エコキュート・給湯器

電気温水器の電気代が高すぎる!原因3選と節約術5選を徹底解説

2025年9月12日

「なぜか電気温水器の電気代が高すぎる…」と感じていませんか。特に冬になると請求額が跳ね上がり、一人暮らしや賃貸の住まいでは対策が限られると悩む方も多いでしょう。

毎月の電気代の平均1ヶ月分はいくらが妥当なのか、電源はつけっぱなしが良いのか、それとも使わない時の電気代を考えてこまめに消すべきか、多くの方が疑問に思っています。

もしかしたら、お使いの機器が20年前の電気温水器で、三菱製品などの想定寿命を超えて性能が落ちているのかもしれません。

電気代が高すぎる問題について知恵袋で情報を探したり、具体的な電気代の節約方法を模索したりしている方もいるはずです。

この記事では、電気温水器の電気代が高すぎる理由・原因3選を深掘りしつつ、設定温度の見直しなどの節約方法・節約術5選を具体的に解説します。

さらに、最終的な解決策としてエコキュートと電気温水器の電気代を比較するとどちらが安いですか?という疑問に答え、補助金を使いエコキュートへ交換するのがおすすめである理由まで、専門的な視点から分かりやすくご紹介します。

ポイント

  • 電気温水器の電気代が高騰する具体的な原因
  • 今日から実践できる効果的な電気代の節約術
  • 一人暮らしや賃貸など状況別の注意点
  • エコキュートへの交換費用と利用できる補助金制度

電気温水器の電気代が高すぎる主な原因や理由3選

電気温水器の電気代が高すぎる主な原因や理由3選

  • 電気温水器の電気代が高すぎる理由・原因3選
  • 電気代が冬に高くなる理由
  • 平均1ヶ月の料金
  • 20年前の電気温水器の電気代と三菱製品の寿命
  • 電源つけっぱなしと使わない時の電気代を比較
  • 一人暮らしや賃貸で電気代が高すぎる場合の対策

電気温水器の電気代が高すぎる理由・原因3選

電気温水器の電気代が予想以上に高くなるのには、主に3つの明確な理由が考えられます。これらを理解することが、効果的な対策を立てる第一歩となります。

理由1:熱効率の低さ

まず、電気温水器の基本的な仕組みが、電気代が高くなる最大の要因です。電気温水器は、タンク内にある電気ヒーターに電気を流し、その熱で直接水を温めます。これは巨大な電気ポットと同じ原理であり、投入した電気エネルギーを熱エネルギーに変換する効率は100%を超えることはありません。

一方、近年主流となっているエコキュートは、空気の熱を利用するヒートポンプ技術を使います。少ない電力で空気中から熱を集めてお湯を沸かすため、消費した電力の3倍以上の熱エネルギーを生み出すことが可能です。この根本的な熱効率の差が、毎月の電気代に3倍以上の違いとなって現れるのです。

理由2:経年劣化による性能低下

電気温水器を長年使用していると、性能が徐々に低下し、電気代を押し上げる原因となります。特に問題となるのが「スケール」と呼ばれる水垢です。水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分が、長年の使用でヒーター部分に固着します。

このスケールは熱を伝えにくくするため、お湯を沸かすのにより多くの時間と電力が必要になります。設置から10年以上経過している場合、新品の頃と同じ設定温度でお湯を沸かしていても、内部の劣化によって知らず知らずのうちに余分な電気を消費している可能性が高いです。

理由3:外部環境の変化

機器自体の問題だけでなく、電気料金プランの改定や燃料費の高騰といった外部環境の変化も、電気代が高くなったと感じる大きな理由です。かつては多くの家庭で、電気料金が安い深夜電力プランを契約し、その時間帯にお湯を沸かすことでランニングコストを抑えていました。

しかし、電力自由化以降、大手電力会社はこれらの深夜電力プランの新規受付を終了したり、割引率を縮小したりしています。そのため、以前と同じ生活スタイルでも、契約プランの変更によって電気代が大幅に上がってしまうケースが少なくありません。

電気代が冬に高くなる理由

冬になると電気温水器の電気代が特に高くなるのは、物理的な二つの理由が関係しています。

一つ目は、給水温度の低下です。夏場は20℃前後ある水道水の温度が、冬場には5℃近くまで下がることがあります。設定温度が同じ80℃だとしても、夏は60℃分だけ温度を上げればよいのに対し、冬は75℃分も温度を上げる必要があります。この温度差が大きいほど、お湯を沸かすために必要なエネルギー量が増え、結果として電気代が上昇します。

二つ目は、外気温の低下による放熱ロスです。貯湯タンクは断熱されていますが、それでも周囲の気温が低いと、タンクから熱が逃げやすくなります。タンク内のお湯の温度が設定より下がると、保温のために自動で追い焚きが行われます。冬場はこの追い焚きの頻度が増えるため、お湯を使っていない時間帯でも夏場より多くの電力を消費してしまうのです。

電気代料金目安・平均1ヶ月

ご自宅の電気代が高いかどうかを判断するために、一般的な電気温水器の月額料金の目安を下の表にまとめました。ご自身の請求額と比較してみてください。

電力エリア 電気温水器の年間電気代の目安 1ヶ月あたりの電気代の目安
北海道電力エリア 約196,800円 約16,400円
東北電力エリア 約188,400円 約15,700円
東京電力エリア 約157,200円 約13,100円
中部電力エリア 約100,800円 約8,400円
関西電力エリア 約87,600円 約7,300円
九州電力エリア 約85,200円 約7,100円

※パナソニックのデータを基に算出(2024年10月時点)。実際の料金は契約プランや使用状況、燃料費調整額により変動します。

もし、この平均額を大幅に超えている場合は、機器の劣化や使い方に改善の余地があるかもしれません。

20年前の電気温水器の電気代と三菱製品の寿命

現在お使いの電気温水器が設置から20年近く経過している場合、電気代が高騰している主な原因は機器の寿命である可能性が非常に高いです。

一般的に、電気温水器の設計上の標準使用期間、いわゆる寿命は10年~15年とされています。これは三菱電機、パナソニック、日立などの主要メーカーでおおむね共通しています。20年前の電気温水器は、この目安を大幅に超えており、内部の部品は相当に劣化していると考えられます。

前述の通り、ヒーターへのスケール付着による熱効率の低下は避けられません。さらに、配線や基盤の劣化が進むと、漏電のリスクも高まります。漏電は無駄な電力を消費し続けるだけでなく、火災や感電といった重大な事故につながる危険性もはらんでいます。

もし急に電気代が数千円単位で上がったり、ブレーカーが頻繁に落ちたりするような症状があれば、それは機器が限界に達しているサインかもしれません。安全のためにも、また無駄な電気代を払い続けないためにも、速やかに専門業者による点検や交換を検討することが賢明です。

電源つけっぱなしと使わない時の電気代を比較

電気温水器の電源を「つけっぱなし」にするか、使わない時間は「こまめに消す」べきか、という点は多くの方が悩む問題です。これは一概にどちらが正解とは言えず、ご家庭のライフスタイルによって最適な使い方が異なります。

電源をつけっぱなしにする場合

電源を常に入れておくと、タンク内のお湯が設定温度より下がった際に自動で再加熱(保温)する機能が働きます。日中も頻繁にお湯を使ったり、家族の入浴時間がバラバラだったりするご家庭では、いつでもお湯が使えるこの状態が便利です。一度冷え切った大量の水を沸かし直す大きな電力消費を避けられるため、結果的に効率的になる場合があります。

使わない時に電源を切る場合

一方、日中は誰も家にいない、お湯を使う時間が夜に集中している、といったご家庭では、使わない時間帯に電源を切ることで、自動保温にかかる待機電力を節約できます。ただし、注意点として、電源を落としている時間が長いほどタンクの水は冷めてしまいます。特に冬場は水温が下がりやすいため、次にお湯を沸かし直す際に大きな電力が必要となり、節約した分を上回る電気代がかかってしまう可能性もあります。

したがって、まずは数日間、日中の電源を切る生活を試してみて、電気使用量にどのような変化があるか確認してみるのがよいでしょう。ただし、旅行などで2日以上家を空ける場合は、間違いなく電源を切っておく方が節約につながります。

一人暮らしや賃貸で電気代が高すぎる場合の対策

一人暮らしの方や賃貸物件にお住まいの場合、電気温水器の電気代対策には特有の制約が伴います。最大の制約は、備え付けの設備であるため、自分の判断で自由に機器を交換できない点です。

そのため、対策は日々の使い方を工夫することが中心となります。

まず、給湯温度の設定を季節に応じて見直しましょう。食器洗いやシャワーであれば、それほど高い温度は必要ありません。リモコンの設定温度を一段階下げるだけでも、沸き上げに必要なエネルギーを減らすことができます。

次にお湯の使用量を減らす工夫も大切です。節水タイプのシャワーヘッドに交換するのは、比較的簡単に行える有効な対策です。また、シャワーを流しっぱなしにしない、浴槽にためるお湯の量を少し減らす、といった小さな心がけの積み重ねが、月々の電気代に違いを生み出します。

一人暮らしの場合、タンクの容量が大きすぎて、毎日お湯が余ってしまうことも少なくありません。その場合は、毎日お湯を沸かすのではなく、2日に1回沸かすといった使い方を試すのも一つの手です。ただし、冬場はお湯が冷めやすく湯切れのリスクがあるため、ご自身の生活パターンに合わせて調整が必要です。

もし、これらの工夫をしても電気代が異常に高いと感じる場合は、機器の故障や漏電の可能性も考えられます。その際は、ご自身で判断せず、必ず大家さんや管理会社に相談して対応を依頼してください。

電気温水器の電気代が高すぎる場合の解決策

電気温水器の電気代が高すぎる場合の解決策

  • 知恵袋で学ぶ効果的な電気代の節約方法
  • 設定温度の見直しなど節約方法・節約術5選
  • エコキュートと電気温水器の電気代を比較
  • 補助金を使いエコキュートへ交換するのがおすすめ

知恵袋で学ぶ効果的な電気代の節約方法

「電気温水器の電気代が高すぎる」という悩みは、Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサイトでも頻繁に質問が投稿されています。そこでは、実際に電気温水器を使用しているユーザーたちによる、実体験に基づいた様々な節約の知恵が共有されています。

多く寄せられるアドバイスの一つが、やはり「お湯の使い方」の最適化です。例えば、家族がいる家庭では、お風呂に入る時間をなるべく連続させるというものがあります。入浴間隔が空くと浴槽のお湯が冷めてしまい、追い焚きや足し湯で余分なエネルギーを使ってしまうためです。お湯を張った後は、保温シートや浴槽の蓋をこまめに閉めることも、放熱を防ぐ上で効果的とされています。

また、深夜電力プランを契約していることを前提に、日中の電力単価が高い時間帯の沸き増しをいかに避けるかが鍵、という意見も多く見られます。日中にお湯を使いすぎてタンクが空になると、割高な電気料金で沸き上げが行われてしまいます。これを防ぐために、日中の食器洗いは水で行う、朝のシャワーを手短に済ませるなど、夜間に沸かしたお湯を大切に使う工夫が紹介されています。

これらの知恵は、特別な機器を導入することなく、今日からすぐに実践できるものばかりです。ご自身の生活に取り入れられるものがないか、一度検討してみる価値は十分にあります。

設定温度の見直しなど節約方法・節約術5選

電気代を具体的に下げるためには、日々の習慣を見直すことが不可欠です。ここでは、特に効果が高いと考えられる5つの節約術をご紹介します。

1. 沸き上げ温度の設定を下げる

電気温水器本体の「沸き上げ温度」の設定を、必要以上に高くしていないでしょうか。多くの機種では「高・中・低」や温度で設定できますが、お湯の使用量が少ない季節や、熱いお湯をあまり使わないご家庭では、設定を一段階下げてみましょう。沸かすお湯の温度が低いほど、必要な電力量は少なくなります。ただし、下げすぎると冬場に湯切れしやすくなるため、季節ごとに最適な設定を見つけることが大切です。

2. お湯の使用量を根本から減らす

お湯を使う量を減らせば、沸かす量も減り、直接的な節約につながります。前述の通り、節水シャワーヘッドへの交換は初期投資が少なく効果の高い方法です。また、食器を洗う前にお湯につけ置きしたり、汚れをヘラでこすり落としておいたりすることで、洗い物で使うお湯の量を大幅に削減できます。

3. 電気料金プランを再検討する

現在契約している電気料金プランが、ご自身のライフスタイルに合っているか確認しましょう。特に、深夜電力プランが廃止・変更されたことに気づかず、割高なプランのままになっているケースがあります。お住まいの地域で契約できる電力会社を比較し、より夜間料金の安いプランや、生活パターンに合ったプランへの切り替えを検討するのも有効な手段です。

4. お風呂の使い方を最適化する

浴槽にお湯をためる際は、設定湯量を一段階少なくしてみましょう。また、家族が連続して入浴し、追い焚きの回数を減らすことが理想です。自動保温機能は便利ですが、最後の人が入浴した後はスイッチを切り、無駄な保温を防ぐことも節約につながります。

5. 長期間不在にする際は電源をオフにする

2日以上家を空ける場合は、必ず電気温水器の電源を切りましょう。多くの機種には「沸き上げ休止設定」機能があり、旅行日数などを設定すれば、その期間は沸き上げを停止し、帰宅日に合わせてお湯を沸かしてくれるので便利です。冬場に長期間不在にする場合は、凍結防止のために水抜きなどの対策が必要になることもあるため、取扱説明書を確認してください。

エコキュートと電気温水器の電気代を比較

電気温水器の電気代に悩み、根本的な解決策を探しているのであれば、省エネ性能が格段に高い「エコキュート」への交換が最も効果的な選択肢となります。

両者の最大の違いは、お湯を沸かす仕組みにあります。電気温水器がヒーターで直接水を温めるのに対し、エコキュートは空気の熱を熱交換器で集め、その熱を利用してお湯を沸かします。このヒートポンプ技術により、電気温水器に比べて約3分の1の電力でお湯を作ることが可能です。

その差は、年間のランニングコストに明確に表れます。以下は、主要な電力会社エリアにおける、両者の年間電気代を比較した表です。

電力エリア 電気温水器の年間電気代 エコキュートの年間電気代 年間の差額
北海道電力エリア 約196,800円 約57,600円 約139,200円
東北電力エリア 約188,400円 約48,000円 約140,400円
東京電力エリア 約157,200円 約37,200円 約120,000円
中部電力エリア 約100,800円 約25,200円 約75,600円
関西電力エリア 約87,600円 約20,400円 約67,200円
九州電力エリア 約85,200円 約20,400円 約64,800円

※パナソニックのデータを基に算出(2024年10月時点)。

表からも分かるように、どのエリアにおいてもエコキュートの電気代は圧倒的に安く、年間で7万円から14万円以上もの節約が期待できます。初期費用は電気温水器よりも高額になりますが、このランニングコストの差を考えれば、数年で十分に元が取れる計算になります。

補助金を使いエコキュートへ交換するのがおすすめ

エコキュートへの交換を検討する際に、大きな後押しとなるのが国や自治体が実施している補助金制度です。これらの制度を賢く活用することで、導入時の初期費用を大幅に軽減できます。

現在、国が主導している代表的な制度が「給湯省エネ2025事業」です。この事業では、省エネ性能の高いエコキュートを導入する家庭に対して、補助金が支給されます。

2025年度の制度では、導入するエコキュート1台あたり、以下のような補助が受けられます。

  • 基本額: 8万円
  • 性能加算: 特定の性能要件を満たす高性能な機種の場合、最大5万円が加算され、合計で最大13万円
  • 撤去加算: 既存の電気温水器を撤去してエコキュートを設置する場合、さらに5万円が加算

つまり、高性能なエコキュートを選び、既存の電気温水器から交換する場合、最大で合計18万円もの補助金を受け取れる可能性があります。これは、初期費用の負担を大きく和らげるものです。

さらに、国だけでなく、お住まいの都道府県や市区町村が独自に補助金制度を設けている場合もあります。国の補助金と併用できるケースも多いため、交換を依頼する業者に確認したり、自治体のウェブサイトで調べたりすることをおすすめします。

これらの補助金制度がある今、高い電気代を払い続けるよりも、思い切ってエコキュートへ交換することが、長期的に見て最も経済的な選択と言えるでしょう。

まとめ:電気温水器の電気代が高すぎる問題

  • 電気温水器はヒーターで直接水を温めるため構造的に非効率
  • 冬は給水温度の低下とタンクからの放熱でさらに電気代が上昇する
  • 電気代の全国平均は月額約7,000円から16,000円が目安
  • 電源つけっぱなしは待機電力と沸かし直しの電力のバランスで考える
  • 長期不在時は電源オフが基本だが冬場の凍結には注意が必要
  • 設置後10年以上経過した古い機器は効率低下や漏電のリスクがある
  • 深夜電力プランの改定や廃止が電気代高騰の大きな要因になっている
  • 今日からできる節約術として給湯温度の見直しや節水が有効
  • お風呂は家族で連続して入り自動保温機能は控える
  • 賃貸物件では設備の交換が難しいため日々の使い方での節約が中心
  • ブレーカーが頻繁に落ちる場合は漏電を疑い専門業者に点検を依頼する
  • 根本的な解決策は省エネ性能の高い給湯器への交換
  • エコキュートは空気の熱を利用するため電気代は電気温水器の約3分の1
  • 給湯器の交換を検討する際は初期費用とランニングコストを総合的に比較する
  • 国の補助金制度を活用すればエコキュート導入の初期費用を大幅に軽減できる
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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