室温20度で寒いのはなぜ、と疑問に感じていませんか。
エアコンの温度計は確かに「20度」を示しているのに、なぜか手足が冷えたり、ひんやりとした空気を感じたりすることがあります。暖房の設定温度を20度にしても、なぜか寒さを感じることがあるのです。
室温20°Cは寒いのか暑いのか、この感覚は人によって大きく異なります。
室温22度で寒いと感じる人もいれば、特に冷え性の人にとっては、20度は快適とは言えない厳しい温度かもしれません。
ご家庭に小さなお子様がいる場合、赤ちゃんの環境として適切なのか、室温20度の服装はどれくらい着込むべきか、判断に迷うことも多いでしょう。
「室温20度でも暖房はつけますか?」という疑問は、冬の光熱費を気にする上で切実な問題ですし、室温20度は寒いなど知恵袋といったQ&Aサイトでも活発な議論が交わされています。
家の中が寒いと感じる理由には、単なる温度だけでなく、室温20度で湿度60というような湿度のバランスや、そもそも日本人が寒いと感じる気温は何度なのか?といった基準も深く関係しています。
この記事では、寒いと感じる室温は何度か、そして室温20度でも寒いのはなぜ か理由について、体感温度を決定づける科学的な仕組みから、今すぐ実践できる具体的な対策まで徹底的に解説します。
目次
室温20度でも寒いのはなぜ?体感温度の謎
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- 室温20°Cは寒い?暑い?感覚の違い
- 寒いと感じる室温は何度から?
- 日本人が寒いと感じる気温の目安
- 室温20度でも寒いのはなぜ?その理由とは
- 家の中が寒いと感じる理由と断熱
- 室温22度でも寒いと感じる原因
室温20°Cは寒い?暑い?感覚の違い
室温20°Cが「寒い」か「暑い」か、あるいは「快適」かは、個人の感覚に大きく左右されます。なぜなら、私たちが日常的に感じている「暑い」「寒い」は、温度計が示す「室温(空気の温度)」そのものではなく、「体感温度」によって決まるためです。
この体感温度は、室温のほかに以下の要因が複雑に絡み合って決定されます。
- 湿度:湿度が高いと熱が体にこもりやすく、低いと熱が奪われやすくなります。
- 気流(風):風が当たると、体表の熱が奪われて体感温度が下がります。
- 放射熱:周囲の壁や窓、床などの表面温度が体温とどう違うかで熱の移動が起こります。
例えば、同じ室温20°Cでも、湿度が高ければ(例:60%)暖かく感じ、湿度が低ければ(例:30%)寒く感じます。
また、筋肉量が多く基礎代謝が高い人は体内で多くの熱を生み出せるため、20°Cでも快適に感じるかもしれません。一方で、筋肉量が少なく基礎代謝が低い人や、血行が悪い人(冷え性)は、体内で生み出す熱が少ないため、寒さを感じやすい傾向があります。年齢や性別によっても、この感覚は異なります。
環境省の推奨温度「20℃」の背景
環境省は、冬の暖房時の室温目安として20℃を推奨しています。(出典:環境省「WARM BIZ(ウォームビズ)」)
ただし、これは地球温暖化対策の一環として、省エネルギーを目的とした目安です。
このため、「20℃設定が全ての人にとって最も快適な温度である」という意味ではない点に注意が必要です。あくまで無理のない範囲での協力を呼びかけるものであり、体調や住宅性能に合わせて調整することが前提とされています。
寒いと感じる室温は何度から?
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人が「寒い」と感じ始める室温には個人差がありますが、快適性や健康維持の観点からいくつかの国際的な基準が示されています。
一般的には、室温が18℃以下になると寒さを感じる人が増え始めると言われています。特に、WHO(世界保健機関)は2018年の「住宅と健康に関するガイドライン」において、冬の室温として18℃以上を強く勧告しています。
これは、室温が18℃未満の環境が健康リスクと明確に関連しているためです。具体的には、寒さによる血管の収縮が血圧の上昇を招き、特に高齢者や循環器系に持病がある方にとって、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な健康障害(ヒートショックなど)のリスクを高めることが指摘されています。
このため、快適性だけでなく、家族の健康を守るという観点からも、室温を最低でも18℃以上に保つことが推奨されます。もし室温20℃で寒いと感じる場合、それは体が発している重要なサインかもしれません。
日本人が寒いと感じる気温の目安
日本人が寒いと感じる「気温」(室温ではなく外気温)の目安については、明確な万人共通の統計があるわけではありません。しかし、気象庁なども用いる体感温度の考え方(例:ミスナールの計算式)では、気温だけでなく湿度や風速も考慮されます。
一般的に、外気温が15℃前後になると多くの人が「肌寒い」と感じ始め、上着が必要になります。そして、10℃を下回ると「寒い」と強く感じるようになり、冬物のコートや暖房器具が本格的に必要になると言われています。
ここで重要なのは、日本の住宅は欧米に比べて断熱性が低い傾向があるという点です。特に古い基準で建てられた住宅では、窓や壁の断熱性能が不十分で、外気温の影響を非常に受けやすくなっています。
冬場に外気温が5℃や0℃に近づくと、いくら暖房で室温を20℃に設定しても、窓際や壁際は外気に冷やされ、そこから冷気が室内に侵入し、体感温度を大きく下げてしまうのです。
室温20度でも寒いのはなぜ?その理由とは
室温計が20℃を示しているにもかかわらず寒いと感じる最大の理由は、「体感温度」が実際の室温よりも低くなっているからです。
室温計はあくまでその場所の「空気の温度」を測っているに過ぎません。私たちの体感は、それ以外の要因によって大きく左右されます。
体感温度を引き下げる主な「犯人」は、以下の3つです。
体感温度を下げる3大要因
湿度(低い湿度)
冬の空気は非常に乾燥しています。空気が乾燥していると、皮膚の表面から水分が蒸発しやすくなります。このとき、水分は蒸発する際に「気化熱」として体表の熱を奪っていきます。これが、室温が高くても乾燥していると寒く感じる理由です。
気流(風)
わずかな隙間風や、エアコンの暖房運転直後の送風などが体に直接当たると、体表を覆う暖かい空気の層が吹き飛ばされ、熱が強制的に奪われます。風速1m/sで体感温度は1℃下がるとも言われており、風の影響は絶大です。
放射(冷たい壁や窓)
これが最も見落とされがちな要因です。人の体は常に周囲の物体と熱のやり取り(熱交換)をしています。
もし、室温が20℃でも、外気で冷やされた窓ガラスや壁の表面温度が10℃だとします。すると、人の体(体温約36℃)から、その冷たい窓や壁に向かって一方的に熱が奪われてしまいます。これを「冷放射(コールドラジエーション)」と呼びます。
これが、窓際や壁際にいると「ひんやりする」「底冷えする」と感じる感覚の正体です。
つまり、室温計が20℃を示していても、窓ガラスの表面温度が10℃で、湿度が40%を切り、足元にわずかな隙間風が流れていれば、実際の体感温度は15℃〜17℃程度になっている可能性が十分にあるのです。
家の中が寒いと感じる理由と断熱
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家の中が根本的に寒いと感じる理由は、住宅の「断熱性能」と「気密性能」の低さにあります。
特に古い基準で建てられた住宅や、窓の性能が低い住宅では、どれだけ暖房を頑張っても熱が逃げてしまい、室温20度でも寒さを感じやすくなります。
窓の断熱不足
家の中で熱の出入りが最も大きい場所は、圧倒的に「窓」です。国土交通省の資料などでも示されている通り、冬場、暖房で温めた熱のうち約58%(半分以上)は窓から逃げていくとされています。(出典:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
特に「アルミサッシ」や「単板ガラス(一枚ガラス)」の窓は熱を非常に伝えやすく、外の冷気をそのまま室内に伝えてしまいます。これにより窓周辺の空気が強く冷やされ、その冷たい重い空気が床を伝って部屋全体に流れ込む「コールドドラフト」現象が発生します。これが「足元がスースーする」最大の原因であり、強力に体感温度を下げます。
壁・床・天井の断熱不足
壁や床、天井に断熱材が十分に入っていない、あるいは施工不良で隙間がある場合も、外気の影響を直接受けてしまいます。外壁に面した壁が触ると冷たかったり、1階の床が底冷えしたりするのはこのためです。これらの「面」が冷えると、前述の「冷放射」によって、室内にいても常に体から熱が奪われ続ける状態になり、体感温度が低下します。
「断熱」と「気密」はセット
いくら高性能な断熱材を使っても、家に隙間(=気密性が低い)だらけでは、そこから冷たい隙間風が侵入し、暖かい空気は逃げてしまいます。セーターを着ていても、前を開けっ放しにしているようなものです。
住宅の性能を最大限に発揮させるには、断熱(熱を伝えない)と気密(隙間をなくす)の両方がセットで必要になります。
室温22度でも寒いと感じる原因
設定温度を20℃から22℃に上げても、まだ寒いと感じる場合、その原因はより根深い問題、すなわち「温度ムラ」が解消されていない可能性が高いです。
物理的な性質として、暖かい空気は軽く、天井付近に溜まりがちです。一方で、窓や壁で冷やされた空気は重く、床付近に溜まります。この結果、部屋の上下で極端な温度差(温度ムラ)が発生します。
ひどい場合には、天井付近は暑いくらいの25℃なのに、人が生活する床付近は15℃しかない、といった状況が起こり得ます。これでは、いくら設定温度を上げても、足元の寒さは一向に解決しません。
さらに、多くのエアコンの温度センサーは、エアコン本体(つまり部屋の高い位置)に設置されています。
そのため、エアコンは「天井付近が設定温度の22℃に達した」と判断して運転を弱めてしまいます。しかし、人が実際に生活している床付近はまったく暖まっていないのです。
室温22度で寒いと感じるのは、この深刻な「温度ムラ」と、前述した「湿度不足」「冷放射」が依然として解決されていないことが最大の原因です。
室温20度でも寒いのはなぜ?今すぐできる対策
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- 室温20度の湿度60が快適な理由
- 暖房の設定温度と賢い使い方
- 服装と冷え性対策
- 赤ちゃんの快適な環境
- 室温20度でも暖房はつけますか?
- 室温20度でも寒い!知恵袋の疑問やリアルな声を解消
室温20度の湿度60が快適な理由
室温20度で寒いと感じる場合、設定温度を上げる前に、まず見直すべきは「湿度」です。湿度が体感温度に与える影響は非常に大きく、同じ室温でも湿度が変わると快適さは劇的に変化します。
冬場に快適とされる湿度は、一般的に40%〜60%が目安です。例えば、室温が20℃あっても、エアコン暖房で湿度が30%台まで乾燥していると、皮膚から水分が蒸発する際の気化熱で体温が奪われ、寒く感じてしまいます。一説には「湿度が10%上がると体感温度が1℃上がる」とも言われるほどです。
そこで、室温20度で湿度を50%〜60%の状態に保つことが、快適への近道です。湿度が適切に保たれると、実際の温度はそのままでも体感温度が上昇し、暖かく感じるようになります。
また、適切な湿度を保つことは、肌や喉の粘膜の乾燥を防ぎ、インフルエンザなどのウイルスが活動しにくい環境を作る効果も期待できます。(出典:厚生労働省「インフルエンザQ&A」)
今すぐできる湿度を上げる方法
- 加湿器を使用する:最も効率的です。ただし、過加湿(60%超)は結露やカビの原因になるため、必ず湿度計を見ながら調整してください。
- 洗濯物を室内に干す:手軽な加湿方法ですが、乾きにくいと雑菌が繁殖することもあるため注意が必要です。
- 濡れタオルを干す:加湿器がない場合の応急処置として有効です。
- 観葉植物を置く:植物の蒸散作用で、わずかですが湿度を保つ助けになります。
- お湯を沸かす:ヤカンや鍋でお湯を沸かすと、強力な蒸気で加湿されます(火の取り扱いと空焚きに十分注意してください)。
暖房の設定温度と賢い使い方
寒さを感じると、つい暖房の設定温度を25℃、28℃と上げたくなりますが、それでは電気代がかさむばかりで、根本的な解決にならない場合があります。
設定温度を上げる前に、暖房器具、特にエアコンの「使い方」を見直しましょう。
風向きとサーキュレーターの活用
エアコン暖房の風向きは、必ず「下向き」または「自動」に設定してください。暖かい空気は自然に上に行くため、まず床に暖かい空気を届け、足元から暖めるのが最も効率的です。
さらに、サーキュレーターや扇風機を併用することを強く推奨します。
エアコンの対角線上に置き、風向きを天井に向けて送ることで、天井付近に溜まった暖気を強制的に循環させ、部屋全体の温度ムラを劇的に解消できます。これにより、エアコンの設定温度が20℃でも、足元まで暖かさが届くようになります。
「自動運転」の活用
エアコンの運転モードは「自動運転」が最も効率的です。
自動運転は、室温が安定するまでは強風で一気に部屋を暖め、設定温度に近づいたら自動で弱運転や送風に切り替えて室温を賢くキープしてくれます。手動で「弱風」に設定し続けると、部屋が暖まるまでに時間がかかりすぎ、かえって余計に電力を消費することがあります。
フィルター掃除(省エネ効果)
エアコンのフィルターがホコリで詰まっていると、空気を吸い込む力が弱まり、暖房効率が著しく低下します。
熱交換の効率を保つため、2週間に1回程度はフィルターの掃除を心がけましょう。資源エネルギー庁のデータによれば、フィルターを月に1〜2回清掃することで、暖房時で約6%の消費電力削減になるとされています。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」)
服装と冷え性対策
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室温20度で快適に過ごすためには、暖房だけに頼らず、服装による「保温」の工夫も欠かせません。特に冷え性の人は、体の特定の部位を温めるのが効果的です。
室温 20度の服装の目安は、「長袖シャツ+カーディガンやベスト、パーカー」といった、体温調節がしやすい重ね着が基本です。じっとしている時間が長い場合は、もう1枚羽織るものを準備しておくと良いでしょう。
冷え性対策や体感温度を上げる「服装のコツ」は、「3つの首」を温めることです!
「首」「手首」「足首」は皮膚が薄く、太い血管が体表近くを通っているため、ここが冷えると体全体が冷えやすくなります。逆に言えば、ここを温めれば効率よく全身を温められます。
- ネックウォーマー・マフラー:首元を温めると、脳や上半身への血流が温められ、体感温度がぐっと上がります。タートルネックのインナーも効果的です。
- レッグウォーマー・厚手の靴下:床からの冷気(コールドドラフト)で最も冷えやすい足元をしっかりガードします。
- ルームシューズ(スリッパ):フローリングの床からの底冷えを遮断するために必須です。底が厚いものがおすすめです。
- ひざ掛け:デスクワークやソファでくつろぐ際は、下半身をすっぽり覆う大判のひざ掛けで熱を逃がさないようにしましょう。
素材は、ウールやシルク、あるいは最近の吸湿発熱素材(着ているだけで発熱するインナー)などを活用すると、薄着でも暖かく過ごせます。
赤ちゃんの快適な環境
大人が「少し肌寒いかな?」と感じる室温 20度は、赤ちゃんにとっても快適な環境の一つとされています。赤ちゃんは大人よりも体温が高めですが、一方で体温調節機能がまだ未熟です。
室温 20度で赤ちゃんが過ごす場合、大人が快適と感じる湿度(40〜60%)を保つことが非常に重要です。
乾燥は赤ちゃんのデリケートな肌や呼吸器系に負担をかけますし、低すぎると体感温度も下がってしまいます。
赤ちゃんの環境づくりのポイント
- 服装(着せすぎに注意)服装の目安は「大人が快適な服装+1枚程度」、または「大人と同じ枚数で素材を少し厚手にする」程度です。赤ちゃんは汗っかきなので、「着せすぎ」は禁物です。汗をかいて、それが冷えることで逆に体調を崩す(あせもや風邪の原因)ことがあります。
- 寝床(コールドドラフト対策)最も注意したいのが、床付近を流れる冷たい空気(コールドドラフト)です。床に直接布団を敷いて寝かせていると、大人が気づかない冷気にさらされることになります。できるだけベビーベッドを使用するか、床にすのこや厚手のマットを敷くなどして、床から少し高さを確保する工夫をしましょう。
- 体調のこまめな確認手足が多少冷たくても、赤ちゃんの機嫌が良ければ問題ないことが多いです。背中やお腹を触ってみて、冷たすぎたり、逆に汗をかいていたりしないか、こまめに確認してください。
室温20度でも暖房はつけますか?
結論から言えば、室温が20度あっても、あなた自身が「寒い」と感じるなら暖房をつけるべきです。我慢は禁物です。
特に、室温計が20℃を示していても、それはあくまで「その一点」の温度です。早朝や夜間、日当たりの悪い北側の部屋、または窓際や足元が明らかに冷え込んでいる場合は、快適な体感温度を得るために暖房が必要となります。
「室温20度でも暖房はつけますか?」という問いの答えは、「はい、ただし体感温度によります」となります。
もし、湿度が低く乾燥している、窓からの冷放射が強くてひんやりする、足元に隙間風がある、といった場合は、室温計が20℃でも実際の体感温度は17℃程度かもしれません。その場合は、無理せず暖房を使いましょう。
ただし、その際も「設定温度を25℃に上げる」のではなく、まずは設定20℃〜22℃のまま、サーキュレーターで空気を循環させたり、加湿器を併用したり、窓の断熱対策(厚手のカーテンを閉めるなど)をしたりして、体感温度そのものを引き上げる工夫を優先するのが賢い選択です。
寒さを我慢して血行が悪くなったり、免疫力が低下して体調を崩しては元も子もありません。他の対策と組み合わせながら、暖房を上手に活用してください。
室温20度でも寒い!知恵袋の疑問やリアルな声を解消
室温20度でも寒い!と知恵袋などで検索すると、多くの人が同じ疑問を抱え、様々な対策を共有していることがわかります。
そこでの議論をまとめると、寒さの原因はやはり「湿度」「断熱(特に窓)」「温度ムラ(空気循環)」「服装」に集約されます。
よくある疑問と回答(まとめ)
- Q. 暖房を20℃設定にしても寒いのはなぜ?
- A. 「温度ムラ」が発生しており、暖かい空気が天井に溜まり、足元が冷えている可能性が非常に高いです。また、「湿度不足」で体感温度が下がっているか、「窓からの冷気(コールドドラフト・冷放射)」が原因です。
対策:サーキュレーターで空気を循環させ、加湿器で湿度を50〜60%に上げ、厚手のカーテンを閉めて窓からの冷気を遮断してみてください。
- Q. 20℃で暖房なしで過ごすには?
- A. 住宅の断熱性能が非常に高い(高気密・高断熱住宅、ZEH仕様など)場合は、日中の日差しだけで20℃以上を保てることもあり、暖房なしでも可能です。一般的な住宅では、窓に断熱シートを貼り、厚手のカーテンを床まで垂らし、吸湿発熱インナー、フリース、ネックウォーマー、厚手の靴下などで徹底的に「着込む」必要があります。
- Q. 20℃で電気代を節約するには?
- A. エアコンの設定温度を1℃上げる(例:20℃→21℃)よりも、湿度を上げて体感温度を上げる(例:湿度40%→55%)方が、快適性と省エネを両立しやすいです。また、部屋全体を暖めるエアコンは設定20℃のまま、自分がいる場所だけをピンポイントで暖められる「電気毛布」や「こたつ」を併用するのも非常に効果的な節約術です。
まとめ:室温20度が寒いのはなぜ?
室温20度が寒いのはなぜ、という長年の疑問の答えは、温度計が示す「室温(空気の温度)」と、私たちの体が実際に感じる「体感温度」との間に存在する、大きなギャップにありました。
寒さの本当の原因(湿度・気流・放射熱)を正しく理解し、それぞれに対策を打つことで、暖房の設定温度をむやみに上げなくても、20℃という室温設定で快適に過ごすことが可能になります。
- 室温20度が寒い最大の理由は「体感温度」の低下
- 体感温度は「湿度」「気流(風)」「放射熱(壁や窓の温度)」で決まる
- 湿度が低い(乾燥している)と体温が奪われ寒い
- 隙間風やエアコンの風が当たると寒い
- 窓や壁が冷たいと体から熱が奪われる(冷放射)
- 寒いと感じる室温は一般的に18℃以下とされる
- WHOも健康維持のため室温18℃以上を強く勧告している
- 日本人が寒いと感じる気温は15℃以下が目安
- 家の中が寒い根本原因は「断熱」と「気密」の不足
- 熱の約6割は窓から逃げている(コールドドラフトの原因)
- 窓の冷気が床を伝う「コールドドラフト」が足元を冷やす
- 室温22度でも寒いのは「温度ムラ」が原因の可能性
- 対策①:まず湿度を40%〜60%に保つ(加湿器など)
- 対策②:エアコンの風向きは「下向き」+サーキュレーター併用で空気を循環
- 対策③:服装は「3つの首(首・手首・足首)」を温め、ルームシューズを履く
- 対策④:赤ちゃんの環境も湿度管理と床からの冷気対策(ベビーベッド)が重要
- 寒いと感じたら我慢せず暖房を使い、他の対策と併用する