窓のお悩み

トリプルガラスはいらない?デメリットと後悔しない選び方

新築やリフォームを検討する際、「窓の性能は高くしたい」と考える方は多いでしょう。

特に断熱性に優れたトリプルガラスは、快適な室温を保つための選択肢として注目されています。しかし、インターネットで情報を集めていると「トリプルガラス いらない」という意見を目にすることはありませんか。

高性能なはずのトリプルガラスがなぜ不要と言われるのか、そのデメリットや実際の効果が気になりますよね。例えば、ペアガラスとの価格差や、将来発生しうる交換費用、ガラス自体の寿命も気になるところです。

また、ペアガラスと複層ガラスの違いがよく分からないという方もいるかもしれません。

防犯や防音効果は期待できるのか、トリプルガラスの窓はどのくらいで劣化しますか、といった疑問や、そもそも日本でのトリプルガラスの普及率はどの程度なのか、ペアガラスとトリプルガラスのどっちにすべきか、さらにはトリプルガラスを標準仕様にしているハウスメーカーはどこなのか、知りたい情報は多岐にわたるはずです。

高価な買い物だからこそ、性能面だけで判断して後悔はしたくありません。

この記事では、トリプルガラスが「いらない」と言われる理由を深掘りし、メリット・デメリットを多角的に比較しながら、あなたの家にとって最適な窓ガラス選びの答えを導き出します。

  • トリプルガラスがいらないと言われる具体的なデメリット
  • ペアガラスとの性能・価格・寿命の客観的な違い
  • トリプルガラスの防犯・防音効果や劣化に関する事実
  • ご自身の状況に合わせた後悔しない窓ガラスの選び方

トリプルガラスはいらない!と言われるホントの理由とは?

トリプルガラスはいらない!と言われるホントの理由とは?

高性能なイメージのあるトリプルガラスですが、なぜ「いらない」という声が上がるのでしょうか。

このセクションでは、多くの方が懸念するトリプルガラスのデメリットや、採用する前に知っておくべき現実的な課題について、一つひとつ詳しく解説していきます。

  • トリプルガラスの主なデメリット
  • 日々の開閉が負担になる窓の重い問題
  • ペアガラスとトリプルガラスの価格差
  • 見落としがちな将来の交換費用
  • ガラス自体の寿命はどのくらいか
  • トリプルガラスの窓はどのくらいで劣化しますか?
  • 日本国内でのトリプルガラスの普及率は?

トリプルガラスの主なデメリット

トリプルガラスの導入をためらう主な理由として、「価格が高い」「窓が重い」「寿命が短い」という3つのデメリットが挙げられます。これらは、初期投資の大きさだけでなく、日々の暮らしの快適性や将来のメンテナンスコストにまで影響を及ぼす、非常に重要なポイントです。

まず、価格面ではペアガラスの約1.5倍から2倍、単層ガラスと比較すると5倍以上になることもあり、家全体の窓をトリプルガラスにすると、予算が大幅に膨らみます。

次に、物理的な重さです。ガラスが3枚になることで、特に大きな掃き出し窓などでは開閉にかなりの力が必要となり、日常生活での負担になりかねません。

そして、寿命とメンテナンスの問題が考えられます。ガラス自体の耐久性は高いものの、ガラスの間にあるガスの抜けや、ガラスを固定するパッキンの劣化は避けられません。これらのメンテナンスや交換が発生した際、価格の高さと重量が、修理費用や作業の手間を増大させる要因となるのです。これらの点を総合的に考慮することが、後悔しない窓選びの鍵となります。

日々の開閉が負担になる窓の重い問題

トリプルガラスのデメリットの中でも、特に日常生活に直接影響するのが「窓の重さ」です。ガラスが3枚構造になっているため、単純に考えても単層ガラスの約3倍、ペアガラスの約1.5倍の重量になります。

例えば、リビングに設置されることの多い、床まである大きな掃き出し窓を想像してみてください。このサイズのトリプルガラス窓は非常に重く、成人男性でも開閉に力が必要な場合があります。女性や高齢の方にとっては、窓を開けること自体が一苦労になる可能性も否定できません。

家を建てた当初は若くて体力に自信があっても、30年後、40年後も同じように窓を楽に開閉できるでしょうか。将来、足腰が弱くなった時のことを考えると、重い窓は開け閉めが億劫になり、「開かずの窓」になってしまう恐れもあります。快適な室温を保つために高性能な窓を選んだはずが、換気のために窓を開けるという基本的な行為を妨げてしまうのは本末転倒です。家は長く住み続ける場所だからこそ、将来の身体的な変化を見据えた上で、毎日の使い勝手を慎重に検討することが大切です。

ペアガラスとトリプルガラスの価格差

トリプルガラスを選択する上で最も大きな障壁となるのが、その価格の高さです。具体的な価格差は窓のサイズや仕様、メーカーによって異なりますが、一般的にペアガラス(複層ガラス)と比較して1.5倍から2倍程度の費用がかかると言われています。

家一軒分の窓をすべてトリプルガラスにした場合、ペアガラス仕様の家に比べて数十万円から、場合によっては100万円以上の追加費用が発生することもあります。この初期投資の大きさが、トリプルガラスの採用をためらわせる最大の要因と言えるでしょう。

項目 ペアガラス(アルミ樹脂複合サッシ) トリプルガラス(樹脂サッシ)
初期費用(一軒あたり) 約100万円~150万円 約150万円~250万円
価格差 - +50万円~100万円以上
特徴 現在の標準的な仕様でコストバランスが良い 非常に高い断熱性を持つが、コストも高い

※上記は一般的な大きさの住宅における目安であり、窓の数や大きさ、仕様により変動します。

もちろん、トリプルガラスの高い断熱性能は、月々の光熱費削減に貢献します。しかし、この初期費用の差額を光熱費の削減分だけで回収するには、非常に長い年月がかかるのが現実です。費用対効果を冷静に分析し、予算全体とのバランスを考えた上で、本当に必要な投資なのかを見極める必要があります。

見落としがちな将来の交換費用

トリプルガラスを検討する際、初期費用に目が行きがちですが、将来的に発生する可能性のある「交換費用」も見落としてはならない重要なポイントです。万が一、不慮の事故や自然災害でガラスが割れてしまった場合、その交換費用はペアガラスよりも高額になります。

理由は単純で、ガラス自体の価格が高いことに加え、その重量が交換作業をより困難にするからです。重いガラスを安全に運び、精密な作業で設置するには、より多くの人員や専門的な技術が必要となり、結果として施工費もかさみます。

また、ガラスの破損だけでなく、経年劣化によるメンテナンスも考慮しなければなりません。ガラスとサッシの間にあるゴム製のパッキンは、一般的に10年ほどで劣化が始まります。このパッキンが劣化すると、気密性が損なわれて性能が低下したり、雨漏りの原因になったりするため交換が必要ですが、ここでもトリプルガラスの重量と複雑な構造が、作業費を押し上げる要因となる可能性があるのです。初期費用だけでなく、長期的な維持管理にかかるコストも念頭に置いておくことが、賢明な選択につながります。

ガラス自体の寿命はどのくらいか

トリプルガラスを含め、複層ガラスの「寿命」を考えるとき、それはガラスそのものが割れることではなく、ガラスとガラスの間にある「中空層」の性能が失われることを指します。この中空層の気密性が損なわれると、断熱性能の低下や内部結露の原因となります。

メーカーは一般的に、このガラスの性能に対して10年間の保証を設けています。これは、少なくとも10年間は性能を維持できるという一つの目安になります。

では、実際の耐用年数はどのくらいなのでしょうか。使用環境や製品によって異なりますが、一般的に複層ガラスの寿命は20年から30年程度と言われています。寿命を迎える主な原因は、ガラスの周囲を密閉しているシール材(封着材)やパッキンの経年劣化です。このシール材が劣化すると、そこから湿気が侵入してガラス内部が結露したり、中空層に封入されている乾燥空気やアルゴンガスが徐々に抜けていったりします。特に断熱性能を高めるために封入されているアルゴンガスは、シール材の劣化によって抜けるペースが早まり、性能低下を招きます。

したがって、「ガラス自体の寿命」とは、このシール材の劣化により、複層ガラスとしての機能が損なわれるまでの期間と考えるのが適切です.

トリプルガラスの窓はどのくらいで劣化しますか?

前述の通り、トリプルガラスの寿命は中空層の気密性が保たれる期間に左右されますが、その劣化速度は様々な要因によって変わってきます。製品自体の性能だけでなく、住まいの環境や使い方によって、劣化が早まる可能性があることを理解しておくことが大切です。

劣化を促進する主な要因には、以下のようなものが挙げられます。

紫外線や風雨による影響

窓は常に紫外線や風雨に晒されています。特に日当たりの良い南向きや西向きの窓は、紫外線によるシール材へのダメージが大きくなり、劣化を早める一因となります。

施工の品質

窓の性能を最大限に引き出し、長持ちさせるには、正確な施工が不可欠です。サッシが歪んで取り付けられたり、防水処理が不十分だったりすると、窓に不要な負荷がかかり、シール材の劣化を早める原因になりかねません。

日常的な使い方と窓への負荷

窓の開け閉めによる振動や衝撃も、長年の積み重ねでシール材にダメージを与えます。また、ガラス自体の重みも常にサッシやシール材に負荷をかけています。

地震などの自然災害

大きな地震の揺れは、建物全体に歪みを生じさせることがあります。この歪みが窓枠に影響を与え、シール材に亀裂が入ったり、気密性を損なわせたりする可能性があります。

これらの要因が複合的に絡み合うことで、メーカーが想定する寿命よりも早く劣化が進むことがあります。定期的な点検や適切なメンテナンスが、トリプルガラスの性能を長く維持するためには欠かせません。

日本国内でのトリプルガラスの普及率は?

トリプルガラスの断熱性能は非常に高いものですが、日本全国で見るとその普及率はまだ限定的です。特に、窓のフレーム(サッシ)の材質と合わせて考える必要があります。

日本の住宅窓のサッシは、長らくアルミ製が主流でした。しかし、アルミは熱を非常に伝えやすい(熱伝導率が高い)ため、いくらガラス部分の性能を上げても、サッシ部分から熱が逃げて結露が発生しやすいという弱点があります。

近年、この問題点を解決するために、断熱性能が高い「樹脂サッシ」の普及が進んでいます。樹脂の熱伝導率はアルミの約1000分の1であり、窓全体の断熱性能を大きく向上させます。世界的に見ると、韓国や欧米の多くの国で樹脂サッシの普及率が60%を超え、スタンダードとなっています。

一方、日本における樹脂サッシの普及率は、2022年度のデータで約30%程度に留まっています。トリプルガラスは、その高い性能を最大限に活かすために樹脂サッシと組み合わせて採用されることが多いため、トリプルガラス自体の普及率も、樹脂サッシの普及率と連動して、まだ発展途上にあると言える状況です。特に、比較的温暖な地域では、オーバースペックと捉えられ、コストバランスに優れたペアガラスが依然として主流となっています。

本当にトリプルガラスはいらない?ハウスメーカー比較検討!

本当にトリプルガラスはいらない?ハウスメーカー比較検討!

ここまでトリプルガラスのデメリットを中心に見てきましたが、もちろん高い断熱性能など、多くのメリットがあるのも事実です。

ここでは視点を変え、他の選択肢と比較しながら、どのような場合にトリプルガラスが有効なのか、客観的に分析していきます。

  • ペアガラスと複層ガラスの定義と違い
  • 期待できる防犯・防音効果を解説
  • ペアガラスかトリプルガラスどっちにすべきか
  • トリプルガラス標準のハウスメーカーはどこ?

ペアガラスと複層ガラスの定義と違い

窓ガラスの種類を調べていると、「ペアガラス」と「複層ガラス」という言葉が出てきて、混乱することがあるかもしれません。この二つの言葉の違いを正確に理解しておきましょう。

結論から言うと、「複層ガラス」とは、2枚以上のガラスを組み合わせて、その間に乾燥した空気やガスを封入したガラス全体の総称です。つまり、ガラスが複数枚あれば、それはすべて複層ガラスに分類されます。

一方で、「ペアガラス」という言葉は、複層ガラスの中でも特にガラスが2枚で構成されているタイプを指す、一般的な呼称(商品名)として広く使われています。

したがって、関係性を整理すると以下のようになります。

  • 複層ガラス:2枚以上のガラスで構成されるガラスの総称。
    • ペアガラス:ガラスが2枚の複層ガラスのこと。
    • トリプルガラス:ガラスが3枚の複層ガラスのこと。

つまり、トリプルガラスも複層ガラスの一種ということになります。ハウスメーカーやリフォーム会社の担当者と話す際には、「複層ガラス」が2枚ガラスを指しているのか、3枚ガラスを含めた総称として使っているのかを確認すると、認識のズレを防ぐことができます。

期待できる防犯・防音効果を解説

トリプルガラスはガラスが3枚あるため、防犯や防音の面でも効果が高いと期待されがちです。しかし、この点については正しく理解しておく必要があります。

防音効果について

防音性能については、ガラスの枚数が増えることで、ある程度の効果向上が期待できます。ガラスと空気層が音の振動を減衰させるため、特に高音域の音に対しては効果を発揮しやすいです。車の走行音や人の話し声といった外部の騒音を軽減し、室内をより静かな環境に保つ助けになります。ただし、低音域の重低音など、すべての音を完全にシャットアウトできるわけではありません。それでも、単層ガラスや一般的なペアガラスと比較すれば、優れた遮音性を持つと言えます。

防犯効果について

一方、防犯性能については、ガラスが3枚あるからといって、単純に「泥棒に破られにくい」とは言えません。一般的なトリプルガラスは、あくまで断熱性能を主目的として設計されており、ガラス自体の強度は通常のガラスと大差ないため、工具を使えば比較的容易に破壊できてしまいます。

本当に高い防犯性能を求めるのであれば、ガラスの枚数ではなく、ガラスの種類にこだわる必要があります。「防犯合わせガラス」と呼ばれる、2枚のガラスの間に特殊な樹脂膜を挟んだタイプのガラスを選ばなくてはなりません。このガラスは、衝撃を受けてもガラスが飛散しにくく、穴が開きにくいため、侵入に時間がかかり、防犯上非常に有効です。この防犯合わせガラスをトリプルガラスに組み込むことも可能ですが、当然ながら費用はさらに高額になります。

ペアガラスかトリプルガラスどっちにすべきか

ペアガラスとトリプルガラス、どちらを選ぶべきかという問いは、家を建てる多くの方が悩むポイントです。この選択に絶対的な正解はなく、住む人の価値観や住環境、そして予算によって最適な答えは変わります。

判断の基準となる主な比較ポイントを表にまとめました。

項目 ペアガラス(複層ガラス) トリプルガラス
断熱性能 (U値) 良い (例: 1.3 W/m²・K程度) 非常に良い (例: 0.8 W/m²・K程度)
初期費用 標準的 高い(ペアガラスの1.5~2倍)
重量 標準的 重い(ペアガラスの約1.5倍)
防音性能 ある程度の効果あり ペアガラスより高い効果が期待できる
結露のしにくさ しにくい 非常にしにくい
推奨される地域 全国(特に温暖な地域) 寒冷地、準寒冷地

 

判断のポイント

  1. 地域性(断熱の必要性)北海道や東北などの寒冷地、あるいは冬の寒さが厳しい内陸部にお住まいで、暖房費を少しでも抑え、快適な冬を過ごしたいと考えるなら、トリプルガラスの高い断熱性能は大きなメリットになります。一方、比較的温暖な地域では、ペアガラスでも十分な断熱性能を発揮できるため、トリプルガラスはオーバースペックとなり、費用対効果が見合わない可能性があります。
  2. 予算と費用対効果前述の通り、トリプルガラスは初期費用が高額です。その差額を光熱費の削減で回収するには長い年月を要します。予算に限りがある場合、窓の性能だけにコストを集中させるのではなく、壁の断熱材のグレードを上げる、高性能な換気システムを導入するなど、家全体の断熱性能をバランス良く高める方が、結果的に快適でコストパフォーマンスの高い家になることもあります。
  3. ライフスタイルと価値観日々の窓の開け閉めを頻繁に行うか、窓からの眺望を重視するか、あるいは室内の静けさを何よりも大切にするかなど、個人のライフスタイルも選択の基準です。重い窓の開閉がストレスに感じるならペアガラスが、多少重くても最高の断熱性と静粛性を求めるならトリプルガラスが、あなたの価値観に合っていると言えるかもしれません。

最終的には、これらの要素を総合的に検討し、専門家であるハウスメーカーや工務店の担当者とよく相談した上で、ご自身の家づくりに最もふさわしい選択をすることが大切です。

トリプルガラス標準のハウスメーカーはどこ?

高い断熱性能を自社の強みとしているハウスメーカーの中には、トリプルガラスを標準仕様として採用しているところがあります。特に、高気密・高断熱を追求するメーカーや、北欧など寒い地域の住宅をベースにした輸入住宅メーカーにその傾向が見られます。

以下に、トリプルガラスを標準仕様(または主力商品で標準)としている代表的なハウスメーカーを挙げます。

ハウスメーカー名 主な商品・シリーズ 標準仕様の窓(ガラス/サッシ) 特徴
一条工務店 i-smart, i-cube 防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ 業界トップクラスの断熱性能を誇り、自社グループで窓を生産している。
スウェーデンハウス 全般 木製サッシ3層ガラス窓 北欧の厳しい環境で培われた技術を活かし、木製サッシとの組み合わせで高い性能を実現。
住友不動産 ウッドパネルセンチュリー トリプルガラス樹脂サッシ デザイン性の高さに加え、上位モデルでは高い断熱性能も追求している。
アイフルホーム セシボ零(LIXIL製品) トリプルガラス樹脂サッシ ローコスト帯でありながら、上位商品では非常に高い断熱仕様を選択できる。

 

注意点

  • 「標準仕様」の範囲:ハウスメーカーによっては、全ての商品でトリプルガラスが標準なのではなく、特定の高性能モデルや上位シリーズに限られる場合があります。
  • オプション対応:上記のメーカー以外でも、多くのハウスメーカーではオプションとしてトリプルガラスを選択することが可能です。ただし、その場合は追加費用が当然発生します。
  • サッシの重要性:注目すべきは、これらのメーカーがトリプルガラスと合わせて、断熱性能の高い「樹脂サッシ」や「木製サッシ」を採用している点です。ガラスの性能を最大限に引き出すには、サッシの性能も同等に高いことが不可欠です。

ハウスメーカーを選ぶ際には、単に「トリプルガラスが標準か」だけでなく、どのようなサッシと組み合わされているのか、そしてそれが自分の建てる家の仕様や価格にどう反映されるのかを、総合的に確認することが重要です。

トリプルガラスはいらないのか:総括

ここまで、トリプルガラスに関する様々な情報を多角的に解説してきました。

最終的に、あなたの家にとってトリプルガラスが必要か不要かを判断するためのポイントを、以下にまとめます。これらの項目を参考に、ご自身の状況や価値観と照らし合わせてみてください。

  • トリプルガラスの主なデメリットは「高価」「重い」「将来のメンテナンス費用」の3点
  • 初期費用はペアガラスの1.5倍から2倍程度が目安
  • 大きな掃き出し窓は非常に重くなり、日々の開閉が負担になる可能性がある
  • 将来の体力的な変化を考慮し、家族全員が楽に使えるか検討することが大切
  • ガラスが割れた際の交換費用は、ペアガラスよりも高額になる
  • ガラスを固定するシール材やパッキンは経年劣化し、約10~20年でメンテナンスが必要になる場合がある
  • 複層ガラスの寿命とは、ガラス自体ではなく中空層の気密性が失われること
  • メーカーの製品保証は10年が一般的
  • 高い断熱性能は、特に北海道や東北などの寒冷地で大きなメリットを発揮する
  • 温暖な地域では、ペアガラスでも十分快適な場合が多く、オーバースペックになる可能性も
  • 防音性能はペアガラスより高い効果が期待できる
  • 防犯性能を本当に高めるには、ガラスの枚数ではなく「防犯合わせガラス」の採用が必要
  • 一条工務店やスウェーデンハウスなど、高断熱を強みとする一部メーカーでは標準採用されている
  • トリプルガラスの性能を活かすには、熱を伝えにくい「樹脂サッシ」との組み合わせが必須
  • 予算、地域性、ライフスタイルを総合的に考慮し、費用対効果を見極めることが後悔しないための鍵

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