の奥行を必ず確認してください。
加えて、窓枠自体に割れや腐り、著しい歪みなどの傷みがある場合は、安全に設置できないため取り付けは避けるべきです。
正確な採寸の徹底
前述の通り、採寸はDIYの成否を分ける最も重要な工程です。メジャーがたるんだり斜めになったりしないよう、細心の注意を払って測りましょう。縦横それぞれ複数箇所を測り、最も短い数値を採用するという原則を忘れないでください。寸法を間違えて部材を短く切りすぎてしまうと、大きな隙間ができてしまい、断熱・防音効果が著しく低下してしまいます。
安全な作業環境
カッターや金ノコなど、刃物を扱う際は必ず軍手を着用し、怪我のないよう十分に注意してください。また、部材を広げたりカットしたりするための作業スペースをあらかじめ確保しておくことも、スムーズで安全な作業につながります。床や家具を傷つけないよう、下にシートなどを敷いておくと安心です。
二重サッシを自分で取り付けた後の調整方法
二重サッシを自分で取り付けた後、窓の動きが少し悪かったり、鍵の掛かりがしっくりこなかったりすることがあります。これは失敗ではなく、多くの場合、簡単な調整で解消できます。設置後に微調整を行うことで、製品の性能を最大限に引き出し、より快適に使用できるようになります。
建付けの調整(戸車の調整)
内窓をスライドさせたときにガタついたり、上部や下部に隙間ができてしまったりする場合は、窓の下部にある「戸車」の高さを調整します。
多くの製品では、建具の側面下部に調整用の穴が設けられています。この穴にプラスドライバーを差し込み、中のネジを回すことで戸車が上下します。時計回りに回すと戸車が上がり(建具が持ち上がる)、反時計回りに回すと戸車が下がります。窓枠と建具の隙間が均等になるように、左右の戸車を少しずつ調整してください。
施錠の調整(クレセントの調整)
鍵(クレセント)が固くて閉まりにくい、または掛かりが緩いという場合は、クレセント本体と、それを受ける側の金具(受け座)の位置を調整します。
通常、クレセント本体と受け座は上下2本のビスで固定されています。このビスを少し緩めると、部品を上下左右に微調整できるようになります。実際に鍵を掛けながら、スムーズかつ確実に施錠できる最適な位置を探し、決まったらビスをしっかりと締め直してください。この調整は、窓の密閉性を高め、気密性を確保する上でも大切な作業です。
DIYで起こりがちな不具合への対処
もし、調整機能だけでは解決しない不具合がある場合でも、簡単な対策で改善できることがあります。例えば、部材のカットミスなどで隙間ができてしまった場合は、市販の「すき間テープ」を貼ることで気密性を補うことができます。また、大きな窓でポリカーボネートの面材がたわんでしまう場合は、作り直すのが最善ですが、応急処置として透明な補強材を入れるなどの方法も考えられます。
二重サッシを自分で取り付ける前に知るべきこと:総括
この記事では、二重サッシを自分で取り付けるための様々な情報をご紹介しました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
- 二重サッシのDIYは断熱性や防音性の向上に効果的
- 光熱費の削減や結露の抑制が期待できる
- 賃貸住宅でも原状回復可能な簡易キットがある
- メリットだけでなく開閉や掃除の手間といったデメリットも存在する
- DIYなら数千円から、業者依頼なら数万円からが費用の目安
- 市販のDIYキットは初心者でも取り組みやすくコストを抑えられる
- DIYで人気の素材は軽量で加工しやすいポリカーボネート
- 中空ポリカーボネートは断熱・防音効果が高い
- DIY成功の鍵は作業前の設置可否確認と正確な採寸
- 窓枠の歪みやクレセント錠のスペースを事前にチェックする
- 取り付け手順は採寸、カット、設置、組み立ての4ステップ
- レールは溝が深い方が上側になるのが一般的
- 工具不要のワンタッチタイプはDIY初心者におすすめ
- 設置後には戸車やクレセントの微調整を行う
- 隙間などの不具合はすき間テープで補修可能