電気のお悩み

コンセント差し込み口の交換費用は?100均でDIYできる?料金相場と業者選びの全知識

2025年12月14日

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コンセント差し込み口の交換費用は?100均でDIYできる?料金相場と業者選びの全知識

こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。

毎日使うコンセントですが、気がつくと差し込み口が緩くなってプラグが抜けやすくなっていたり、ひどい場合には焦げ付いて変色していたりすることがあります。

こうなると心配なのが「交換費用」ですよね。「自分でDIYすれば安く済むのでは?」「100均のパーツで直せないか?」と考える方も多いでしょう。特に賃貸にお住まいの方や、少しでも出費を抑えたい方にとって、正確な情報は喉から手が出るほど欲しいはずです。

しかし、安易な自己判断は禁物です。コンセントは電気という強大なエネルギーを扱う場所であり、間違った対応は火災などの重大な事故に直結します。

この記事では、職人の視点から、コンセントや差し込み口の交換にかかる適正な費用相場、そして資格を持たない人が作業することの法的・安全上のリスクについて、どこよりも詳しく解説します。

この記事のポイント

  • コンセント交換の費用相場と内訳の詳細
  • 資格なしでのDIY交換が法律で禁止されている理由
  • 賃貸物件や100均アイテムに関する誤解と正しい対処法
  • 信頼できる業者の選び方と失敗しないためのポイント

コンセント差し込み口の交換費用や相場と内訳

コンセント差し込み口の交換費用や相場と内訳

  • 作業内容別の料金相場一覧
  • 100均はカバーのみで内部は不可
  • コンセント交換は自分でできるか
  • 資格なしのDIY交換は法律違反
  • 賃貸物件で交換する際の注意点
  • 追加料金で費用が高くなるケース

作業内容別の料金相場一覧

結論から言うと、一般的な家庭用コンセント(100V)の交換費用は、「5,000円〜8,000円(税込)」が目安です。

これは、「今ある場所の配線をそのまま使い、古くなった器具だけを新しいものに取り換える」という最も標準的な工事の場合です。

しかし、状況によっては追加工事が必要になり、費用が変動します。作業内容ごとの詳細な料金相場を以下の表にまとめましたので、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

作業内容費用相場(税込)作業の詳細と備考
コンセント本体の交換5,000円 ~ 8,000円既存の配線を再利用し、表面のプレートと内部の埋込コンセントのみを新品に交換します。最も多い依頼内容です。
電圧切替(100V⇔200V)5,000円 ~ 10,000円大型エアコンやIHクッキングヒーター導入時に必要です。コンセント交換に加え、分電盤(ブレーカー)での電圧切替作業が含まれます。
差込口の増設(同箇所)5,000円 ~ 9,000円今の2口コンセントを、3口や6口に変更します。内部の配線容量に余裕があれば、部品代の差額程度で対応可能です。
場所移動・新規増設12,000円 ~ 20,000円~「ベッドの枕元に欲しい」など、配線がない場所に新設する場合です。壁の中にケーブルを通す隠蔽配線工事が必要となり、手間がかかるため高額になります。

料金の内訳を知っておこう

「たかがコンセント1個変えるだけで8,000円?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、業者の見積もりには以下のような経費が含まれています。

  • 工事費(技術料): 3,000円~5,000円。国家資格を持つ職人が作業するための人件費です。
  • 部品代(部材費): 500円~2,000円。一般的なダブルコンセントなら数百円ですが、USB付きや高機能なものは高くなります。
  • 出張費(諸経費): 3,000円~5,000円。現場までの移動費、ガソリン代、車両維持費などが含まれます。
  • 廃棄処分費: 数百円。取り外した古いコンセントは産業廃棄物として処理する必要があります。

つまり、部品代自体は安くても、「人が動く」ことに対する費用が大半を占めているのです。これを理解しておくと、見積もりを見た時の納得感が違うはずです。

100均はカバーのみで内部は不可

100均はカバーのみで内部は不可

最近はDIYブームもあり、「100円ショップにコンセントの部品が売っていた気がする」という声をよく耳にします。しかし、これは非常に危険な勘違いを含んでいる可能性があります。

まず事実として、100均(ダイソーやセリアなど)で販売されているのは、あくまで「コンセントカバー(スイッチプレート)」と呼ばれる、表面の化粧板のみです。

プラスチック製のシンプルなものから、木目調、アンティーク風など様々なデザインがありますが、これらはあくまで「見た目」を変えるためのアクセサリーに過ぎません。

電気を通す心臓部である「埋込コンセント(金具や配線接続部)」は、100円ショップでは絶対に取り扱っていません。

なぜなら、それらは電気用品安全法(PSEマーク)の厳しい基準をクリアした専門部材であり、ホームセンターの電材売り場やプロショップでしか販売されていないからです。

カバー交換だけなら100均でOK

もし、あなたの悩みが「表面のカバーが黄ばんでいる」「角が割れてしまった」だけであれば、100均のアイテムを使って自分で交換しても全く問題ありません。作業手順も非常に簡単です。

  1. 表面のプレートの隙間にマイナスドライバーを入れ、テコの原理でパカッと外す。
  2. 中の枠(ベース)を留めているネジをプラスドライバーで外す。
  3. 新しい100均のカバーを逆の手順で取り付ける。

この作業には資格は不要ですし、感電のリスクもほぼありません。

しかし、「差し込み口が緩くてプラグが落ちる」「電気が通ったり通らなかったりする」といった内部の不具合は、100均グッズでは絶対に直せません。

これらは内部金具の劣化が原因であり、本体ごとの交換が必要です。

コンセント交換は自分でできるか

コンセント交換は自分でできるか

「YouTubeで交換動画を見たけど、簡単そうだったから自分でやりたい」

その気持ち、痛いほどよく分かります。部品代だけで済めば数百円ですから、魅力的に感じるのは当然です。

しかし、プロとしての結論をお伝えします。コンセントの本体(配線が繋がっている埋込部分)の交換は、無資格の方が自分で行うことは絶対にできません。

コンセントの裏側を見たことはあるでしょうか? 壁の中からは「VVFケーブル」という硬い電線が伸びており、それをコンセント裏面の接続穴に適切な長さで被覆を剥いて差し込む必要があります。

  • 被覆を剥く長さが短すぎる: 接触不良を起こし、発熱の原因になります。
  • 被覆を剥く長さが長すぎる: 芯線が露出してしまい、ホコリが溜まってショート(短絡)する恐れがあります。
  • 差し込みが甘い: 抵抗が増大し、そこから異常発熱してコンセントが溶け出します。

これらは、一見すると電気が通って使えるように見えても、壁の中でじわじわと熱を持ち続け、数ヶ月後、あるいは数年後に突然火を吹く時限爆弾となります。

私が現場で見た中には、DIYで交換されたコンセントの裏側が真っ黒に焦げていたケースもありました。素人作業は「できたつもり」が一番怖いのです。

資格なしのDIY交換は法律違反

先ほど「できない」と言ったのは、単に技術的な難しさだけの話ではありません。もっと根本的な、法律の問題があります。

コンセントの交換工事(配線の接続を伴う作業)は、「第二種電気工事士」以上の国家資格所持者しか行ってはいけないと、法律で明確に定められています。その法律の名は「電気工事士法」です。

この法律は、電気による災害を防止するために存在します。無資格で電気工事を行った場合、以下のような厳しい罰則が規定されています。

電気工事士法による罰則

「30万円以下の罰金、または1年以下の懲役」

「家の中でこっそりやればバレないだろう」と思うかもしれません。しかし、本当のリスクは「警察に捕まること」ではありません。最大のリスクは、「火災保険が適用されない可能性がある」ことです。

もし、あなたの無資格DIYが原因で漏電火災が発生し、自宅や隣家を燃やしてしまったとしましょう。

消防や保険会社の現場検証で「素人による不適切な電気工事」が出火原因だと特定された場合、それは「重大な過失」や「法令違反」とみなされます。その結果、本来なら支払われるはずの数千万円という火災保険金が下りない、あるいは大幅に減額される可能性があります。たった数千円の工賃を浮かせようとした結果、人生を棒に振るような借金を背負うことになりかねないのです。

賃貸物件で交換する際の注意点

アパートやマンションなどの賃貸物件にお住まいの場合、持ち家とは全く異なるルールが存在します。結論から言うと、入居者が独断でコンセント交換を行うことは基本的にNGです。

賃貸物件において、壁や設備(コンセント含む)は全て「大家さん(貸主)」の所有物です。

これらを勝手に変更・交換することは、賃貸借契約における「原状回復義務」に違反する行為となります。たとえ良かれと思って新しいものに変えたとしても、退去時に「元の古いタイプに戻せ」と言われたり、違約金を請求されたりするトラブルに発展しかねません。

費用負担は誰がする?

では、壊れているのに我慢して使い続けなければならないのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。

  • 経年劣化(自然故障): 差し込み口が緩くなった、普通に使っていたのに割れた、などの場合は、基本的に貸主(大家さん)の負担で修理・交換してもらえます。
  • 入居者の過失: 足を引っ掛けて壊した、家具をぶつけた、などの場合は、入居者負担になることが多いですが、それでも業者の手配は管理会社が行うのが一般的です。

まずは管理会社へ連絡を

不具合を見つけたら、自分で業者を探す前に、必ず管理会社か大家さんに電話をしましょう。「コンセントが焦げていて危険なので見てほしい」と伝えれば、速やかに対応してくれるはずです。

追加料金で費用が高くなるケース

追加料金で費用が高くなるケース

記事の冒頭で「5,000円〜8,000円」という相場をお伝えしましたが、現場の状況によってはこれよりも高くなるケースがあります。

「話が違う!」とならないよう、追加料金が発生しやすいパターンを知っておきましょう。

家具の移動が必要な場合

交換したいコンセントの前に大きなタンスや重い冷蔵庫があり、作業員一人では動かせない場合、「家具移動費」や「作業員増員費」がかかることがあります。事前に自分で動かして作業スペース(畳一畳分程度)を確保しておけば、この費用は節約できます。

出張エリア外への依頼

ネットで見つけた良さそうな業者が、実は隣の県だった……という場合、高額な出張費が加算されます。往復の高速代や移動時間を請求されるため、工事費よりも出張費の方が高くなる逆転現象が起きることも。必ず「対応エリア内か」「出張費はいくらか」を確認しましょう。

駐車スペースがない場合

都心部のマンションなどで、敷地内に業者の車(ハイエースなどの作業車)を停めるスペースがない場合、近隣のコインパーキングを利用することになります。この際の実費(駐車料金)は、お客様負担となるのが一般的です。

壁の材質が特殊な場合

コンクリート打ちっぱなしの壁や、古い土壁、タイル貼りの壁などは、コンセントの固定に特殊な加工や部品が必要になることがあります。標準工事費には含まれない「特殊工事費」として数千円プラスされることがあります。

コンセント差し込み口の交換費用を抑える業者選び

コンセント差し込み口の交換費用を抑える業者選び

  • 交換はどこに頼むのがベストか
  • ヤマダ電機など量販店の特徴
  • USBなど便利な機能付きの種類
  • 交換時期の目安と危険なサイン
  • 業者選びで失敗しないポイント

交換はどこに頼むのがベストか

コンセント交換の依頼先は、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

それぞれのメリット・デメリットを比較し、あなたの優先順位に合った依頼先を選んでください。

依頼先メリットデメリットこんな人におすすめ
街の電気屋さん地域密着で対応が早い。

融通が利きやすく、出張費も安め。

初めてだと電話しづらい。

料金表がHPにないことも。

スピード重視の人

近所に馴染みの店がある人

家電量販店・ホームセンター大手の看板があり安心感がある。

料金体系が明朗会計。

実際の工事は下請け業者が行う。

日程調整に時間がかかる。

安心感・ブランド重視の人

買い物ついでに頼みたい人

マッチングサイト口コミで比較できる。

価格競争があり安価な業者が多い。

業者の質にバラつきがある。

トラブル時の対応が個人間になることも。

とにかく安く済ませたい人

口コミをじっくり選びたい人

個人的な経験から申し上げますと、最もおすすめなのは「近所の電気工事店(街の電気屋さん)」です。Googleマップで「近くの電気工事」と検索すれば出てきます。

彼らはその地域での評判を何より大切にしていますし、移動距離が短いため、急なトラブルでも「今から行きますよ!」と駆けつけてくれることが多いからです。何かあった時に頼れる地元のプロを見つけておくことは、今後の生活の安心にも繋がります。

ヤマダ電機など量販店の特徴

「街の電気屋さんは敷居が高い」と感じる方は、ヤマダ電機、ケーズデンキ、エディオン、カインズホームといった大手量販店やホームセンターのリフォームカウンターを利用するのも一つの手です。

最大のメリットは「料金体系が明確で、ぼったくりの心配がないこと」です。「コンセント交換1箇所〇〇円〜」とカタログに明記されており、ポイントが付与される場合もあります。クレジットカード払いもスムーズです。

一方で、デメリットは「スピード感」です。量販店の社員が工事をするわけではなく、そこから提携している地元の協力業者に依頼が流れる仕組みになっています。

そのため、申し込みから現地調査、見積もり、工事日決定までに数日〜1週間程度かかることが一般的です。「今日中に直してほしい!」という緊急事態には不向きかもしれません。

USBなど便利な機能付きの種類

どうせ工事費を払って業者に来てもらうなら、今までと全く同じコンセントにするのはもったいないかもしれません。

最新のコンセントは非常に進化しており、生活の質を少しだけ上げてくれる便利な機能を持ったものがたくさんあります。

おすすめの高機能コンセント3選

USBポート付きコンセント

今やスマホやタブレットの充電は毎日の日課です。コンセントにUSBポート(Type-AやType-C)が直接ついているタイプなら、あのかさばる充電アダプタが不要になります。寝室のベッドサイドや、キッチンカウンター、リビングのソファ横などに設置すると、見た目もスッキリして非常に便利です。

抜け止め防止機能付き

プラグを差し込んでから「クルッ」と回すとロックがかかり、引っ張っても抜けなくなるタイプです。パソコン、冷蔵庫、医療機器、水槽のポンプなど、「使用中に電源が落ちると困る機器」には必須と言えます。ペットや小さなお子様がいるご家庭でのイタズラ防止にも役立ちます。

マグネット式・フラット型

逆に、足を引っ掛けてしまった時に「ポンッ」と安全に外れるマグネット式のコンセントもあります。高齢の方がコードに足を引っ掛けて転倒する事故を防ぐためのバリアフリー設計です。また、使用していない時は差し込み口が平ら(フラット)になり、ホコリが入るのを防ぐタイプもあります。

これらの高機能コンセントを選んでも、部品代の差額は千円〜数千円程度です。工事の手間賃は変わらないので、ぜひ交換のタイミングで検討してみてください。

交換時期の目安と危険なサイン

「コンセントって、壊れるまで使い続けるものでしょう?」と思っていませんか? 実は、コンセントにも明確な「寿命」があります。

一般社団法人 日本配線システム工業会によると、配線器具(コンセントやスイッチ)の更新推奨時期は「約10年」とされています。

(出典:一般社団法人 日本配線システム工業会

設置から10年を過ぎると、内部の刃受けバネが金属疲労で緩んだり、接触部の摩耗が進んだりして、発熱のリスクが高まります。「まだ使えるから」と放置するのは危険です。

今すぐ交換すべき危険なサイン

もしご自宅のコンセントで以下のような症状が見られたら、10年経っていなくても「即時交換」が必要です。

  • 表面が熱を持っている: 手で触れて「温かい」と感じたら赤信号です。内部で接触不良が起きています。
  • プラグがグラグラする: 差し込んだプラグが自重で下がってくる、少し触れるだけで抜ける場合は、内部のバネが死んでいます。火花(スパーク)が出る原因になります。
  • 変色や焦げ跡がある: 差し込み口の周りが茶色や黒に変色しているのは、すでに小規模な発熱やショートが起きている証拠です。トラッキング現象による火災の一歩手前です。

業者選びで失敗しないポイント

最後に、業者選びで後悔しないための3つのチェックポイントをお伝えします。悪徳業者に引っかからないためにも、ここだけは確認してください。

  1. 「電気工事士」の資格を明示しているかホームページや名刺に「第二種電気工事士」「電気工事業登録」などの記載があるか確認しましょう。資格証の提示を求めても嫌な顔をしない業者は信頼できます。
  2. 見積もりが明確か「工事一式 10,000円」というざっくりした見積もりは危険です。「出張費」「部品代」「作業工賃」がしっかりと分けられているか確認してください。不明瞭な点があれば、作業前に必ず質問しましょう。
  3. アフター保証があるか施工後に「電気がつかない」「カバーが浮いてきた」といった不具合が起きた際、無料で手直しをしてくれる保証があるかどうかも重要です。地域密着の電気屋さんなら、この点は手厚いことが多いです。

「ネットで一番安かったから頼んだけど、追加料金ばかり請求された」「態度が横柄で怖かった」という失敗談は後を絶ちません。

安さも大切ですが、誠実な対応をしてくれる業者を選ぶことが、結果的に一番の節約になります。

コンセント差し込み口の交換費用:まとめ

コンセント交換は、一見するとネジを回すだけの簡単な作業に見えるかもしれません。しかし、その背後には命と財産に関わる重要な電気の知識が必要です。

費用相場は5,000円〜8,000円程度です。この金額を「高い」と感じるか「安心料」と捉えるかは人それぞれですが、無資格DIYで火災のリスクを背負い、火災保険も下りない事態になることと比べれば、決して高い出費ではないはずです。

特にUSB付きコンセントなどへの変更は、毎日の生活の利便性をぐっと上げてくれます。

ただ「壊れたから直す」だけでなく、より快適な住まいにするための「プチリフォーム」として、プロの力を借りてみてはいかがでしょうか。

この記事が、あなたの安全で快適な生活のお助けとなれば幸いです。

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  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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