毎日使うシャワーの水圧が弱いと、すっきりしない気分になりますよね。シャワーの水圧をあげるにはどうすれば良いのか、水圧が弱い・低い原因や理由が分からずお困りではないでしょうか。
この記事では、ご自身でできるシャワーの水圧を上げる方法5選として、シャワーの水圧を上げる止水栓の調整方法や、そもそもシャワーの水圧調整はどこでするのかといった疑問に答えます。
さらに、水圧を上げる部品のおすすめやTOTO製品の例、一軒家やマンションでの対策の違い、エコキュートの対策まで幅広く解説します。給湯設備のメンテナンス術や、どうしても改善しない時に業者に依頼する費用相場も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
シャワーの水圧をあげる方法と原因を解説!自分でできる対策5選
- 水圧が弱い・低い原因や理由を解説
- 簡単!シャワーの水圧を上げる方法5選
- シャワーの水圧調整はどこでする?
- シャワーの水圧を上げる止水栓の調整方法
- 水圧を上げる部品のおすすめを紹介
- シャワーの水圧を上げるTOTO製品も解説
水圧が弱い・低い原因や理由を解説
シャワーの水圧が弱くなるのには、いくつかの原因が考えられます。原因を正しく理解することが、快適なバスタイムを取り戻すための第一歩となります。
主な原因は、大きく分けて3つあります。
一つ目は、止水栓が十分に開いていないケースです。止水栓は水の量を調整する役割を持っており、これが部分的に閉まっていると水の供給量が減り、水圧が低下します。
二つ目は、シャワーヘッドやフィルターの目詰まりです。長年使用していると、水道水に含まれるミネラルやゴミ、サビなどが蓄積し、水の通り道を塞いでしまいます。これは非常に一般的な原因の一つです。
三つ目は、給湯器の能力不足や不具合です。特に、キッチンなど他の場所と同時にお湯を使用した場合に水圧が下がるのであれば、給湯器の号数(一度に供給できるお湯の量)が足りていない可能性があります。また、給湯器自体の経年劣化や故障も、お湯の勢いを弱める原因となり得ます。
これらの原因を一つずつ確認していくことで、ご自身の状況に合った対処法を見つけることができます。
シャワーの水圧を上げる方法5選【簡単】
シャワーの水圧が弱いと感じたとき、専門業者に依頼する前にご自身で試せる簡単な方法がいくつかあります。特別な工具を必要としないものも多いため、ぜひ一度実践してみてください。
シャワーヘッドの掃除
前述の通り、シャワーヘッドの穴や内部のフィルターに水垢やゴミが詰まると、水の出が悪くなります。まずはシャワーヘッドをホースから取り外し、分解できる場合は分解して、使い古しの歯ブラシやつまようじで穴の詰まりを取り除きましょう。頑固な汚れには、クエン酸やお酢を溶かしたぬるま湯に1〜3時間つけ置きするのが効果的です。
ストレーナーの掃除
シャワーヘッドとホースの接続部分には、ストレーナーと呼ばれるフィルターが設置されていることがあります。ここもゴミが溜まりやすい箇所なので、取り外して歯ブラシなどで優しく清掃してください。
止水栓の調整
蛇口の根元あたりにある止水栓が閉まり気味になっている可能性もあります。マイナスドライバーで反時計回りに少しずつ回して、水の供給量を増やしてみましょう。
シャワーホースの点検
シャワーホースに折れやねじれがあると、水の流れが妨げられます。また、目には見えない亀裂から水が漏れていることもあります。ホースの状態を確認し、問題があれば交換を検討します。
低水圧用シャワーヘッドへの交換
これらの方法で改善しない場合、低水圧用に設計されたシャワーヘッドに交換するのが最も手軽で効果的な方法です。少ない水量でも勢いを増す工夫がされており、節水効果も期待できます。
シャワーの水圧調整はどこでする?
シャワーの水圧を調整する場所は、主に2箇所考えられます。ご自宅の設備を確認し、適切な場所で調整を行いましょう。
一つ目の調整場所は、浴室にある混合水栓の「止水栓」です。壁付きタイプの混合水栓の場合、蛇口本体から壁につながる2本の脚部(クランク)に、マイナスドライバーで回せるくぼみがあります。ここがお湯と水の止水栓で、それぞれを調整することで全体の水量をコントロールできます。
浴槽のフチに水栓が設置されているカウンタータイプの場合、止水栓は浴槽のエプロン(側面カバー)を外した内側にあることが多いです。少し確認がしにくい場所にありますが、取扱説明書などで位置を確認してみましょう。
二つ目の調整場所は、水道メーターの近くにある家全体の「元栓」です。ただし、元栓を絞ると家全体の水圧が下がってしまうため、シャワーだけが弱い場合は、基本的に浴室の止水栓で調整するのが一般的です。マンションやアパートの場合は、玄関横のパイプスペースなどに設置されていることが多いです。
まずは浴室の止水栓から確認し、調整してみることをおすすめします。
シャワーの水圧を上げる止水栓の調整方法
止水栓の調整は、シャワーの水圧を上げるための基本的かつ効果的な方法です。作業にはマイナスドライバーが一本あれば十分ですが、いくつか注意点があります。
まず、壁付き混合水栓の場合、水栓本体の左右にある脚部にマイナスの溝があることを確認してください。通常、向かって右が水、左がお湯の止水栓です。
調整の手順は以下の通りです。
- マイナスドライバーを止水栓の溝にしっかりと差し込みます。
- 水圧を上げたい場合は、「反時計回り」に少しずつ回します。一度にたくさん回さず、4分の1回転させるごとにシャワーを出し、水圧を確認するのがポイントです。
- お湯と水の両方の止水栓を、バランスを見ながら均等に開いていきます。片方だけを開けすぎると、お湯と水の混ざり具合が悪くなり、温度調節がしにくくなることがあるため注意が必要です。
逆に水圧を弱めたい場合は、「時計回り」に回します。止水栓が固くて回らない場合は、無理に力を加えると破損の原因になるため、専門業者に相談するのが賢明です。この簡単な調整だけで、見違えるようにシャワーの勢いが良くなることがあります。
水圧を上げる部品のおすすめを紹介
自分でできる対策として、シャワーに関連する部品を交換する方法も非常に有効です。特に「低水圧用シャワーヘッド」への交換は、最も手軽で効果を実感しやすい選択肢と言えるでしょう。
低水圧用シャワーヘッドは、内部の構造に工夫が施されています。具体的には、散水板の穴の数や大きさを調整したり、穴の配置を工夫したりすることで、少ない水量でも水の勢いを強く感じられるように設計されています。ホースの先端を指でつまむと水が勢いよく飛び出すのと同じ原理です。
また、製品によっては内部で水流に空気を含ませる「エアイン機能」を持つものもあります。これにより、水滴一粒一粒が大きくなり、量感のある浴び心地を実現しながら節水効果も期待できます。
シャワーヘッドを選ぶ際は、「低水圧用」や「高水圧」といった表記があるものを選びましょう。取り付けは工具不要で、現在使用しているヘッドを回して外し、新しいものを取り付けるだけで完了する場合がほとんどです。ホームセンターやインターネット通販で数千円から購入可能なので、費用対効果の高い対策と言えます。
シャワーの水圧を上げるTOTO製品も解説
水まわり設備の人気メーカーであるTOTOからも、シャワーの水圧を上げるのに役立つ製品が多数販売されています。既存のシャワーがTOTO製の場合、同じメーカーの製品を選ぶと互換性の心配がなく安心です。
TOTOのシャワーヘッドで特に水圧アップに定評があるのが、「コンフォートウエーブシャワー」シリーズです。このシリーズは、TOTO独自の技術により、大粒の水玉をスイングしながら勢いよく吐水するのが特徴です。これにより、少ない水量でも量感のある刺激的な浴び心地を実現し、節水と水圧アップを両立させています。
また、手元のボタンで一時的に吐水・止水ができるタイプを選べば、こまめにお湯を止めることができ、さらなる節水につながります。
交換の際は、ご自宅のシャワー水栓の品番を確認し、適合するシャワーヘッドを選ぶことが大切です。もしネジの規格が合わない場合でも、アダプターが付属している製品や、別売りのアダプターを使用することで取り付け可能なケースがほとんどです。メーカーのウェブサイトで適合情報を確認するか、販売店のスタッフに相談してみると良いでしょう。
シャワーの水圧をあげるための応用知識|状況別
- 一軒家でシャワーの水圧を上げる対策
- マンションでシャワーの水圧を上げる対策
- エコキュートの対策も確認しよう
- 給湯設備のメンテナンス術について
- 業者に依頼する場合の費用相場
一軒家でシャワーの水圧を上げる対策
一軒家にお住まいでシャワーの水圧が弱い場合、マンションとは異なる原因や対策が考えられます。
まず確認したいのは、水道本管からの供給圧力です。地域によっては元々の水圧が低いエリアもあります。この場合、家全体の水圧を上げる「加圧ポンプ」や「増圧ポンプ」の設置が有効な解決策となります。ただし、設置には専門的な工事が必要で、費用も比較的高額になる点を考慮する必要があります。
次に、配管の老朽化です。特に築年数が経過した家では、水道管の内部にサビや水垢が蓄積し、水の通り道を狭めている可能性があります。この状態がひどい場合は、配管の洗浄や交換といった大掛かりなリフォームが必要になることもあります。
また、給湯器の号数もチェックポイントです。家族の人数が増えたり、生活スタイルが変わったりして、一度に使うお湯の量が増えた場合、給湯器の能力が追いついていないのかもしれません。より号数の大きい給湯器に交換することで、シャワーを含め家全体の給湯能力が向上します。
まずはシャワーヘッドの掃除や止水栓の調整といった簡単な対策から試し、それでも改善しない場合は、これらの専門的な対策を検討してみると良いでしょう。
マンションでシャワーの水圧を上げる対策
マンションやアパートといった集合住宅では、一軒家とは異なる特有の事情でシャワーの水圧が弱くなることがあります。
集合住宅では、建物全体の給水方式が水圧に大きく影響します。高層階の建物では、一度屋上の貯水槽に水を汲み上げ、そこから各戸へ供給する方式(高置水槽方式)が採用されていることが多く、この場合、重力で水を落とすため、上の階ほど水圧が低くなる傾向にあります。
この構造的な問題が原因である場合、個人でできる対策には限界があります。シャワーヘッドを低水圧用のものに交換するのが、最も現実的で効果的な対策となるでしょう。
また、建物全体の設備として減圧弁が設置されており、各戸への水圧が一定に調整されているケースもあります。この設定を変更することは個人ではできないため、どうしても水圧に不満がある場合は、管理会社や大家さんに相談してみるのも一つの手です。ただし、他の部屋との兼ね合いもあるため、改善が難しい場合も少なくありません。
まずは、シャワーヘッドの掃除や交換、止水栓の調整といった、ご自身の専有部分でできる対策を試すことが基本となります。
エコキュートの対策も確認しよう
エコキュートや電気温水器といった貯湯式の給湯器を使用しているご家庭では、それがシャワーの水圧が弱い原因となっている場合があります。
これらの貯湯式給湯器は、水道水の圧力を一度減圧してからタンクに貯め、それから給湯する仕組みになっています。そのため、ガス給湯器のように水道圧をそのまま利用するタイプ(直圧式)に比べて、どうしてもシャワーの勢いが弱くなる傾向があります。これは、タンクの破損を防ぐための仕様であり、故障ではありません。
この問題を解決するためには、「高圧給湯タイプ」のエコキュートを選ぶという方法があります。通常のエコキュートよりも高い圧力で給湯できるように設計されており、シャワーの勢いを大幅に改善することが可能です。現在使用しているエコキュートの水圧に不満がある場合、将来的な買い替えの際には高圧給湯タイプを検討すると良いでしょう。
また、シャワーヘッドをエコキュートなどの貯湯式給湯器に対応した低水圧用のものに交換するだけでも、浴び心地はかなり改善されます。現在の設備をすぐに交換できない場合は、まずシャワーヘッドの見直しから始めることをお勧めします。
給湯設備のメンテナンス術について
シャワーの水圧を安定して保つためには、給湯器の定期的なメンテナンスが欠かせません。給湯器の性能が低下すると、水圧だけでなくお湯の温度も不安定になる可能性があります。
ご自身でできるメンテナンスとして、まず給湯器本体の給水口にあるストレーナー(フィルター)の掃除が挙げられます。ここにもゴミやサビが詰まることがあり、お湯の出を悪くする原因となります。掃除の際は、必ず給湯器の電源を切り、水道の元栓を閉めてから作業してください。詳しい手順は給湯器の取扱説明書に記載されています。
また、給湯器の寿命は一般的に10年から15年とされています。使用年数が長くなり、お湯の出が悪くなる、異音がする、エラーが頻繁に表示されるといった症状が見られる場合は、寿命が近いサインかもしれません。
性能が低下した給湯器を使い続けると、光熱費が増加するだけでなく、安全面でのリスクも高まります。不具合を感じたら、専門業者に点検を依頼し、必要であれば修理や交換を検討することが大切です。適切なタイミングでのメンテナンスや交換が、快適なシャワー環境を長期的に維持する鍵となります。
業者に依頼する場合の費用相場
自分でできる対策を試してもシャワーの水圧が改善しない場合は、水道管の劣化や給湯器の故障など、専門的な知識が必要な問題が潜んでいる可能性があります。その際は、無理せずプロの水道修理業者に相談しましょう。
業者に依頼した場合の費用は、原因や作業内容によって大きく異なります。以下に、一般的な作業の費用相場をまとめました。
作業内容 | 費用相場(部品代・作業費込み) | 備考 |
パッキン交換 | 4,000円~8,000円 | 蛇口からの水漏れ修理など |
混合水栓の交換 | 20,000円~50,000円 | 水栓本体の価格による |
止水栓の交換 | 12,000円~25,000円 | 固着や破損の場合 |
給湯器の交換 | 150,000円~400,000円 | 給湯器の種類や号数による |
高圧洗浄(配管) | 30,000円~60,000円 | 配管の詰まりがひどい場合 |
これらの費用に加えて、出張費や深夜・早朝料金が別途かかる場合があります。
トラブルを避けるためにも、作業を依頼する前には必ず複数の業者から見積もりを取り、料金体系や作業内容を比較検討することが大切です。最近では無料で見積もりを行ってくれる業者がほとんどなので、まずは気軽に相談してみることをお勧めします。
シャワーの水圧をあげるためにできる対策や対処法:総まとめ
- シャワーの水圧が弱い主な原因は止水栓、目詰まり、給湯器にある
- まずはシャワーヘッドやフィルターの掃除から試す
- マイナスドライバーで止水栓を反時計回りに回して水量を増やす
- 低水圧用シャワーヘッドへの交換は手軽で効果が高い
- TOTOなどのメーカー品は節水と水圧アップを両立するモデルがある
- 一軒家では加圧ポンプの設置や配管洗浄が有効な場合がある
- マンション高層階は構造的に水圧が低くなりがち
- エコキュートは仕様上、水圧が弱めなので高圧タイプを検討する
- 給湯設備の定期的なメンテナンスが水圧維持につながる
- 業者に依頼する場合の費用は作業内容によって大きく異なる
- パッキン交換は数千円から、給湯器交換は数十万円かかることも
- 原因が特定できない場合は無理せず専門業者に相談する
- 依頼前には必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切
- シャワーホースの折れや水漏れも水圧低下の原因になる
- 簡単な対策から試し、段階的に原因を探っていくのが効率的