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温水ルームヒーターで後悔する前に!設置前に知るべき9つのデメリットと「ガス代高い」噂の真相

2025年11月6日

温水ルームヒーターで後悔する前に!設置前に知るべき9つのデメリットと「ガス代高い」噂の真相

温水ルームヒーターの導入を検討中ですか?温水ルームヒーターとは何か、そして温水ルームヒーターの仕組みから正しく理解し、温水ルームヒーターで後悔したくないと考えるのは当然のことです。

温水ルームヒーターのデメリットや欠点、温水ルームヒーターが暖まらない場合の対処法、温水ルームヒーターの寿命は?といった基本的な情報が気になりますよね。

また、温水ルームヒーターのガス代や灯油代について、特に温水ルームヒーターのガス代が高いという噂は本当なのでしょうか。

温水ルームヒーターをつけっぱなしにした場合の光熱費や、温水ルームヒーターとエアコンの比較も導入前の重要な判断材料です。

一番電気代がかからない暖房器具は何ですか?という総合的な視点も持ちつつ、リンナイ、コロナ、ノーリツといった主要メーカーの特徴を知り、ご家庭にとって本当に最適な、おすすめのモデルを見つけたいものです。

この記事では、そうした後悔を避けるために知っておくべきポイントを徹底的に解説していきます。

この記事のポイント

  • 温水ルームヒーターの基本的な仕組みとデメリット
  • 「暖まらない」「ガス代が高い」といった後悔ポイントの具体的な原因
  • エアコンや他の暖房器具とのメリット・デメリット比較
  • 主要メーカー(リンナイ・コロナ・ノーリツ)の特徴と後悔しない選び方

温水ルームヒーターで後悔するポイント

温水ルームヒーターで後悔するポイント

  • そもそも温水ルームヒーターとは
  • 温水ルームヒーターの仕組みを解説
  • 温水ルームヒーターのデメリットと
  • 温水ルームヒーターが暖まらない原因
  • 温水ルームヒーターの寿命は?

そもそも温水ルームヒーターとは

温水ルームヒーターとは、室外に設置した「熱源機」で温水(不凍液)を作り、その温水を室内に引き込んだ「室内機(放熱器)」を通じて部屋を暖める暖房システムのことです。

最大の特長は、室内の空気を使って燃焼させない点にあります。石油ファンヒーターやガスファンヒーターのように室内に燃焼ガス(二酸化炭素など)を排出しないため、空気が汚れにくく、定期的な換気の必要性が低いのが魅力です。

また、温風が直接当たる不快感や、エアコンのような空気の乾燥も少ないため、小さなお子様や高齢の方がいるご家庭、アレルギーが気になる方にも選ばれています。

温水ルームヒーターの基本

屋外のボイラー(熱源機)で温めたお湯を使い、室内の機械から温風や輻射熱を出して暖めます。室内で火を使わないため、クリーンで安全性が高い暖房方法です。

温水ルームヒーターの仕組みを解説

温水ルームヒーターのシステムは、大きく分けて以下の3つの要素で構成されています。

熱源機(ボイラー・給湯暖房機)

システムの心臓部であり、屋外に設置されます。この機械がガス、灯油、あるいは電気(ヒートポンプ)をエネルギー源として、内部を循環する不凍液(温水)を加熱します。

温水配管(パイプ)

熱源機で作られた温かい不凍液を、暖房したい部屋の室内機まで運ぶためのパイプです。新築時は壁の中や床下に隠蔽(いんぺい)されますが、リフォームの場合は壁の表面に露出させて配管することもあります。

室内機(放熱器・ファンコンベクター)

室内に設置され、温水配管から送られてきた不凍液の熱を部屋に放出する役割を持ちます。大きく分けて2つのタイプがあります。

  • ファンコンベクター式:室内機内部のフィン(熱交換器)に温水を流し、そこにファンで風を当てて強制的に温風を送り出すタイプ。立ち上がりが比較的早いです。
  • パネルヒーター式:機器の表面から輻射熱(じわじわと伝わる熱)で部屋全体を暖めるタイプ。ファンがないため非常に静かですが、暖まるまでに時間がかかります。

不凍液とは?

熱源機と室内機の間を循環する液体のことです。

寒冷地などで外気温が氷点下になっても凍結して配管が破裂しないよう、水に特殊な液体(プロピレングリコールなど)が混ぜられています。この不凍液は定期的な交換が必要です。

温水ルームヒーターのデメリットと欠点

快適性が高い温水ルームヒーターですが、導入後に「後悔した」と感じる最大のポイントは初期費用と工事にあります。

まず、熱源機本体と室内機の価格に加え、それらを繋ぐための温水配管工事が必須です。

新築時ならまだしも、既存の住宅に後付けする場合、壁に穴を開けたり、床下や壁に配管を通したりする大掛かりな工事が必要となり、数十万円単位の初期費用がかかることが最大のデメリットです。

導入コストと工事の手間が最大の壁

  • 熱源機+室内機+工事費で高額になりやすい
  • 壁への穴あけなど、設置工事が必要
  • 賃貸住宅での設置は、オーナーの許可が下りにくく非現実的
  • 一度設置すると、室内機の移動が容易ではない

kwの疑問

「kwってん」とは、暖房能力を示す「kW(キロワット)」の数値について、「どのくらいの能力(kW数)を選べばいいの?」という意味合いで検索されている言葉と推測されます。

エアコンやヒーターでよく見る「〇畳用」という目安と同じで、温水ルームヒーターも部屋の広さや建物の構造(木造・コンクリート)、断熱性、地域(寒冷地か)によって必要なkW数が決まります。

このkW数選びを間違えると、「導入したのに全然暖まらない」という最大の後悔に繋がります。畳数だけで判断せず、必ず専門業者に自宅の状況(窓の大きさ、断熱材の有無など)を相談し、適切な能力の機種を選定してもらうことが不可欠です。

温水ルームヒーターが暖まらない原因

温水ルームヒーターが暖まらない原因

高額な費用をかけて設置したにもかかわらず「温水ルームヒーターが暖まらない」と感じる場合、いくつかの原因が考えられます。

能力不足(kW数のミスマッチ)

前述の通り、最も多い原因がこれです。部屋の広さや、特に住宅の断熱性能に対して、機器の暖房能力(kW数)が不足しているケースです。古い木造住宅や窓の多い部屋では、想定以上に熱が逃げてしまうため、余裕を持ったkW数を選ぶ必要があります。

メンテナンス不足

室内機のフィルターがホコリで目詰まりしていると、温風が正常に出てこず、暖房効率が著しく低下します。また、システム全体を循環している不凍液(温水)が経年劣化したり、量が不足したりすると、熱をうまく運べなくなり暖まりません。

室内機のフィルター掃除は、エアコンと同じようにこまめに行うのが基本です!これだけで暖かさが変わることもありますよ。

設定ミスや家の断熱性

単純に設定温度が低い、あるいは節約モードなどで運転している可能性もあります。また、機器に問題がなくても、家の断熱性が低すぎて(例:単層ガラスの窓)、暖房したそばから熱が外に逃げている場合もあります。この場合は、暖房器具の問題ではなく、内窓の設置など住宅側の断熱リフォームを検討する必要があります。

温水ルームヒーターの寿命は?

温水ルームヒーターの寿命は、システムを構成する機器によって異なります。

一般的に、屋外に設置される熱源機(ボイラー)の寿命は、約10年〜15年とされています。これは、内部で燃焼や熱交換、ポンプの稼働などが行われるため、経年劣化しやすい部品が多いためです。

一方で、室内に設置される室内機(ファンコンベクターなど)は、構造が比較的シンプルなため、15年以上と熱源機よりも長く使えるケースが多いです。

寿命を延ばすためのメンテナンス

熱源機の寿命は、使用頻度や設置環境によって大きく左右されます。また、循環している不凍液(温水)を3〜5年ごと(製品による)に定期交換するといった専門業者によるメンテナンスを怠ると、配管の詰まりや腐食を引き起こし、寿命を縮める原因となります。

温水ルームヒーターで後悔しない選び方

温水ルームヒーターで後悔しない選び方

  • ガス代・灯油代とガス代高い?の疑問
  • 温水ルームヒーターつけっぱなしのコスト
  • 温水ルームヒーターとエアコンの比較
  • 一番電気代がかからない暖房器具は何ですか?
  • おすすめメーカー(リンナイ・コロナ・ノーリツ)
  • 温水ルームヒーターで後悔しないために

ガス代・灯油代とガス代高い?の疑問

温水ルームヒーターのランニングコスト(光熱費)は、熱源に何を使用するかによって全く異なります。主に「ガス」「灯油」「電気(ヒートポンプ)」の3種類です。

特に「ガス代が高い」という後悔は、使用しているガスの種類がプロパンガス(LPガス)である場合に多く聞かれます。

プロパンガス(LPガス)は要注意

プロパンガスは、都市ガスと比較してガス単価が非常に高い傾向にあります。

そのため、プロパンガスを熱源とする温水ルームヒーターを導入すると、ランニングコストが想定以上に高額になり、後悔する最大の要因となります。

都市ガス・灯油・ヒートポンプの比較

  • 都市ガス:プロパンガスよりは安価ですが、最新の省エネエアコンと比較するとガス代は高くなる傾向があります。
  • 灯油:灯油の価格変動に左右されますが、一般的にランニングコストは安価な傾向です。ただし、灯油タンクの設置場所や、定期的な給油の手間が発生します。
  • ヒートポンプ式(電気):エアコンと同じ仕組み(大気の熱を利用)でお湯を作るため、非常に高効率でランニングコストを抑えられます。ただし、初期費用がガス式や灯油式より高額になる傾向があります。

ご自宅のエネルギー源(都市ガスかプロパンガスか、灯油が使えるか)と、それぞれの単価をしっかり確認した上で熱源機を選ばないと、ランニングコストで必ず後悔します。

温水ルームヒーターつけっぱなしのコスト

「温水ルームヒーターは、一度冷えると温め直すのにエネルギーを使うから、つけっぱなしの方がお得」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、ある条件下では事実ですが、常にそうとは限りません。ポイントは住宅の断熱性能です。

高気密・高断熱住宅のように、一度暖まると室温が下がりにくい家であれば、こまめに電源をオン・オフするよりも、低温設定でつけっぱなし(連続運転)にする方が、トータルの光熱費が安くなる可能性があります。

しかし、断熱性が低い一般的な住宅でつけっぱなしにすると、暖めた熱がどんどん外に逃げていくため、それを補うために熱源機がフル稼働し続け、光熱費が非常に高額になるリスクがあります。

ご自身の生活スタイルや住宅性能に合わせて、タイマー機能を活用し、起床前や帰宅前に合わせて運転を開始するといった使い方が、コストと快適性のバランスを取る上で最も現実的です。

温水ルームヒーターとエアコンの比較

温水ルームヒーターとエアコンの比較

温水ルームヒーターの導入で迷う際、最大の比較対象はエアコンです。どちらも一長一短があり、暖房に何を求めるかによって評価が分かれます。

暖房の「質」と「快適性」

温水ルームヒーターの最大の強みは「快適性」です。室内で火を使わないため空気の汚れやニオイがなく、ファンコンベクター式でも足元から温風が出るため、部屋全体がムラなく暖まります。エアコン特有の「頭はボーッとするのに足元は寒い」という状況が起こりにくいです。

一方、エアコンは温風が直接体に当たりやすく、空気が乾燥しやすいというデメリットがあります。

コストと利便性

コストと利便性ではエアコンが有利です。初期費用(本体+工事費)は温水ルームヒーターより圧倒的に安価です。また、ランニングコスト(電気代)も、現在の省エネエアコン(ヒートポンプ)は非常に効率が良く、他のどの暖房器具よりも安く済むケースが多いです。

さらに、エアコンは冷房や除湿も1台でこなせるため、一年中活躍します。

「導入費用とランニングコスト」を最優先するならエアコン、「暖房の快適性や空気の質」を最優先するなら温水ルームヒーター、という選択になりますね。

比較項目温水ルームヒーターエアコン(ヒートポンプ式)
暖房の質(快適性)◎(ムラなく足元から暖かい)△(足元が冷えやすい)
空気の乾燥△(乾燥しにくい)×(乾燥しやすい)
空気の汚れ・ニオイ◎(クリーン)◎(クリーン)
速暖性△(やや時間がかかる)◎(早い)
初期費用×(非常に高い)◎(安価)
ランニングコスト△(熱源による。LPガスは×)◎(非常に効率的)
その他の機能×(暖房専用)◎(冷房・除湿も可能)

一番電気代がかからない暖房器具は何ですか?

もし熱源を「電気」に限定した場合、「一番電気代がかからない暖房器具」は、ヒートポンプ技術を使った機器です。

具体的には、省エネ性能の高いエアコン、またはヒートポンプ式の温水ルームヒーター(熱源機)が該当します。

ヒートポンプ技術は、投入した電気エネルギーの何倍もの熱エネルギーを「大気中から集めて移動させる」技術です。消費電力1に対して3〜6倍の熱を生み出すことができます(この効率をCOPと呼びます)。

一方で、電気ヒーター、電気式床暖房、オイルヒーターなどは、消費電力1に対して1の熱しか生み出せません。したがって、純粋な電気代の安さ(暖房効率)で言えば、エアコンが最も優れています。

電気代の効率ランキング

  1. エアコン(ヒートポンプ式):最も高効率。
  2. ヒートポンプ式温水ルームヒーター:エアコンとほぼ同等の高効率。
  3. 電気ヒーター・電気ストーブ・オイルヒーター:効率は悪い(電気代は高い)。

※ガス式や灯油式は電気代の他に燃料費がかかります。

おすすめメーカー(リンナイ・コロナ・ノーリツ)

おすすめメーカー(リンナイ・コロナ・ノーリツ)

温水ルームヒーターの主要メーカーとして、リンナイ、コロナ、ノーリツが挙げられます。

どのメーカーを選ぶかは、ご自宅が使用できる熱源(ガス・灯油)によって決めるのが良いでしょう。

リンナイ (Rinnai)

特徴:ガスを熱源とする製品に強いメーカーです。

都市ガスを使用しているご家庭で、給湯器もリンナイ製で揃えたい場合や、ガスと電気を組み合わせたハイブリッド給湯暖房システム「ECO ONE(エコワン)」などを検討する場合におすすめです。

コロナ (CORONA)

特徴:灯油(石油)を熱源とする製品に強いメーカーです。

寒冷地での実績が豊富で、「暖DAY BOY(ダンデイボーイ)」などのパワフルな暖房機が知られています。灯油を安価に利用できる地域や、灯油タンクの設置が可能なご家庭に向いています。

ノーリツ (NORITZ)

特徴:ガス・灯油ともに幅広いラインナップを持つメーカーです。

給湯器メーカーとしての高い技術力があり、床暖房や浴室暖房乾燥機など、他の温水機器とのシステム連携も得意としています。ご家庭の状況に合わせて柔軟な提案を受けやすいのが強みです。

まずは「都市ガス」「プロパンガス」「灯油」のうち、どれを熱源にするかを決めましょう。それがメーカー選びの第一歩になりますよ。

温水ルームヒーターで後悔しないために:まとめ

温水ルームヒーターは、正しく選べば非常に快適な暖房環境を提供してくれますが、選択を誤ると大きな後悔に繋がる設備でもあります。最後に、後悔しないためのポイントをまとめます。

  • 温水ルームヒーターは室外の熱源機で温水を作り、室内機で放熱するクリーンな暖房システム
  • 室内で火を使わず、空気が汚れず乾燥しにくいのが最大のメリット
  • 最大のデメリットは、熱源機・室内機・配管工事を含む高額な初期費用
  • 賃貸住宅への設置は現実的ではない
  • 「暖まらない」後悔の主な原因は、部屋の広さや断熱性に合っていない「kW数(能力)」の不足
  • 室内機フィルターの清掃不足や、循環する不凍液の不足・劣化も暖まらない原因になる
  • 熱源機(ボイラー)の寿命は一般的に約10年〜15年
  • 寿命を延ばすには、定期的な不凍液の交換など専門業者によるメンテナンスが不可欠
  • ランニングコストは熱源の種類(ガス・灯油・電気)で大きく変わる
  • 「ガス代が高い」という後悔は、特にプロパンガス(LPガス)使用時に起こりやすい
  • 都市ガスや灯油、ヒートポンプ式(電気)が主な選択肢となる
  • 「つけっぱなし」運転は、高断熱住宅でなければ光熱費が高額になるリスクがある
  • タイマー機能を活用し、生活リズムに合わせた運転がおすすめ
  • エアコンとの比較では、「快適性」なら温水ルームヒーター、「初期費用とランニングコスト」ならエアコンが有利
  • 一番電気代がかからない(=暖房効率が良い)のはエアコンやヒートポンプ式の機器
  • メーカー選びは、自宅で使える熱源(ガスか灯油か)で決めるのが基本(リンナイ=ガス、コロナ=灯油、ノーリツ=両方)
  • 導入前には必ず複数の専門業者に見積もりと現地調査を依頼し、自宅の断熱性に合ったkW数を提案してもらう
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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