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防犯カメラ取り付け費用の相場と内訳!設置場所別の工事相場を徹底解説

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防犯カメラ取り付け費用の相場と内訳!設置場所別の工事相場を徹底解説

こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。

最近、物騒なニュースを目にする機会が増え、セキュリティ意識の高まりから「防犯カメラを設置したいけれど、取り付け費用がいくらかかるのか見当がつかない」という相談を本当によく受けるようになりました。

いざ検討し始めても、チラシに書かれたカメラ本体の価格と、実際に業者から出てくる見積もりの金額に大きな差があり、驚かれる方も少なくありません。本体価格だけでなく、工事費、配線部材、設定費などが複雑に絡むため、どうしても価格が分かりにくいのがこの業界の現状です。

しかし、何にいくらかかっているのかという「費用の内訳」さえ理解してしまえば、提示された金額が適正なのか、それとも割高なのかを自分で判断できるようになります。

そこで今回は、防犯カメラの取り付け費用に関するリアルな相場観や詳細な内訳、設置場所ごとの価格の違いについて、現場のプロの視点で徹底的に分かりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 防犯カメラの工事費込みの総額相場と詳細な内訳
  • 一軒家、マンション、駐車場など設置場所別の費用目安
  • 家電量販店や専門店など依頼先によるメリットとデメリット
  • 費用を安く抑えるための補助金活用やDIYのリスク

防犯カメラ取り付け費用の相場と内訳を徹底解説

防犯カメラ取り付け費用の相場と内訳を徹底解説

  • 設置工事費込みの全体相場と機器代金
  • 一軒家やマンションで異なる費用の目安
  • 駐車場や屋外への設置にかかる追加価格
  • 自分でDIY取り付けする際のリスクと費用
  • 補助金やセット割で安く抑えるコツ

設置工事費込みの全体相場と機器代金

結論から申し上げますと、信頼できるプロの業者に依頼して、一般的な家庭用防犯カメラを1台設置する場合の総額相場は、8万円~15万円程度がひとつの目安となります。「思ったより高いな」と感じられたかもしれません。

しかし、この金額にはカメラ本体だけでなく、録画機、ケーブル、そして職人の技術料が含まれています。もちろん、選ぶカメラの画素数やAI機能の有無、設置場所の難易度によって金額は上下しますが、10万円前後を見ておけば、粗悪品ではない、しっかりとした防犯システムを導入できると考えて間違いありません。

では、この金額の内訳はどうなっているのでしょうか。ここを知ることで、見積もり書を見たときに「この項目は高すぎるのではないか?」とチェックできるようになります。

まず「機器代金」ですが、屋外用カメラ本体は防水・防塵性能(IP66以上が望ましいです)を備えたもので、2万円~5万円程度が相場です。これより極端に安いものは、耐久性に難がある場合が多いので注意が必要です。

そして意外と忘れがちなのが「録画機器(レコーダー)」です。映像を保存するためのハードディスク(HDD)を搭載したレコーダーは、容量にもよりますが3万円~6万円程度します。最近はSDカード録画タイプもありますが、長期間の録画や安定性を考えると、やはり専用レコーダーでの管理が推奨されます。

次に「工事作業費」です。基本工事費として、カメラ1台につき4万円~8万円程度が相場です。これには、カメラを壁面に固定する作業、配線を壁の中に通したりモールで隠したりする作業、そしてレコーダーと接続して画角を調整する設定作業が含まれます。さらに、ケーブルやコネクタ、固定金具などの「周辺部材費」として5,000円~1万円程度がかかります。

項目費用の目安詳細・備考
総額(1台設置)8万円 ~ 15万円機器代金+工事費+部材費の合計金額
工事費のみ4万円 ~ 8万円配線処理、カメラ固定、画角調整、システム設定費
カメラ本体(屋外用)2万円 ~ 5万円200万画素以上、防水・防塵(IP66)、赤外線暗視機能付き
録画機器(レコーダー)3万円 ~ 6万円HDDタイプ(1TB~)。24時間常時録画には必須
周辺部材費5,000円 ~ 1万円LANケーブル、同軸ケーブル、配管、防水ボックス、固定ビス等

ここがポイント

設置台数が増えれば、レコーダーや職人の出張費などの固定費が分散されるため、「1台あたりの工事単価」は下がる傾向にあります。防犯効果を高めるためには、死角をなくすために2台以上の設置が理想的です。最初に1台だけ付けるか、将来を見越して複数台セットで導入するかを、予算と相談しながら検討するのがおすすめです。

一軒家やマンションで異なる費用の目安

防犯カメラの取り付け費用は、設置する建物のタイプによっても大きく変動します。戸建て住宅ならではの施工難易度や、マンション特有の制約があるため、それぞれの環境に合わせた工事方法が必要になるからです。ここでは、一軒家とマンション・アパートにおける費用の違いと、工事の特徴について深掘りして解説します。

一軒家(戸建て)の場合

一軒家にお住まいの場合、防犯カメラの設置総額は10万円~20万円(屋外1~2台設置)となるケースが多いです。主な設置場所としては、侵入経路になりやすい「玄関」「駐車場(カーポート)」「勝手口」「1階の掃き出し窓周辺」などが挙げられます。

実は、警察庁のデータを見ても、侵入窃盗の発生場所として「一戸建て住宅」は非常に高い割合を占めています。

知っておきたいデータ

警察庁の統計(住まいる防犯110番)によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数において、一戸建て住宅は常に上位にあります。特に窓からの侵入が多く、死角を作らないカメラ配置が重要視されています。

(出典:警察庁『住まいる防犯110番』

戸建ての工事が高額になりがちな理由は、配線の処理に手間がかかるからです。

屋外に設置したカメラから、室内のリビングにあるレコーダーまでケーブルを引き込むためには、「壁の貫通工事(穴あけ)」が必要になることが多々あります。

サイディングやモルタルの壁に穴を開け、雨水が入らないように防水コーキング処理を施し、さらに屋外の配線を保護するために「PF管」と呼ばれる配管を壁に這わせる作業が発生します。家の外観(美観)を損なわないよう、壁の色に合わせた配管を選定し、垂直水平に美しく固定するには、職人の高い技術と時間が必要です。こういった細かな作業の積み重ねが、技術料として反映されています。

マンション・アパート(個人宅)の場合

一方、分譲マンションや賃貸アパートのベランダ、あるいは玄関前に個人的にカメラを設置する場合、相場は5万円~10万円(1台)と、戸建てに比べて比較的安価に収まる傾向があります。

この価格差の最大の理由は、「壁に穴を開けられない」という制約があるためです。マンションの廊下やベランダの壁は「共用部分」にあたるため、原則として勝手に穴を開ける工事はできません。そのため、大掛かりな配管工事や貫通工事が不要(というか不可能)になり、結果として工事費が安くなります。

マンションでの設置では、手すりや雨どいにカメラを挟み込んで固定する「クリップ式金具」や、強力な両面テープを使用する方法が一般的です。また、電源や配線の引き込みには、エアコンのダクト穴を利用したり、サッシの隙間を通すことができる薄型の「フラットケーブル」を使用したりします。ただし、いくら穴を開けないといっても、外観に変更を加えることには変わりないため、設置前には必ず管理組合や大家さんへの事前申請と許可が必要になる点は忘れないでください。許可取りを怠ると、後で撤去を求められるトラブルに発展しかねません。

駐車場や屋外への設置にかかる追加価格

駐車場や屋外への設置にかかる追加価格

「家の敷地内にある駐車場にカメラを付けたい」「少し離れたガレージを監視したい」という要望も非常に多いですが、実はこれが一番費用が高くなるパターンです。母屋の壁に付けるのとは訳が違い、建物から離れた場所への設置には、電気と通信のインフラを新たに引く必要があるからです。相場としては、標準工事費に加えて数万円単位の追加費用が発生し、総額で12万円~25万円、距離によってはそれ以上かかることも覚悟しておく必要があります。

駐車場設置で費用が高騰する主な要因は以下の3点です。

  • 架空配線工事(空中で飛ばす):家の壁から駐車場の柱やポールに向けて、ケーブルを空中で架け渡す工事です。単にケーブルを張るだけではなく、強風で切れないように「メッセンジャーワイヤー」という支持線を先に張り、それにケーブルを巻き付ける専門的な作業が必要になります。高所作業車が必要になる場合もあり、費用がかさみます。
  • 埋設配管工事(地中に埋める):空中に配線できない、あるいは見栄えを気にする場合は、地面を掘って配管を埋め、その中にケーブルを通す工事を行います。コンクリートの土間がある場合は、一度コンクリートを壊して(ハツリ工事)、配管後に再度埋め戻すという、もはや電気工事というより土木工事に近い作業が発生します。これだけで5万円以上の追加費用がかかることも珍しくありません。
  • 電源新設工事:そもそも駐車場付近にコンセント(電源)がない場合がほとんどです。カメラやWi-Fi中継機を動かすためには電気が必要です。そのため、屋内の分電盤から屋外まで電気配線を新たに引き、防水コンセントを増設する電気工事が必要になります。これには「電気工事士」の資格が必要となり、1万~2万円以上の追加費用がかかります。

このように、離れた場所への設置は「カメラを付ける」というよりも「そこまで電気とネットを持っていく」というインフラ整備の側面が強くなります。見積もりを見て「高い!」と感じるかもしれませんが、これらの手間と材料費を考えれば、決して法外な金額ではないことがお分かりいただけるかと思います。

自分でDIY取り付けする際のリスクと費用

「工事費が高いなら、自分でつければいいじゃないか」と考える方も多いでしょう。確かに、ホームセンターやAmazon、楽天などで防犯カメラセットを購入し、自分で取り付ければ、費用は機器代金の1万~3万円のみで済みます。工事費が丸々浮くわけですから、コスト面でのメリットは絶大です。「安く済ませたい」という気持ちは痛いほどよく分かります。

しかし、現場を数多く見てきた私としては、配線工事を伴う防犯カメラの安易なDIYには、費用の安さを上回るリスクがあるとお伝えしなければなりません。「安物買いの銭失い」にならないよう、以下のリスクを十分に理解した上で判断してください。

DIY設置でよくある失敗とリスク

  • 防水処理の不備による故障:最も多い失敗です。ケーブルの接続部分に巻く防水テープの巻き方が甘かったり、適切な防水ボックスを使わなかったりした結果、雨水が侵入してショートします。カメラが壊れるだけでなく、最悪の場合、家の漏電ブレーカーが落ちて停電を引き起こすこともあります。
  • 配線ミスと家屋の損傷:壁に穴を開ける際、壁の中にある既存の電気配線や、建物を支える重要な柱(筋交いなど)をドリルで傷つけてしまう恐れがあります。これをしてしまうと、修復に莫大な費用がかかります。
  • 高所作業の危険性:軒下などの高い場所に設置するには、脚立での作業が必須です。慣れない高所での作業、しかも両手を使ってドリルやドライバーを操作するのは非常に危険で、転落事故のリスクが常にあります。
  • 設置位置の失敗(死角・逆光):苦労して取り付けたのに、いざ映像を確認してみると「肝心な場所が柱の影で見えない」「西日が直撃して逆光で真っ白」「夜間、赤外線が壁に反射して何も映らない」といった失敗が後を絶ちません。プロはこれらを計算して位置決めをします。

特に屋外配線の防水処理は、プロでも気を使うデリケートな部分です。数ヶ月で故障してしまい、結局業者に頼んでやり直してもらうことになれば、最初からプロに頼むよりも高くついてしまいます。

コンセントに挿すだけの屋内用見守りカメラならDIYでも十分ですが、屋外への本格的な設置はプロに任せるのが無難です。

補助金やセット割で安く抑えるコツ

補助金やセット割で安く抑えるコツ

プロに頼むのが一番安心とはいえ、やはり予算には限りがありますよね。そこで、少しでも費用を抑えるために、知っておくべき賢い方法をいくつかご紹介します。これらを知っているかどうかで、数万円単位で差が出ることもあります。

自治体の補助金・助成金制度

実は、多くの自治体で「防犯カメラ設置費補助金」の制度が設けられています。以前は商店街や町内会向けが中心でしたが、最近では防犯意識の高まりから、個人の自宅への設置でも費用の1/2(上限2〜5万円程度)を補助してくれる自治体が増えています。

例えば、「○○市 防犯カメラ 補助金」と検索してみてください。もしお住まいの地域に対象の制度があれば、使わない手はありません。ただし、注意点が一つあります。ほとんどの制度において、「工事着工前の申請」が必須条件となっています。「工事が終わったから領収書を持って申請に行こう」では手遅れで、受理されません。必ず契約や工事の前に、役所の窓口やホームページで条件を確認してください。

キャンペーンやセット割の活用

防犯カメラ専門店やセキュリティ会社では、「カメラ4台+録画機+工事費コミコミセット」といったパッケージ商品を展開していることがあります。これは、業者側としてもまとめて工事ができるため効率が良く、単体で依頼するよりも大幅に割安な価格設定になっているケースが多いです。

「うちはそんなに広くないから1台で十分」と思われるかもしれませんが、1台だけだとどうしても死角ができます。駐車場、玄関、勝手口、庭と、家全体をカバーするには3〜4台あるのが理想です。後から1台ずつ追加工事をすると、その都度「基本工事費」がかかってしまいます。もし将来的に増設の可能性があるなら、最初からセットプランを利用して、一気に導入してしまうのが結果的に最もコストパフォーマンスが高くなる方法です。

防犯カメラ取り付け費用に関わる選び方と注意点

防犯カメラ取り付け費用に関わる選び方と注意点

  • どこに頼むべきか依頼先別の特徴比較
  • ヤマダ電機など家電量販店の工事費事情
  • くらしのマーケット等の格安業者のメリット
  • ワイヤレスやソーラー式の価格への影響
  • 設置後の保守メンテ費用とランニングコスト

どこに頼むべきか依頼先別の特徴比較

防犯カメラの購入から設置までを依頼できる先は、大きく分けて「防犯カメラ専門店」「家電量販店」「警備会社」「ネットのマッチングサイト」の4つの選択肢があります。それぞれの費用感と特徴、そしてどんな人に合っているのかを比較表にまとめました。

依頼先費用の目安特徴・メリット・デメリット
防犯カメラ専門店適正

(8~15万円)

最もおすすめ。知識と施工品質が圧倒的に高い。現場に合わせた最適な機種選定と、美観を考慮した丁寧な工事が期待できる。業者選びの手間(相見積もり)は必要。
家電量販店割高傾向

(本体安・工事高)

店舗で実物を見られる安心感はあるが、工事は提携業者への丸投げとなるため中間マージンが発生。特殊な工事には対応できない場合が多い。
警備会社高額

(月額制メイン)

セコムやアルソック等。駆けつけサービスがある安心感は別格。ただし機器はレンタル契約が多く、5年総額で50万円を超えることも。カメラ設置というより警備契約。
マッチングサイト最安

(工事のみ)

くらしのマーケット等。工事費のみを職人に払うため安いが、機器は自分で用意(施主支給)する必要がある。作業員の質にバラつきがあり、機器故障時の責任区分が曖昧になりがち。

ヤマダ電機など家電量販店の工事費事情

「近くのヤマダ電機やケーズデンキなどの大手量販店で頼めば、ポイントもつくし安心だろう」と考える方は非常に多いです。確かに身近で相談しやすい存在ですが、費用面と専門性で見ると、必ずしもベストな選択とは言えない側面があります。

量販店で販売されているカメラ本体の価格は、大量仕入れにより安く抑えられています。しかし、取り付け工事に関しては、量販店の社員が行うわけではありません。 必ず提携している外部の電気工事業者へ委託することになります。この仕組み上、どうしても紹介料や手数料といった中間マージンが工事費に上乗せされるため、トータルで見ると専門店よりも割高になる傾向があります。

また、店舗スタッフはあくまで「販売のプロ」であって、工事や防犯のプロではありません。「このカメラなら大丈夫です」と言われて買ったものの、当日の工事担当者から「この壁には取り付けられない」「配線の長さが足りない」と言われて追加料金を請求されたり、工事を断られたりするトラブルも耳にします。標準的な工事範囲を超えると対応できないケースも多いため、複雑な設置環境の場合は避けたほうが無難かもしれません。

くらしのマーケット等の格安業者のメリット

「とにかく初期費用を限界まで抑えたい」という方には、くらしのマーケットやミツモアなどのマッチングサイトを利用して、個人の職人や小規模な電気工事店に直接依頼する方法があります。

この場合の最大のメリットは、中間マージンをカットできるため、工事費が格安になる点です。また、口コミ評価システムがあるため、実際に利用した人の感想を見て、評判の良い職人を選べるのも安心材料の一つです。「ネットで安く買った高性能なカメラを、腕の良い職人さんに安く付けてもらう」ことができれば、これ以上ないコストパフォーマンスを実現できます。

ただし、デメリットもあります。基本的には「施主支給(機器はお客様自身で用意)」が前提となるため、どのカメラを買えば自宅に取り付けられるかを自分で判断しなければなりません。そして最大のリスクは、設置後に不具合が起きた時です。「カメラの初期不良なのか、工事のミスなのか」の切り分けが難しく、職人は「カメラが悪い」、メーカーは「施工が悪い」と言って、たらい回しにされる可能性があります。こういったトラブル対応も含めて自己責任で動ける方に向いている上級者向けの方法と言えます。

ワイヤレスやソーラー式の価格への影響

工事費を大きく左右する要因として、カメラの「通信・給電方式」選びがあります。最近人気のワイヤレスタイプやソーラータイプは、工事費を抑えられる反面、防犯カメラとしての信頼性に課題が残る場合があります。

  • 有線カメラ(PoE給電):LANケーブル1本で通信と電源供給を行うタイプです。配線工事が必要なため工事費は高くなりますが、通信が途切れることがなく、24時間365日安定して録画し続けられます。プロが「防犯」として推奨するのは間違いなくこのタイプです。
  • ワイヤレスカメラ(Wi-Fi接続):映像データをWi-Fiで飛ばすため、LANケーブルの配線が不要になり、その分工事費は下がります。しかし、電源コードの配線は依然として必要です(完全ワイヤレスではありません)。また、Wi-Fiの電波は壁や家電(電子レンジなど)の影響を受けやすく、肝心な時に映像が途切れたり、録画できていなかったりするリスクがあります。
  • ソーラー・バッテリー式:電源もソーラーパネルで賄い、通信もWi-Fiを使う「完全配線不要」のタイプです。工事費はゼロで、誰でも簡単に設置できます。しかし、天候不順が続けばバッテリー切れで停止しますし、多くの機種はバッテリー消費を抑えるために「人が通った時だけ録画(動体検知録画)」しかできません。「24時間常に監視したい」という用途には不向きです。

注意点

ソーラー式は手軽で安価ですが、あくまで「簡易的な監視」や「補助的なカメラ」として考えるべきです。万が一の侵入事件が発生した際、「充電切れで映っていなかった」「検知が遅れて犯人の背中しか映っていなかった」では意味がありません。メインの防犯カメラには、工事費をかけてでも有線タイプを選ぶことを強くおすすめします。

設置後の保守メンテ費用とランニングコスト

防犯カメラは「付けて終わり」ではありません。設置後にかかる費用(ランニングコスト)やメンテナンスについても、導入前に把握しておく必要があります。

  1. 電気代:24時間稼働させても、カメラとレコーダー合わせて月額数百円程度です。ここはあまり心配する必要はありません。
  2. クラウド録画費用:最近増えている「クラウド保存型」のカメラ(Safieなど)を選んだ場合、映像をインターネット上のサーバーに保存するため、月額1,000円~3,000円程度の利用料がカメラ1台ごとにかかります。初期費用は安いですが、長く使うとランニングコストが嵩みます。一方、HDDレコーダー型なら月額費用は不要です。
  3. 消耗品の交換(HDD):レコーダー内のハードディスク(HDD)は消耗品です。24時間書き込み続けるため、3年~4年程度で寿命が来ます。交換費用として3万円~5万円程度を見ておく必要があります。
  4. 保守メンテナンス契約:専門店などでは、年額1万~2万円程度で保守契約を結べる場合があります。万が一の故障時に出張費や技術料が無償になったり、定期点検に来てくれたりします。機械に詳しくない方や、法人利用の場合は加入しておくと安心です。

初期費用を抑えて月額費用の掛かるクラウド型にするか、初期費用はかかるが月額費用の掛からないHDD型にするか。ご自身のライフプランや家計の状況に合わせて選ぶことが大切です。

防犯カメラ取り付け費用の総括と最適な選択

ここまで、防犯カメラの取り付け費用について、相場から内訳、業者の選び方まで詳しく解説してきました。かなりの情報量になりましたので、最後に重要なポイントをまとめます。

プロに依頼する場合、1台設置の総額相場は8万~15万円が適正ラインです。決して安い買い物ではありませんが、あなたとご家族の安全、そして大切な資産を守るための「投資」と考えれば、価格の安さだけで妥協して質の悪いものを選ぶのは避けるべきです。

失敗しないためのアクションプランとして、まずは以下のステップで検討を進めてみてください。

  • 目的の明確化: 「泥棒への威嚇」が目的なのか、「万が一の時の証拠確保」が目的なのかをはっきりさせる。
  • 設置環境の確認: 屋外に電源はあるか、壁に穴を開けられるかを確認する。
  • 補助金の確認: お住まいの自治体に補助金制度があるか、役所のHPで調べる。
  • 相見積もり: 防犯カメラ専門店を含む3社程度から見積もりを取り、総額だけでなく「どんな機器を使うのか」「どんな工事をするのか」という提案内容を比較する。

防犯カメラは、一度設置すれば数年から10年近く使い続けるものです。

目先の数万円の違いよりも、5年後も安心して使えるかどうかを重視して選んでください。この記事が、あなたの安心できる生活環境づくりの一助になれば、プロとしてこれほど嬉しいことはありません。

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  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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