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玄関からの冷気対策・寒さ対策|原因と自分でできるDIYや手軽な方法

2025年9月9日

冬の訪れとともに気になる、玄関のひんやりとした空気。暖房の効いたリビングから一歩出た瞬間の寒さに、思わず身を縮めてしまう方も多いのではないでしょうか。実は、その不快な寒さには明確な理由があります。この玄関からの冷気対策を怠ると、快適性が損なわれるだけでなく、健康面でのリスクも潜んでいます。

この記事では、まず玄関が寒い理由と原因を徹底的に解説し、玄関からの冷気や寒さを放置するリスクについて明らかにします。その上で、今日からすぐに始められる、自分でできる玄関や廊下のおしゃれな寒さ対策として、玄関の寒さ対策に役立つ100均グッズから、ニトリで手に入る便利な防寒アイテムまで具体的な寒さ対策・冷気対策7選を紹介します。玄関の防寒カーテンや玄関の冷気遮断パネルの活用法、DIYで暖かくする方法も解説します。

さらに、アパートの玄関における寒さ対策や、マンションの玄関ドアの防寒、そして特に悩みが深い古い家の寒さ対策にも触れていきます。最終的には、寒さ対策に一番効果的とされる断熱リフォームについて、補助金でお得にリフォームする方法まで網羅的にご案内します。

ポイント

  • 玄関がなぜ寒いのか、その根本的な原因がわかる
  • 100均やニトリのアイテムを使った手軽な寒さ対策がわかる
  • 住まいのタイプ(戸建て・マンション・アパート)別の対策がわかる
  • 最も効果的な対策である断熱リフォームと補助金についてわかる

玄関からの冷気対策・寒さ対策|原因と自分でできるDIYや手軽な方法

玄関からの冷気対策・寒さ対策|原因と自分でできるDIYや手軽な方法

  • そもそも玄関が寒い理由と原因とは?
  • 玄関からの冷気や寒さを放置するリスク
  • 100均やニトリで揃う防寒アイテム
  • 玄関 防寒カーテンと冷気遮断 パネルの効果
  • DIYなど自分でできる寒さ対策・冷気対策7選
  • 自分でできる|玄関・廊下のおしゃれな寒さ対策

そもそも玄関が寒い理由と原因とは?

玄関の寒さを効果的に対策するためには、まず「なぜ寒くなるのか」という原因を正しく理解することが不可欠です。主な原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。

1. 断熱性能の低さ

多くの住宅では、リビングなどの居住空間に比べて玄関や廊下の断熱が後回しにされがちです。特に築年数が経過した家では、壁や床に断熱材が入っていなかったり、玄関ドア自体に断熱性能がなかったりします。アルミ製のドアは熱を伝えやすいため、外の冷気が直接ドアを冷やし、その冷たさが室内に放射されることで空間全体が冷えてしまいます。

2. ドアや窓からのすき間風

玄関ドアは開閉が頻繁なため、長年の使用でわずかな歪みが生じ、ドアと枠の間に隙間ができてしまうことがあります。この隙間から冷たいすき間風が侵入し、室内の暖かい空気を奪っていきます。また、ドアに設置された郵便受けも、すき間風の侵入経路となることがあります。

3. 床からの底冷え

玄関の土間はコンクリートやタイルでできていることが多く、これらの素材は非常に冷えやすい性質を持っています。地面の冷気が基礎を通じて直接伝わり、足元から体を冷やす「底冷え」の大きな原因となります。床下に断熱材が施工されていない場合、この影響はさらに顕著になります。

4. 間取りの問題

玄関ホールが吹き抜けになっていたり、廊下や階段と直接つながっていたりする開放的な間取りも寒さの一因です。暖かい空気は軽く上昇し、冷たい空気は重く下に溜まる性質があるため、玄関や廊下に冷気が滞留しやすくなります。リビングで暖められた空気が玄関まで届きにくい構造になっているのです。

これらの原因を把握することで、ご自宅の状況に合わせた最適な対策を見つけやすくなります。

玄関からの冷気や寒さを放置するリスク

玄関の寒さを「仕方ないもの」として放置してしまうと、ただ不快なだけでなく、健康や家計、さらには建物自体にも悪影響を及ぼす可能性があります。

第一に、最も注意すべきは「ヒートショック」のリスクです。暖かいリビングから急に寒い玄関や廊下へ移動すると、血圧が急激に変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が高まります。特に高齢者や高血圧の方にとっては、命に関わる深刻な問題です。

第二に、日常的な健康への影響も無視できません。体が冷えることで免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、冷え性が悪化したりする原因になります。玄関を通るたびに体を冷やしていては、体調を維持することが難しくなるでしょう。

第三に、経済的なデメリットも発生します。玄関から絶えず冷気が侵入してくると、リビングなどの暖房効率が著しく低下します。せっかく暖房器具で暖めた空気が冷やされ続けるため、設定温度を上げたり、運転時間を長くしたりする必要が生じ、結果として電気代やガス代の増加につながります。

最後に、建物へのダメージも考えられます。室内外の温度差が大きいと、玄関ドアや窓に結露が発生しやすくなります。この結露を放置すると、カビやダニの発生源となるだけでなく、ドアや壁紙、床材の劣化を早める原因にもなりかねません。

このように、玄関の寒さは暮らしの質を多方面から低下させる要因となるため、早めの対策が大切です。

100均やニトリで揃う防寒アイテム

本格的なリフォームの前に、まずは手軽に始められる対策を試したいという方も多いでしょう。100円ショップやニトリなどでは、コストを抑えつつ効果的な寒さ対策ができるアイテムが豊富に揃っています。

100円ショップで手に入るアイテム

100円ショップでは、特に「すき間」対策に有効なグッズが見つかります。

  • すき間テープ: ドア枠に貼り付けることで、すきま風の侵入を簡単に防げます。スポンジタイプや起毛(モヘア)タイプなどがあり、隙間の幅に合わせて選べます。
  • 断熱シート: 窓ガラスに貼るタイプの気泡緩衝材(プチプチ)シートやアルミシートは、窓からの冷気を遮断するのに効果的です。玄関に窓がある場合に役立ちます。
  • ドアストッパー(すきま風防止タイプ): ドアの下の隙間に差し込む布製の商品です。冷気の侵入を防ぎつつ、ドアの開閉も邪魔しません。

ニトリで手に入るアイテム

ニトリでは、機能性とデザイン性を両立した防寒アイテムが人気です。

  • 間仕切りカーテン: 突っ張り棒と合わせて使うことで、玄関と廊下・リビングの間に「空気の壁」を作れます。厚手で床に届く長さのものを選ぶと、冷気の流れを効果的に遮断できます。
  • 吸湿発熱素材(Nウォーム)のラグ・マット: 玄関マットや廊下敷きにニトリのNウォームシリーズを取り入れると、足元からの底冷えを和らげることができます。
  • 冷気ストップパネル: 窓際やドアの足元に立てて置くだけで、床を伝ってくる冷気をブロックするアイテムです。軽量で移動も簡単なため、手軽に設置できます。

これらのアイテムを組み合わせることで、費用を抑えながらも玄関の寒さをある程度改善することが可能です。

防寒カーテンと冷気遮断 パネルの効果

すき間風やドア本体からの冷気を物理的に遮断する方法として、「防寒カーテン」の設置と「冷気遮断パネル」の活用は非常に効果的です。

玄関の防寒カーテン

玄関ホールと廊下やリビングとの間に一枚カーテンを設置するだけで、空間を仕切ることができ、冷たい空気が居住スペースに流れ込むのを防ぎます。この対策のポイントは、カーテンの選び方と設置方法にあります。

まず、生地はできるだけ厚手で、目の詰まった素材を選ぶことが大切です。断熱性や遮光性を謳ったカーテンであれば、より高い効果が期待できます。色は暖色系を選ぶと、視覚的にも暖かさを感じられます。

次に、サイズは幅・丈ともに余裕のあるものを選びましょう。特に丈は、床に少し引きずるくらいの長さにすると、カーテン下からの冷気の侵入を最小限に抑えられます。設置には突っ張り棒を使えば、壁に穴を開ける必要がないため、賃貸住宅でも手軽に導入できます。

冷気遮断パネル

冷気遮断パネルは、主にプラスチックダンボールや発泡ポリエチレンなどで作られた自立式のボードです。これを玄関ドアの足元や、冷気の気になる窓際に立てかけるだけで、床面を伝ってくる冷たい空気の流れをせき止める効果があります。

特に、掃き出し窓のように大きなガラス面の下に置くと、コールドドラフト現象(窓で冷やされた空気が下降し、床に広がる現象)を効果的に抑制できます。高さは30cm程度のものから1m近いものまで様々あり、デザインも豊富です。使わない時期は折りたたんでコンパクトに収納できる製品が多いのも利点と言えます。

これらのアイテムは、即効性があり体感的にも効果を感じやすいため、手軽に始められる対策としておすすめです。

DIYなど自分でできる寒さ対策・冷気対策7選

専門業者に依頼しなくても、自分でできる寒さ対策は数多くあります。ここでは、ホームセンターなどで材料を揃えて挑戦できるDIYを含めた7つの対策を紹介します。

対策方法 費用目安 難易度 主な効果
1. すき間テープを貼る 数百円~ ★☆☆ すきま風防止
2. 断熱シートを貼る 数百円~ ★☆☆ 窓・ドアからの冷気遮断
3. 厚手のマット・ラグを敷く 数千円~ ★☆☆ 床からの底冷え軽減
4. 間仕切りカーテンを設置 数千円~ ★★☆ 空間を仕切り冷気を遮断
5. 冷気遮断パネルを置く 数百円~ ★☆☆ 足元の冷気(コールドドラフト)防止
6. 玄関ドアに断熱材を貼る 数千円~ ★★★ ドア本体の断熱性向上
7. 内窓(二重窓)をDIY 1万円~ ★★★ 窓の断熱性・気密性を大幅向上

対策の詳細

  1. すき間テープを貼る: ドアの枠や郵便受けの周囲など、風が入ってくる隙間に貼ります。最も手軽でコストパフォーマンスの高い対策です。
  2. 断熱シートを貼る: 玄関に窓がある場合、ガラス面に気泡緩衝材(プチプチ)や専用の断熱フィルムを貼ることで、熱の出入りを抑えます。
  3. 厚手のマット・ラグを敷く: 玄関マットを厚手のものに変えたり、廊下にラグを敷いたりするだけで、床からの冷えを和らげます。
  4. 間仕切りカーテンを設置: 前述の通り、突っ張り棒を使えば簡単に設置でき、冷気の流入を効果的に防ぎます。
  5. 冷気遮断パネルを置く: 立てかけるだけで足元の冷気をブロックします。
  6. 玄関ドアに断熱材を貼る: プラダン(プラスチックダンボール)やスタイロフォームといった板状の断熱材をドアのサイズに合わせてカットし、両面テープやマグネットで貼り付けます。見た目を工夫する必要はありますが、断熱効果は高まります。
  7. 内窓(二重窓)をDIY: 玄関に窓がある場合、プラダンやポリカーボネートを使って簡易的な内窓を作成する方法もあります。やや難易度は上がりますが、大きな断熱効果が期待できます。

自分でできる|玄関・廊下のおしゃれな寒さ対策

リフォームのような大掛かりな工事をしなくても、日々の暮らしの中で工夫を凝らすことで、玄関や廊下の寒さを和らげる方法はたくさんあります。ここでは、100円ショップやホームセンターで手に入るアイテムを活用し、インテリア性も損なわない「おしゃれな寒さ対策」に焦点を当てて、具体的な方法とそれぞれのポイントを詳しく解説します。

1. 断熱性の高いマットやラグを敷く

前述の通り、玄関や廊下の寒さの大きな原因の一つに、コンクリートやフローリングの床から直接伝わる「底冷え」があります。この対策として最も手軽で即効性があるのが、断熱効果のあるマットやラグを敷くことです。

なぜ効果があるのか

マットやラグは、素材自体が含む空気の層によって、床下の冷気が室内に伝わるのを防ぐ断熱材の役割を果たします。これにより、足が直接冷たい床に触れるのを防ぎ、体感温度を大きく改善できます。

素材の選び方

素材によって断熱性や肌触りが異なります。

  • コルクマット: コルクは内部に微細な気泡を無数に含んでいるため、断熱性・保温性に非常に優れています。クッション性も高いため、足腰への負担が少ないのもメリットです。ジョイント式を選べば、廊下の形状に合わせて自由に敷き詰められます。
  • ウレタン入りの厚手ラグ: ラグの内部にウレタンフォームが入っているものは、厚みがある分、高い断熱効果が期待できます。低反発素材のものなどは、踏み心地も快適です。
  • ウール(羊毛)素材: 天然素材であるウールは、保温性と吸湿性に優れています。湿気を吸って熱を放出する性質があるため、冬場でもサラッとした暖かさを保ちます。
おしゃれに見せるポイント

寒さ対策だけでなく、インテリアの一部として楽しむことも大切です。廊下全体を覆うようにランナー(細長いラグ)を敷くと、空間に統一感が生まれて洗練された印象になります。また、暖色系の色や、幾何学模様、ギャッベのような温かみのあるデザインを選ぶと、視覚的にも暖かな雰囲気を演出できます。

2. 間仕切りカーテンで冷気を物理的に遮断する

玄関ホールが廊下やリビングと直接つながっている間取りの場合、間仕切りカーテンの設置が非常に効果的です。一枚の布で空間を仕切るだけで、冷たい空気が居住スペースへ流れ込むのを物理的に防ぎ、暖房効率の低下を防ぎます。

カーテンの選び方

効果を最大限に引き出すには、カーテンの素材とサイズ選びが鍵となります。

  • 素材: できるだけ生地が厚手で、織り目が詰まっているものを選びましょう。断熱効果を謳った専用のカーテンや、裏地付きの遮光カーテンは、空気を通しにくいため特に高い効果が期待できます。
  • サイズ: 幅は、設置したい場所の1.2倍から1.5倍程度のものを選ぶと、美しいドレープを作りつつ隙間なく仕切れます。丈は、床に少し引きずるくらいの長さにすることがポイントです。床との隙間をなくすことで、下から流れ込む冷気をしっかりとブロックできます。
設置方法と注意点

最も手軽なのは、壁に穴を開ける必要のない「突っ張り棒」を使用する方法です。これなら賃貸住宅でも安心して設置できます。デザインも豊富なので、お部屋の雰囲気に合わせて北欧柄やモダンな無地など、好みのものを選べば、インテリアのアクセントとしても機能します。ただし、頻繁に通る場所に設置すると、開け閉めが少し手間に感じられる場合がある点は考慮しておきましょう。

3. コンパクトな暖房器具を設置する

玄関や廊下をピンポイントで、かつ素早く暖めたい場合には、コンパクトな暖房器具の設置が有効です。長時間使用するわけではないため、立ち上がりが早く、安全機能が充実したモデルが適しています。

玄関・廊下におすすめのヒーター
  • 人感センサー付きセラミックヒーター: 人の動きを感知して自動でON/OFFを切り替えるため、通る時だけ足元を暖めてくれます。消し忘れの心配がなく、無駄な電力消費を抑えられるのが最大のメリットです。小型で設置場所を選ばない製品が多くあります。
  • パネルヒーター: 輻射熱でじんわりと周囲を暖めるタイプのヒーターです。風が出ないためホコリを舞い上げず、空気も乾燥しにくいのが特徴です。薄型なので、壁際に置いても邪魔になりにくいデザインです。

玄関からの冷気対策・寒さ対策で一番効果的なのは?最も効果的に暖かくする方法

玄関からの冷気対策・寒さ対策で一番効果的なのは?最も効果的に暖かくする方法

  • アパートの寒さ対策と注意点
  • マンションの防寒方法
  • 古い家で実践したい寒さ対策
  • 最も効果的に暖かくする方法
  • 断熱リフォームが効果的|補助金も解説

アパートの玄関での寒さ対策と注意点

アパートにお住まいの場合、寒さ対策には「原状回復」という制約が伴います。壁に穴を開けたり、大規模な改造をしたりすることは難しいため、取り外しが可能な方法を選ぶ必要があります。

まず、前述した「すき間テープ」「断熱シート」「間仕切りカーテン(突っ張り棒使用)」「ラグやマット」「冷気遮断パネル」といった対策は、いずれも原状回復が容易なため、アパートの寒さ対策として非常に有効です。

特に注意したいのが、テープ類の粘着剤です。強力な両面テープを使用すると、剥がす際にドアの塗装や壁紙を傷つけてしまう可能性があります。対策としては、粘着力の弱いものを選んだり、先に養生テープ(マスキングテープ)を貼った上から両面テープを貼ったりする工夫が考えられます。

また、アパートの玄関は廊下に面しているため、ドアの気密性が低いと共用廊下の冷気が直接流れ込みます。ドア下からのすきま風がひどい場合は、差し込むだけのドア下すきまストッパーが手軽でおすすめです。

アパートでは大規模なリフォームはできませんが、これらの工夫を組み合わせることで、寒さを大幅に和らげることが可能です。

マンションの玄関ドアでの防寒方法

マンションの玄関ドアは、共用部分にあたるため、個人が勝手に交換したり、外観を変えるような改造をしたりすることは規約で禁止されているのが一般的です。したがって、対策はドアの室内側で行うことになります。

基本的な考え方はアパートと同様で、原状回復可能なDIYが中心となります。すき間テープによる気密性の向上は、マンションでも有効な対策です。特にドアスコープや郵便受けの周りは隙間ができやすいポイントなので、念入りに対策すると良いでしょう。

また、金属製のドアが多いマンションでは、ドア自体が外気で冷やされ、その冷たさが室内に伝わってきます。この対策として、ドアの室内側にマグネットで取り付けられるタイプの断熱シートや、薄手の断熱ボードを貼る方法があります。デザイン性の高いリメイクシートを上から貼れば、インテリア性を損なわずに防寒対策が可能です。

さらに、玄関の内側にカーテンやロールスクリーンを設置して、ドアと居住空間の間に空気の層を作ることも効果的です。これにより、ドアから伝わる冷気が直接リビングなどに流れ込むのを防ぐことができます。管理規約を確認し、可能な範囲で対策を行いましょう。

古い家で実践したい寒さ対策

築年数の経った古い家では、近年の住宅に比べて断熱基準が低く、構造上、寒さを感じやすいケースが多く見られます。特に玄関まわりは、断熱材が入っていなかったり、建付けの歪みから大きな隙間ができていたりと、複数の問題点を抱えていることが少なくありません。

自分でできる対策としては、これまで紹介してきた方法(すき間テープ、カーテン、パネルなど)を総動員することが有効です。特に、木製の引き戸タイプの玄関は隙間が大きくなりがちなので、レール部分や戸当たり部分に太めのすき間テープを丁寧に貼るだけでも、効果を実感できるでしょう。

しかし、古い家の寒さを根本的に解決するには、DIYだけでは限界があるのも事実です。すき間風がひどい、床からの底冷えが耐えられない、といった状況であれば、断熱リフォームを視野に入れることが最も確実な解決策となります。例えば、断熱性能の高い最新の玄関ドアに交換したり、玄関に面した窓に内窓を設置したりするだけでも、家の快適性は劇的に向上します。床下に断熱材を入れるリフォームも、底冷えに悩む場合には非常に効果的です。

 

最も効果的に暖かくする方法

玄関の寒さを最も効果的に解消し、根本から暖かくする方法は、やはり「断熱性能を高めるリフォーム」です。これまで紹介してきたDIYや市販グッズによる対策は、あくまで対症療法であり、冷気の発生源そのものを断つものではありません。

家の断熱性能は、主に「開口部(窓やドア)」と「躯体(壁・床・天井)」によって決まります。玄関まわりで最も熱の出入りが激しいのは、玄関ドアと窓です。したがって、これらの開口部の断熱性能を向上させることが、寒さを解決するための最短ルートと言えます。

具体的には、以下のようなリフォームが挙げられます。

  • 高断熱タイプの玄関ドアへの交換: 最新の玄関ドアは、内部に断熱材が充填されており、ドア枠の構造も熱が伝わりにくいように工夫されています。すき間風を防ぐ気密性も格段に向上しており、ドアを交換するだけで玄関の体感温度は大きく変わります。
  • 内窓(二重窓)の設置: 玄関に窓がある場合、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓」は非常に高い断熱効果を発揮します。窓と窓の間に生まれる空気層が、外の冷たい空気をシャットアウトします。
  • 床の断熱リフォーム: 床下から断熱材を施工することで、地面からの冷気を遮断し、足元の底冷えを根本から解消します。

これらのリフォームは初期費用がかかりますが、暖房効率の改善による光熱費の削減や、ヒートショックリスクの低減といった長期的なメリットを考えると、非常に価値のある投資です。

断熱リフォームが効果的|補助金でお得にリフォーム

玄関の寒さ対策として最も効果的な断熱リフォームですが、費用が気になるという方も多いでしょう。しかし、現在、国は住宅の省エネ化を推進するため、断熱リフォームに対して手厚い補助金制度を用意しており、これらを活用することでお得に工事が可能です。

2025年現在、中心となっているのは「住宅省エネ2025キャンペーン」と総称される国の事業です。この中には、目的に応じていくつかの制度があります。

  • 先進的窓リノベ2025事業: 非常に高い断熱性能を持つ窓へのリフォームを対象とした補助金です。玄関ドア単体での申請はできませんが、断熱性能の高い窓(内窓設置や外窓交換)のリフォームと同時に行うことで、高断熱タイプの玄関ドア交換も補助対象となります。補助額が大きく、リフォーム費用の最大50%相当が補助されるケースもあります。
  • 子育てエコホーム支援事業: 省エネ改修全般を幅広く対象としており、一定の断熱性能を満たす玄関ドアへの交換も対象工事に含まれます。開口部の断熱改修は必須工事の一つとなっており、他のリフォームと組み合わせることで補助金が交付されます。

これらの補助金を利用するためには、登録された事業者に工事を依頼する必要があります。また、申請期間や予算の上限が定められているため、リフォームを検討する際は早めに情報を集め、専門のリフォーム会社に相談することが大切です。補助金を賢く活用すれば、費用負担を抑えながら、寒さの悩みを根本から解決できます。

まとめ:最適な玄関からの冷気対策とは

  • 玄関が寒い主な原因は断熱性能の低さ、すきま風、床からの底冷え、間取りの問題
  • 玄関の寒さを放置するとヒートショックや健康悪化、光熱費増大のリスクがある
  • 100均のすき間テープや断熱シートは手軽な第一歩として有効
  • ニトリの間仕切りカーテンや冷気ストップパネルも効果的な対策グッズ
  • DIYではすき間テープ、断熱シート貼り、カーテン設置などが手軽に始められる
  • 玄関と居住空間の間にカーテンを吊るすだけで冷気の流入を大幅にカットできる
  • アパートや賃貸では原状回復可能なDIYが基本となる
  • マンションのドアは共用部のため室内側での対策が中心
  • 古い家は複数の問題を抱えていることが多く、根本解決にはリフォームが有効
  • 最も効果的に暖かくする方法は高断熱ドアへの交換や内窓設置などの断熱リフォーム
  • 断熱リフォームは暖房効率を改善し長期的に光熱費削減に繋がる
  • 国の補助金制度「住宅省エネ2025キャンペーン」などを活用できる
  • 「先進的窓リノベ事業」では窓リフォームと同時に行うことで玄関ドアも対象になる
  • 補助金の利用には登録事業者への依頼など条件があるため事前の確認が不可欠
  • 自分に合った対策を組み合わせ、快適で暖かい玄関を実現することが大切
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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