「最近、どうもキッチンの水の出が悪い」「シャワーの水圧が弱くて快適じゃない」など、水道の水圧に関するお悩みはありませんか。一軒家やマンションで水圧が弱い場合、その原因や理由は様々です。
この記事では、水道の水圧を上げる方法について、自分で簡単にできる対策から、専門業者に依頼した方がいい場合まで、あらゆる情報を網羅的に解説します。
シャワーの水圧を上げるための止水栓の調整方法や、エコキュートが原因の場合の対策、さらには水道の水圧を上げるポンプの設置まで、具体的な解決策を詳しくご紹介。
水道の元栓での水圧調整はどこまで可能なのか、業者に依頼する場合の費用相場も明らかにします。水圧が弱いと感じる家の地形的な特徴や、水道局への相談についても触れながら、あなたの家の水圧問題を解決へと導きます。
目次
水道の水圧を上げるため方法との基本的な知識と原因
- 水道の水圧が弱い・低い原因や理由
- 水道の元栓で水圧調整は可能か
- シャワーの水圧を上げる止水栓の操作方法
- 水圧が弱い傾向がある家や地形の特徴
- 水道の水圧をあげる・弱い時に業者に依頼した方がいい場合
水道の水圧が弱い・低い原因や理由
水道の水圧が弱いと感じる場合、その原因は一つとは限りません。家全体で水圧が低いのか、それともキッチンやシャワーなど特定の場所だけなのかによって、考えられる原因は異なります。
まず考えられるのは、水道の元栓や個別の止水栓が十分に開いていないケースです。過去の修理や点検の際に、業者が少し閉めたままになっている可能性も考えられます。また、蛇口やシャワーヘッドに内蔵されているフィルター(ストレーナー)にゴミや水垢が詰まり、水の通り道を狭めていることも少なくありません。
さらに、給湯器の号数(能力)が家庭での使用量に対して不足していると、お湯を使用する際に水圧が低下することがあります。特に、水は問題ないのにお湯だけ弱い場合は、給湯器が原因である可能性が高いでしょう。
水道の元栓で水圧調整は可能か
家全体の水道の水圧を調整する方法として、水道メーターボックス内にある「元栓(止水栓)」を操作することが挙げられます。この元栓は、家全体の水の供給量をコントロールしており、ハンドルを左(反時計回り)に回すと全開になり、右(時計回り)に回すと供給量が減って水圧が弱まります。
もし家全体の水圧が弱いと感じる場合、元栓が少し閉まっている可能性がないか確認してみる価値はあります。ただし、この元栓を操作する際には注意が必要です。水圧を弱めすぎると、配管内の水の流れる力が不足し、汚れなどが溜まりやすくなり、結果的に配管詰まりのリスクを高める可能性があります。
基本的には全開の状態で使用することが推奨されており、特別な理由がない限りは触らない方が賢明です。個別の蛇口で問題が解決しない場合の最終手段と捉え、操作は慎重に行う必要があります。
シャワーの水圧を上げる止水栓の操作方法
お風呂場のシャワーの水圧だけが特に弱いと感じる場合、浴室水栓の止水栓を調整することで改善できる可能性があります。サーモスタット混合水栓や壁付け混合水栓の多くは、壁との接続部分である「クランク」と呼ばれる脚部に止水栓が内蔵されています。
調整はマイナスドライバーを使って行います。クランクの側面や正面に、マイナスドライバーの先端がはまる溝があるはずです。この溝にドライバーを差し込み、左(反時計回り)に少しずつ回すことで、水の供給量が増えて水圧が強まります。逆に右(時計回り)に回すと水圧は弱くなります。
注意点として、水用とお湯用の両方に止水栓があるため、必ず両方を同じくらいに調整することが大切です。片方だけを極端に開けると、温度調節がうまくいかなくなる原因になります。少し回してはシャワーの出を確認し、最適な水圧になるよう微調整を行いましょう。
水圧が弱い傾向がある家や地形の特徴
個別の設備に問題がないにもかかわらず水圧が弱い場合、住んでいる地域や家の立地が影響している可能性があります。一般的に、以下のような特徴を持つ場所では、水圧が弱い傾向が見られます。
- 高台にある家: 配水管から水を押し上げる必要があるため、標高が高い場所ほど水の勢いは弱くなります。
- 高層マンションの上層階: 高台と同様の理由で、ポンプで水を押し上げていますが、上層階では水圧が低下しがちです。
- 周辺に住宅や商業施設が密集している: 朝夕の通勤時間帯や夕食の準備時間など、地域全体で同時に水を使用する量が増えると、一本の水道本管から分岐している各家庭への供給水圧が下がることがあります。
- 水道管が古い・細い: 地域のインフラが古く、現在の世帯数に見合っていない細い水道管が使われている場合も、根本的な水圧不足の原因となります。
これらのケースでは、個人での対策には限界があるため、水道局に地域の水圧状況や今後のインフラ整備の予定について問い合わせてみるのも一つの方法です。
水道の水圧をあげる・弱い時に業者に依頼した方がいい場合
自分で止水栓の調整やシャワーヘッドの掃除を試みても水圧が改善しない場合や、原因の特定が難しい場合は、無理せずプロの水道修理業者に相談することをおすすめします。特に、以下のような状況では専門的な知識と技術が必要になります。
- 給水管・給湯管の問題が疑われる場合: 見えない壁の中や床下で配管が詰まっていたり、老朽化によって漏水していたりする可能性があります。
- 給湯器の交換が必要な場合: お湯だけ水圧が弱い原因が給湯器の容量不足や故障である場合、交換には資格を持った専門業者による作業が不可欠です。
- 水道の水圧を上げるポンプを設置したい場合: 水圧を根本的に改善するために加圧ポンプや増圧ポンプを設置するには、専門的な設置工事が必要となります。
- 原因が全く分からない場合: 複数の要因が絡み合っていることもあり、プロによる診断が最も確実で早い解決につながります。
悪質な業者を避けるためにも、依頼する際は必ず事前に見積もりを取り、料金体系や作業内容について明確な説明を求めましょう。複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」も有効な手段です。
水道の水圧を上げる方法や具体的な対策と費用【状況別】
- 一軒家の水圧が弱い場合の対策
- シャワーの水圧を上げる具体的な方法【一軒家】
- エコキュートが原因でシャワーの水圧を上げるには
- 水道の水圧を上げるポンプの設置について
- よくある質問
一軒家の水圧が弱い場合の対策
一軒家で家全体の水圧が弱い場合、考えられる原因は多岐にわたります。まずは、前述の通り水道メーター横の元栓が全開になっているかを確認しましょう。これが問題ない場合、次に疑うべきは給水管の老朽化です。特に築年数が古い家では、金属製の水道管内部にサビやスケール(水垢)が蓄積し、水の通り道を狭くしている可能性があります。
この場合、高圧洗浄による配管内の清掃や、場合によっては給水管自体の引き直し工事が必要になることもあります。これは大掛かりな工事となるため、専門業者による詳細な調査と見積もりが不可欠です。
また、給湯器の能力不足も一因として考えられます。家族が増えたり、生活スタイルが変わったりして一度に使うお湯の量が増えた場合、既存の給湯器では対応しきれず、お湯側の水圧が低下することがあります。より号数の大きい給湯器への交換も、有効な対策の一つとなります。
シャワーの水圧を上げる具体的な方法【一軒家】
一軒家で他の場所は問題ないのにシャワーの水圧だけが弱い場合、浴室に原因が絞られます。最も手軽で効果的な対策は、シャワーヘッドの交換です。
近年では「低水圧用シャワーヘッド」や「増圧シャワーヘッド」と呼ばれる製品が数多く販売されています。これらは、水の出る穴を小さくしたり、数を少なくしたりすることで、水の勢いを増す仕組みです。中には、水流に空気を含ませることで、少ない水量でも肌あたりの良い、ボリューム感のあるシャワーを実現する製品もあります。節水効果も期待できるため、水道代の節約にもつながります。
シャワーヘッドの交換は工具不要で簡単にできる場合がほとんどです。それでも改善しない場合は、水栓内部のストレーナーの詰まりや、水栓自体の不具合も考えられるため、業者への点検依頼を検討しましょう。
エコキュートが原因の場合シャワーの水圧を上げるには
エコキュートや電気温水器などの貯湯式給湯器を設置しているご家庭では、水道直圧式のガス給湯器に比べてシャワーの水圧が弱く感じられることがあります。これは、貯湯タンクの破損を防ぐために「減圧弁」という部品で水道水の圧力を意図的に下げてからタンクに給水しているためです。
この問題を解決するには、いくつかの方法があります。一つは「高圧力型」のエコキュートに交換することです。通常のエコキュートよりも高い水圧に対応できるよう設計されており、シャワーの勢いを大幅に改善できます。
また、エコキュート自体はそのままに、シャワー専用の小型加圧ポンプを後付けするという選択肢もあります。これにより、シャワー周りだけを選択的に増圧することが可能です。ただし、いずれの方法も専門的な工事が必要となるため、設置業者や水道修理業者への相談が不可欠です。
水道の水圧を上げるポンプの設置について
地域全体や立地条件が原因で元々の給水圧が低い場合、根本的な解決策として「加圧ポンプ」や「増圧ポンプ」を設置する方法があります。
- 加圧ポンプ: 水道メーターと宅内の給水管の間に設置し、家全体の水圧を均等に引き上げるポンプです。キッチン、浴室、洗面所など、すべての蛇口の水圧が向上します。
- 増圧ポンプ: 水道本管から引き込む水の圧力を直接高める、より強力なポンプです。設置には水道局への申請が必要になる場合があります。
これらのポンプを設置することで、水圧問題を劇的に改善できますが、導入にはデメリットも存在します。ポンプ本体の価格に加え、設置工事費も必要となり、初期費用は高額になりがちです。また、ポンプの作動音が気になる場合や、定期的なメンテナンスが必要になることも考慮しなければなりません。古い配管に強い圧力をかけると漏水のリスクが高まるため、設置前には業者による配管状態の入念なチェックが大切です。
よくある質問
水道の水圧に関する問題は、日々の生活に直接影響するため、多くの疑問や不安が伴います。ここでは、水圧を上げる方法に関して特によく寄せられる質問をピックアップし、それぞれに詳しくお答えしていきます。
Q1. 自分で調整するのと業者に頼むのは、どちらがいいですか?
A1. ご自身で試みるべき範囲と、専門業者に依頼すべき範囲を見極めることが大切です。
蛇口の根本やシンク下にある止水栓の調整、あるいはシャワーヘッドの掃除や交換といった作業は、特別な工具が不要な場合も多く、ご自身で試みる価値は十分にあります。これらの簡単な対策で問題が解決すれば、費用をかけずに済みます。
一方で、以下のようなケースでは、専門的な知識や技術が必要となるため、速やかに信頼できる水道修理業者へ相談することをおすすめします。
- 止水栓などを調整しても全く改善が見られない場合
- 家全体の水圧が弱く、原因が給水管の老朽化や詰まりの可能性がある場合
- 壁の中や床下など、見えない場所での水漏れが疑われる場合
- 給湯器の交換や、水圧を上げるためのポンプ設置を検討している場合
無理にご自身で対処しようとすると、かえって配管を傷つけたり、状況を悪化させたりする恐れがあります。少しでも不安を感じたら、まずは専門業者による無料の見積もりや点検を利用するのが賢明な判断です。
Q2. 水圧を上げるための工事費用は、どれくらいかかりますか?
A2. 工事の内容によって、費用は大きく異なります。
水圧を改善するための工事費用は、その原因と対策によって数万円から数十万円までと幅があります。あくまで一般的な目安ですが、以下にいくつかの例を挙げます。
工事内容 | 費用相場の目安 | 備考 |
高圧力型給湯器への交換 | 30万円~60万円 | 給湯器本体の価格と設置工事費を含みます。 |
加圧・増圧ポンプの設置 | 15万円~30万円 | ポンプ本体の価格と設置工事費の合計です。配管の状況により変動します。 |
水道管の高圧洗浄 | 3万円~8万円 | 配管の長さや詰まりの状態で料金が変わります。 |
給水管の引き直し工事 | 50万円以上 | 家全体の配管を新しくするため、高額になります。建物の構造によって費用は大きく変動します。 |
れらの費用は、あくまで一例です。正確な金額を知るためには、必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容と費用の内訳を詳細に確認することが不可欠です。
Q3. 賃貸マンションでも水圧の調整はできますか?
A3. ご自身でできる範囲と、管理会社や大家さんへの相談が必要な範囲があります。
賃貸物件にお住まいの場合でも、シャワーヘッドを節水タイプや低水圧用のものに交換することは、一般的に問題ありません。退去時に元の部品に戻せるように、取り外したシャワーヘッドは大切に保管しておきましょう。
しかし、お部屋のシンク下や浴室水栓の止水栓を調整する際は、事前に管理会社や大家さんに一言連絡を入れておくと、後のトラブルを避けられます。また、玄関横のパイプスペース内にある水道メーター周りの元栓(止水栓)は、共用部分にあたるため、絶対に個人で操作してはいけません。
もし建物全体の水圧が低いと感じる場合は、他の居住者も同様に感じている可能性があります。一度、管理会社や大家さんに建物の状況について相談してみることをお勧めします。
Q4. 水圧を上げると、水道代は高くなりますか?
A4. 同じ時間だけ水を使用した場合、水道代は高くなる可能性があります。
水圧を上げるということは、蛇口から単位時間あたりに出てくる水の量(流量)が増えることを意味します。したがって、例えばシャワーを浴びる時間が以前と全く同じ10分間だった場合、使用する水の総量は増えるため、水道料金は上がることになります。
ただ、一方で、水圧が強くなることで、洗い物やシャワーが短時間で済むようになるという側面も考えられます。もしシャワーの時間が10分から8分に短縮されれば、結果的に使用水量が減り、水道代が安くなるケースもあり得ます。
水圧の調整は、節水意識とセットで考えることが、快適さと経済性を両立させる鍵となります。
水道の水圧を上げる方法について:総まとめ
- 水道の水圧が弱い原因は元栓や止水栓、フィルター詰まりなど様々
- 自分でできる対策として止水栓の調整やシャワーヘッドの掃除・交換がある
- 元栓の調整は家全体の水圧に影響するが、閉めすぎには注意が必要
- シャワーの水圧が弱い場合は低水圧用シャワーヘッドへの交換が効果的
- お湯だけ水圧が弱い場合は給湯器の能力不足や故障が考えられる
- 一軒家では給水管の老朽化が水圧低下の原因になることがある
- 高台や住宅密集地では地域的に水圧が弱い傾向がある
- エコキュートは仕組み上、水圧が低めに設定されている
- 高圧力型エコキュートへの交換でシャワーの水圧は改善可能
- 根本的な解決策として水道の加圧・増圧ポンプの設置がある
- ポンプ設置は費用が高額で、配管の状態によってはリスクも伴う
- 原因が特定できない、またはDIYでの解決が難しい場合は専門業者に相談する
- 業者に依頼する際は必ず事前に見積もりを取り、内容をしっかり確認する
- 相見積もりを取ることで適正な価格や信頼できる業者を見極めやすくなる
- 水圧問題の解決は、快適な日常生活を取り戻すための重要なステップ