自宅や店舗のガレージ、窓に設置されている三和シャッターの交換にかかる費用や修理料金、工事の費用相場を手動や電動のタイプ別に詳しく知りたいと考えていませんか。
突然の故障でシャッターが開かない、あるいは異音がするといった状況では、価格や費用相場の詳細に加え、リモコン設定方法や電動シャッターが途中で止まるといった具体的なトラブル対応も気になるところです。
また、長く使用していると発生しがちな三和シャッターの鍵の不具合や、誤作動時のリセット方法、あるいは電動シャッターが動かない場合の緊急対処法も事前に把握しておきましょう。
メーカーとしての評判や三和シャッターの構造や仕組みを正しく理解すれば、なぜ一般的に「メーカー修理が高い」と言われるのか、その理由も見えてきます。日常でできるリモコンの電池交換から、いざという時に信頼できる業者を選ぶときのポイントまで、専門的な知見を交えて幅広く解説します。
目次
三和シャッターの交換費用と相場の目安
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- 三和シャッターの構造や仕組みを知る
- 修理料金・工事の費用相場(手動・電動)
- 部品の価格や費用相場を把握する
- 三和シャッターの修理が高い理由とは
- 評判や業者を選ぶときのポイント
三和シャッターの構造や仕組みを知る
三和シヤッター工業は、シャッターやスチールドアなどの建材商品において国内でトップクラスのシェアを誇る、信頼性の高い大手メーカーです。一般住宅のガレージや窓シャッターから、オフィスビル、商業施設、工場の大型搬入口まで幅広く導入されています。
(出典:三和シャッター工業株式会社 公式サイト)
その製品は非常に高い耐久性と防犯性を備えていますが、機械製品である以上、経年劣化は避けられません。長く安全に使い続けるためには、まず基本的な構造や仕組みを理解しておくことが大切です。
シャッターは大きく分けて、開口部を覆う「スラット(カーテン部分)」、それを巻き取る「シャフト(巻き取り軸)」、左右でスラットをガイドする「ガイドレール」、そして手動式の場合は巻き上げを補助する「スプリング(バネ)」、電動式の場合は「モーター(開閉機)」や「制御盤」で構成されています。
特に近年の電動タイプは、障害物を検知して停止する安全装置や、無線で操作するためのリモコン受信機など、精密な電子部品が多く組み込まれています。
防犯や雨風を防ぐシャッターの顔とも言える主要パーツです。素材には主にスチール(鉄)やアルミが使われ、形状や厚みによって耐久性や耐風圧性能が異なります。海沿いの地域では錆に強いアルミ製やステンレス製が選ばれることもあります。
故障が発生した場合、どのパーツに不具合があるかによって対処法や費用が大きく異なります。
例えば「異音がする」という症状一つをとっても、スラットの変形による金属摩擦なのか、ガイドレールの油切れやゴミ詰まりなのか、あるいはシャフトの軸受(ベアリング)やプーリーの摩耗なのか、原因は多岐にわたります。構造をある程度理解しておくことで、修理業者からの故障説明や見積もり内容もスムーズに理解できるようになります。
修理料金・工事の費用相場(手動・電動)
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シャッターの修理や交換を検討する際、最も気になるのが「いくらかかるのか」という費用面です。修理内容は、注油や清掃といった軽微な調整から、モーター交換やスラットの全交換といった大規模な工事まで幅広く、手動タイプか電動タイプかによっても金額は大きく変動します。ここでは一般的な費用相場の目安をご紹介します。
| 修理内容 | 三和シャッター(メーカー目安) | 修理専門業者(目安) |
|---|---|---|
| 軽度な補修・調整 (注油、バランス調整など) | 約10,000円〜 | 3,000円〜 |
| 巻き込み・脱線修理 (スラットのズレ直し等) | 約30,000円〜 | 20,000円〜 |
| 鍵(シリンダー)交換 | 約20,000円〜 | 10,000円〜 |
| 手動シャッター スプリング交換 | 約50,000円〜 | 35,000円〜 |
| 電動シャッター モーター交換 | 要見積(20〜50万円) | 98,000円〜 |
手動シャッターの場合、経年劣化でシャッターが重くなる主な原因である「スプリング(バネ)」の調整や交換が修理の中心となります。一方、電動シャッターの場合は、心臓部であるモーターや脳にあたる制御盤の交換が必要になることが多く、部材費そのものが高額なため費用が高くなりがちです。
特にモーター交換は、部品代だけでなく、電気配線工事費や、高所での作業に伴う技術料が含まれるため、総額が大きくなる傾向にあります。
電動シャッターの修理は、部品代だけでなく作業費も含めると高額になりやすいのが特徴です。まずは詳細な見積もりを取り、内訳(部品代、技術料、出張費など)をしっかり確認することが大切ですね。
部品の価格や費用相場を把握する
三和シャッターの純正部品は、非常に品質が高く耐久性に優れている反面、価格もそれなりに高めに設定されています。
例えば、家庭用電動シャッターのモーターであっても、単体で10万円以上することが珍しくありません。また、スラット(シャッターの羽)も1枚単位で交換可能ですが、特注色やデザイン性の高いモデル、あるいは既に廃盤となっているモデルの場合は、特注製作費がかかり割高になることがあります。
特に注意が必要なのは、設置から15年〜20年以上経過している古いモデルです。メーカーでは部品の保有期間を定めており、期間が終了している製品については「部品がない」という理由で修理を断られるケースがあります。
その場合、一部の修理ではなく、シャッター装置全体の交換(既存の枠を残して新しいシャッターを設置するカバー工法など)を提案されることが一般的です。
全体交換となると、サイズや仕様によっては数十万円から、間口の広いガレージや店舗用の大型のものであれば百万円近くかかるケースもあります。
三和シャッターの修理が高い理由とは
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「メーカーに見積もりを依頼したら、予想以上に高額で驚いた」という声をよく耳にします。
三和シャッターに限らず、大手メーカーの修理費用が高くなりがちなのには、いくつかの構造的な理由が存在します。
高品質な純正部品の使用
メーカー修理の最大の強みは「安心」です。その安全性を担保するために、必ずメーカー指定の純正部品を使用します。製品ごとに厳密にカスタマイズされた専用部品は、汎用品に比べてどうしても製造コストや管理コストがかかるため、部品代が高くなります。
全体交換を推奨する方針
メーカーは「修理後の完全な動作保証」と「長期的な安全性」を最優先します。そのため、一部の部品交換で一時的に直る可能性があったとしても、他の部品も同様に劣化していると判断すれば、再故障や事故のリスクを避けるために、関連部品を含めたアッセンブリー交換や、シャッター全体のリニューアルを提案することが基本方針となっています。
下請け構造による中間マージン
メーカーの窓口に修理を依頼した場合でも、実際に現場に来て作業を行うのは、メーカーと提携している地域の「下請け業者(協力店)」の職人であるケースが多々あります。この場合、職人の作業費に加えて、メーカー側の管理費や紹介料といった中間マージンが上乗せされるため、直接施工店に依頼するよりもトータルの請求額が割高になる傾向があります。
評判や業者を選ぶときのポイント
シャッターの修理業者を選ぶ際は、提示される価格の安さだけでなく、「対応のスピード」や「企業の信頼性」も重要な判断基準になります。
インターネット上の口コミや評判を確認すると、メーカーならではの対応への安心感を評価する声がある一方で、「費用が高い」「見積もりに来るまでの日程調整に時間がかかる」といった指摘も見受けられます。
コストを抑えつつ、緊急時に迅速に直したい場合は、メーカー以外の選択肢として、地域密着型の「シャッター修理専門業者」を検討するのが賢明です。優良な業者を見極めるために、以下のポイントを参考に選定しましょう。
業者選びのチェックリスト
- 自社施工か:下請けを使わず自社職人で施工し、中間マージンをカットしているか。
- 明朗会計か:見積もり後の追加請求がないことを明言しているか。
- 対応スピード:緊急時の即日対応や、24時間365日の受付が可能か。
- アフター保証:施工後の不具合に対して、明確な保証期間(例:3年保証など)が設定されているか。
例えば「シャッターレスキュー」のような修理専門業者は、24時間対応や最短即日での駆けつけ、メーカー修理と比較してリーズナブルな価格設定で多くのユーザーから評価されています。一社だけで決めるのではなく、複数の業者から相見積もりを取り、提案内容(修理か交換か)と費用を比較検討することが、失敗しないための最大のコツです。
三和シャッターの交換費用を抑える対処法
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- 電動シャッターが動かない時の確認事項
- 電動シャッターが途中で止まる原因
- 三和シャッターの鍵のトラブル解決法
- リモコン設定方法の手順
- 不具合時のリセット方法
- リモコンの電池交換は自分でできるか
電動シャッターが動かない時の確認事項
電動シャッターが突然動かなくなった時、すぐに「故障だ」と決めつけて業者を呼ぶのは早計かもしれません。実は簡単な原因で動かないだけのケースも多いため、以下の基本的な項目を確認することで、費用をかけずに解決する場合があります。
まず確認すべきは電源周りです。分電盤のブレーカーが落ちていないか、シャッター近くのコンセントが抜けていないかをチェックしてください。
また、窓シャッターの場合、手動ロック(内鍵)が掛かったまま操作しようとしていないかも重要な確認ポイントです。多くの製品には安全装置がついており、ロックが掛かっている状態ではモーターが動かない仕様になっています。
さらに、公益社団法人日本シヤッター・ドア協会も注意喚起している通り、シャッターの下に物が置かれていないかも確認しましょう。障害物を検知して安全装置が作動している可能性があります。
(参照:公益社団法人 日本シャッター・ドア協会「シャッター・ドアの安全な使い方」)
電動シャッターが途中で止まる原因
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「開閉の途中で止まってしまう」「最後まで閉まりきらずに反転して上がってしまう」という症状は、センサーの誤作動や負荷検知機能が関係していることが多いです。
障害物検知センサーの反応
シャッターには、挟まれ事故を防ぐための「障害物検知センサー(光電管センサーや座板スイッチ)」が搭載されています。
このセンサー部分に埃やゴミ、蜘蛛の巣などが付着していると、障害物があると誤認して緊急停止することがあります。ガイドレールの下部にあるセンサーのレンズ部分や、座板の裏側を清掃するだけで症状が改善することは珍しくありません。
リミットスイッチのズレ
電動シャッターは「リミットスイッチ」という部品で、どこで止まるかという上限・下限の位置を記憶しています。
長年の使用による振動やブレーキの摩耗で、この設定位置が徐々にズレてしまうことがあります。この場合、再設定(リセット調整)が必要になりますが、機種によって調整方法が異なりますので、無理に触らず専門業者に見てもらうのが安全です。
三和シャッターの鍵のトラブル解決法
「鍵が回らない」「鍵が刺さらない」「抜けにくい」といったトラブルも頻繁に起こります。多くの場合、鍵穴(シリンダー)内部に埃や砂、花粉などが詰まり、動きが悪くなっていることが原因です。
ご自身でできる対処法として、まずは掃除機を使って鍵穴の中のゴミを吸い出します。その後、メーカーが推奨する「鍵穴専用の潤滑剤(パウダースプレー)」を少量使用して動きを良くします。
ここで最も重要な注意点があります。
市販の自転車や機械用の油性潤滑剤(CRC5-56など)は、鍵穴には絶対に使用しないでください。油分が内部の埃や金属粉を固めて粘土状にしてしまい、一時的には良くなっても、すぐに症状が悪化してシリンダー交換が必要になる原因となります。
掃除をしても鍵の動きが改善しない場合は、シリンダー内部の破損や寿命の可能性があります。防犯性の高いディンプルキーへの交換も検討してみる良いタイミングかもしれません。
シリンダー交換の費用目安は、部品代で3,000円〜15,000円程度(キーの種類による)、業者に依頼した場合の総額は15,000円〜35,000円程度が相場とされています。
リモコン設定方法の手順
家族のためにリモコンを追加で購入した場合や、反応が悪くなった場合に再登録が必要になることがあります。
一般的な登録手順の概要は以下の通りですが、正確な操作は必ずお手元の製品取扱説明書を確認してください。
一般的な追加登録の流れ(例)
- シャッター付近の壁面にあるスイッチ、または受信機のカバーを開け、「登録(SET)」ボタンを探します。
- 「登録」ボタンを長押しし、受信機を登録待機モードにします(「ピー」というブザー音やLEDランプの点滅で確認)。
- 新しいリモコンの操作ボタン(「開」ボタンなど指定のボタン)を指示通りに押します。
- 受信機から「ピーピー」といった登録完了のブザー音が鳴れば完了です。
- 最後に「登録」ボタンを再度押してモードを終了させます。
また、機種によっては、既に登録済みのリモコンを使って、新しいリモコンを登録できる機能(子機登録)を持っているものもあります。
その場合は、既存リモコンの「停止」ボタンを長押しして登録モードへ移行させる手順が一般的です。
不具合時のリセット方法
電動シャッターが誤作動を起こしたり、停止位置のズレが生じたりした場合、電気的なシステムをリセット(初期化)することで復旧する可能性があります。パソコンの再起動と同じような効果が期待できます。
電源リセット(再起動)の手順
最も簡単でリスクの少ない方法は、制御盤への通電を一度遮断することです。
- 分電盤でシャッター回路のブレーカーを「OFF」にします。
- コンデンサの放電を待つため、数分間(1〜3分程度)そのまま放置します。
- 再度ブレーカーを「ON」にします。
これにより制御基板内のエラー情報がクリアされ、正常動作に戻ることがあります。
リミット設定の復旧操作
障害物検知などで緊急停止した後、通常のボタン操作で動かなくなった場合は「復旧操作」を試します。
一般的には、障害物を完全に取り除いた状態で、一度「全開」位置まで上げきる、または「全閉」位置まで下げきることで、位置情報が再学習されます。機種によっては、ボタンを押し続けることで強制的に動かす操作が必要な場合もあります。
リモコンの電池交換は自分でできるか
リモコンのボタンを押しても反応が鈍い、近づかないと動かない、または操作時のLEDランプが点灯しない場合は、故障ではなく電池切れの可能性が高いです。
リモコンの電池交換は、精密ドライバー(プラス)が1本あれば、あるいは工具なしでスライドさせるだけで、誰でも簡単に行える場合がほとんどです。
使用されている電池は、主にコイン型のボタン電池(CR2032やCR2025など)や、単4アルカリ電池です。機種によって電池の種類や交換方法が異なるため、以下の手順を参考に慎重に行ってください。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 型番と電池の確認 | リモコン裏面の型番を確認し、対応する電池(例:CR2032)を事前に購入します。 |
| 2. カバーを開ける | 裏面のツメを押しながらスライドさせるか、精密ドライバーで小さなネジを外してカバーを開けます。 |
| 3. 電池交換 | 古い電池を取り出し、プラスマイナスの向きを間違えないように新しい電池をセットします。 |
| 4. 動作確認 | カバーを戻し、シャッターが正常に動くか確認します。 |
三和シャッターの交換費用を抑えるための注意点:まとめ
- 三和シャッターの交換費用は手動と電動、サイズによって大きく異なる
- メーカー修理は高品質な純正部品を使う安心感があるが、費用は高額になりやすい
- 費用が高くなる主な理由は、純正部品代、全体交換の推奨、下請け構造の中間マージンにある
- 地域密着型の修理専門業者は、中間マージンがなく安価で、対応も早い場合が多い
- 適正価格を知るために、必ず複数の業者から相見積もりを取ることが費用削減の鍵
- 修理か交換かの判断は、部品の供給状況(廃盤かどうか)と設置からの年数で決まる
- 電動シャッターが動かない時は、まずブレーカーや電源プラグ、手動ロックを確認する
- 途中停止の原因は、センサーの汚れやリミットスイッチの位置ズレが多い
- 鍵のメンテナンスには専用の潤滑剤を使用し、市販の油性スプレー(CRC等)は避ける
- リモコンの追加登録は、受信機のSETボタンや既存リモコンの操作で自分でも可能
- 不具合時はブレーカーのオンオフによる電源リセットを試すと復旧することがある
- リモコンの電池交換は、型番に合ったボタン電池を用意すれば自分で行える
- 日頃の清掃や注油などのメンテナンスが、大きな故障を防ぎ結果的に節約になる
- 緊急時に備えて、24時間対応してくれる地元の修理業者の連絡先を控えておくと安心
- 信頼できる業者は、保証内容や料金体系が明確であり、強引な営業をしない