内窓にすりガラスを設置して、部屋の断熱性を高めたりプライバシーを確保したりしたいと考えているものの、デメリットはないかと不安に感じていませんか。
特に、すりガラスのデメリットとは具体的に何か、また本当にすりガラスは断熱効果があるのか、といった点は誰もが気になるポイントです。マンションでの二重窓の後悔や、内窓後悔ブログで語られる失敗談を見ると、さらに決断を迷ってしまうかもしれません。
この記事では、そもそも二重窓は外から見えないのか、二重窓にカーテンはいらないのか、あるいは二重窓にもカーテンが必要な場合はあるのか、といった内窓のカーテンどうする問題まで、あらゆる疑問に答えていきます。
さらに、和室の内窓にすりガラスを設置する際の注意点、リクシルのようなメーカーが提供する外から見えない窓の選択肢、開閉が不要な場所での内窓fixの活用法も解説します。
内窓のすりガラスの種類や気になる内窓の値段、活用できる補助金制度についても網羅し、あなたの最適な窓リフォームをサポートします。
- すりガラスが持つ特有のデメリットと具体的な対策
- 内窓を設置した後のカーテンの必要性と対処法
- すりガラスの種類や費用、活用できる補助金に関する知識
- マンションや和室など場所別に後悔しないための選び方
目次
内窓すりガラスのデメリット
- すりガラスのデメリットは?基礎知識
- すりガラスは断熱効果がある?性能を解説
- 内窓後悔ブログとマンション二重窓後悔の事例
- 和室の内窓すりガラスを付ける際のポイント
- リクシルなら二重窓は外から見えないのか
すりガラスのデメリットは?基礎知識
すりガラスの内窓を検討する上で、まず理解しておくべきデメリットがいくつか存在します。
最も代表的なのは、ガラス表面の凹凸が原因で汚れが付着しやすく、一度汚れると掃除がしにくい点です。透明なガラスであればサッと拭き取れる汚れも、すりガラスの場合は凹凸に入り込んでしまい、きれいにするのに手間がかかることがあります。
また、すりガラスは乾いている状態では視線を遮りますが、水に濡れると透明度が増し、向こう側が透けて見えやすくなる性質を持っています。
このため、浴室やキッチン周りなど、水がかかる可能性のある場所への設置には注意が必要です。
さらに、光の透過性にも特徴があります。すりガラスは光を拡散させて室内を柔らかい光で満たす一方、透明ガラスのようにクリアな視界は得られません。
窓からの景色を楽しみたい部屋や、開放感を重視する空間には不向きな場合があります。これらの基本的なデメリットを理解した上で、設置場所や用途に適しているかを判断することが、後悔しないための第一歩となります。
すりガラスは断熱効果がある?性能を解説
「すりガラスにすれば断熱効果が高まる」というイメージがあるかもしれませんが、ガラス自体の断熱性能は、すりガラスか透明ガラスかという表面加工の違いで大きく変わるわけではありません。したがって、単板のすりガラスを設置しただけでは、期待するほどの断熱効果は得られない可能性があります。
内窓(二重窓)における断熱性の鍵を握るのは、既存の窓と新しく設置した内窓との間に生まれる「空気層」です。この空気層が熱の伝わりを抑制する緩衝材の役割を果たし、部屋の断熱性能を向上させます。つまり、すりガラスであること自体が断熱性を高めるのではなく、内窓を設置するという行為そのものが断熱につながるのです。
より高い断熱効果を求めるのであれば、ガラスの種類に注目するのが賢明です。例えば、2枚のガラスの間に乾燥空気やアルゴンガスが封入された「複層ガラス(ペアガラス)」や、ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」を選ぶと、断熱性能は飛躍的に向上します。すりガラスというデザイン性だけでなく、ガラスの構造にも目を向けることで、より快適な室内環境を実現できます。
内窓後悔ブログとマンション二重窓後悔の事例
実際に内窓を設置した方の体験談、特に「内窓後悔ブログ」や「マンション二重窓後悔」といったキーワードで見られる事例には、検討段階では気づきにくいデメリットが数多く語られています。
まず、窓の開け閉めが2回必要になるという手間です。毎日の換気やベランダへの出入りで、これまで1回で済んでいた動作が倍になるため、特に大きな掃き出し窓では面倒に感じることがあるようです。また、内窓のレールが床面に追加されることで、掃除の際にゴミが引っかかったり、段差が気になったりするという意見も見られます。
マンションの場合、気密性や防音性が高まりすぎるという、思わぬデメリットも挙げられます。外の音がほとんど聞こえなくなるため、急な雨の音に気づかず洗濯物を取り込みそびれたり、来客のインターホンが聞こえにくくなったりすることがあるのです。
さらに、出窓に設置した場合、窓の手前にフレームが来るため、これまでのように物を飾るスペースがなくなったり、部屋が少し狭く感じられたりすることもあります。これらのリアルな後悔事例を事前に知っておくことで、ご自身のライフスタイルと照らし合わせ、許容できるデメリットかどうかを判断する材料になります。
和室の内窓すりガラスを付ける際のポイント
和室の趣を保ちながら断熱性や防音性を高めたい場合、内窓の設置は非常に有効な手段です。しかし、和室ならではの注意点がいくつかあります。
一つは、既存の窓のクレセント(鍵)との干渉です。内窓を設置する際、外側の窓のクレセントが出っ張っていると、内窓のフレームにぶつかってしまい、スムーズに開閉できなくなることがあります。この場合、クレセントを平たいタイプのものに交換したり、干渉しない位置にずらしたりする追加工事が必要になる可能性があります。
デザインの選択も重要なポイントです。和室の雰囲気を壊さないためには、単なるすりガラスではなく、和紙のような風合いを持つ「和紙調ガラス」や、縦横に格子が入った「組子付き」のデザインを選ぶのがおすすめです。これにより、従来の障子のような見た目を再現しつつ、現代の住宅に求められる高い機能性を両立させられます。
障子から内窓へ変更することで、紙の張り替えが不要になり、掃除も楽になるというメリットもあります。多少の使い勝手の変化はありますが、冬の寒さ対策や結露防止といった恩恵は非常に大きく、和室をより快適な空間に変えることができるでしょう。
リクシルなら二重窓は外から見えないのか
「二重窓にすれば外から見えなくなる」と期待される方も多いですが、これはガラスの選び方次第です。例えば、大手メーカーのリクシルが提供する内窓「インプラス」では、様々な種類のガラスを選択でき、それぞれで見え方が異なります。
外からの視線を遮るガラスの種類
リクシルのインプラスなどで選択可能な、プライバシー保護に有効なガラスには主に以下のようなものがあります。
- 型板ガラス: ガラスの片面に凹凸模様をつけたもので、光を取り入れつつ視線を遮ります。シルエットはぼんやりと映りますが、室内の様子を明確に把握することは困難です。
- すり板調ガラス(フロストガラス): サンドブラスト加工などで表面を均一に粗くしたガラスです。型板ガラスよりもさらにプライバシー保護効果が高く、人影もほとんどわかりません。ただし、夜間に室内が明るい場合は、ある程度シルエットが映ることがあります。
透明ガラスでは効果が薄い
もちろん、透明なガラスを内外の窓で組み合わせた場合、断熱性や防音性は向上しますが、視線を遮る効果は全くありません。二重窓にする目的がプライバシーの確保であるならば、上記のような不透明なガラスを選択することが不可欠です。
リクシルやYKK APといった主要メーカーでは、ショールームで実際のガラスサンプルを確認できます。どの程度の「見えなさ」を求めるのか、ご自身の目で確かめてから選ぶのが最も確実な方法と言えるでしょう。
内窓すりガラスのデメリットを解消する知識
- 二重窓はカーテンいらない?内窓カーテンどうする
- 二重窓にもカーテンが必要な場合は?を解説
- 内窓のすりガラスの種類と上手な選び方
- 開閉しないなら内窓fixという選択肢も
- 内窓の値段の目安と補助金について
二重窓はカーテンいらない?内窓カーテンどうする
「二重窓にすればカーテンはいらないのでは?」と考える方は少なくありません。確かに、すりガラスや型板ガラスを選べば日中のプライバシーは確保でき、断熱性も向上します。しかし、多くの場合、内窓設置後もカーテンは必要になるというのが実情です。
夜間になると、室内の照明によって外から人影がはっきりと見えてしまうことがあります。すりガラスでもシルエットは映るため、道路に面した窓や隣家と距離が近い窓では、カーテンがないと落ち着かないと感じるでしょう。この「内窓カーテンどうする」問題は、設置前に考えておくべき重要なポイントです。
また、内窓を設置する際に「ふかし枠」という部材を使って窓枠の奥行きを広げた場合、既存のカーテンレールが使えなくなり、さらに室内側にレールを移設する必要が出てくるケースもあります。その結果、カーテンが室内に出っ張り、部屋が狭く感じられる可能性も考慮しなくてはなりません。内窓の設置は、カーテンとの関係性も踏まえて計画することが大切です。
二重窓にもカーテンが必要な場合は?
前述の通り、多くの場合で内窓とカーテンの併用が推奨されますが、特にカーテンが必要となる具体的なケースについて解説します。
第一に、プライバシー保護を万全にしたい場合です。夜間のシルエット問題に加え、階層の低い住宅や人通りの多い場所に面した窓では、カーテンによる物理的な目隠しがある方が安心して過ごせます。
第二に、強い日差しを和らげたい場合です。特に西日が差し込む部屋では、内窓だけでは眩しさを十分に防げません。遮光カーテンを併用することで、日差しをコントロールし、室内の温度上昇や家具・床の日焼けを防ぐ効果が期待できます。
第三に、断熱・遮熱・防音効果をさらに高めたい場合です。内窓と既存窓の間の空気層に加え、内窓とカーテンの間にもう一つの空気層が生まれます。この「三重の空気層」が、熱の出入りや音の伝わりをより強力にブロックし、冷暖房の効率をさらに高め、静かな室内環境を実現するのに役立ちます。
これらの点を考慮すると、内窓を設置した後も、多くの状況でカーテンが快適な暮らしを支える重要な役割を担うことがわかります。
内窓のすりガラスの種類と上手な選び方
「すりガラス」と一括りにされがちですが、プライバシー保護を目的とした不透明ガラスにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。用途や設置場所に合わせて適切に選ぶことが、満足度を高める鍵となります。
ガラスの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
すりガラス | 砂を吹き付けて表面に細かな凹凸をつけたガラス。 | ・光を柔らかく拡散させる ・比較的安価 |
・水に濡れると透けやすい ・凹凸に汚れがたまりやすい |
フロストガラス | すりガラスを化学処理し、表面を滑らかにしたもの。 | ・汚れが付きにくく、掃除が容易 ・濡れても透けにくい ・きめ細かく上品な質感 |
・すりガラスより価格が高い傾向にある |
型板ガラス | ロールで模様をつけたガラス。霞(かすみ)柄が一般的。 | ・デザイン性がある ・光を適度に通す |
・模様の凹凸側に汚れがたまりやすい ・フロストガラスよりは視認性が高い |
和紙調ガラス | 和紙の風合いを再現したガラス。 | ・和室の雰囲気に非常によく合う ・高い目隠し効果 |
・デザイン性が高いため、価格も高めになる |
上手な選び方のポイントは、「どの程度の目隠しが必要か」と「掃除のしやすさ」を天秤にかけることです。
例えば、人目にあまり触れない窓であればコストを抑えてすりガラスや型板ガラスを、リビングや浴室など見た目やメンテナンス性を重視する場所ではフロストガラスを選ぶといった使い分けが考えられます。
開閉しないなら内窓fixという選択肢も
採光や眺望のためだけで、開閉による換気の必要がない窓、いわゆる「はめ殺し窓」には、「FIX(フィックス)窓」という選択肢が非常に有効です。FIX窓とは、開閉機構を持たない固定式の窓のことを指します。
内窓をFIXタイプにすることで、いくつかのメリットが生まれます。まず、開閉のためのフレームや可動部品が不要になるため、通常の引き違い窓などよりも気密性や断熱性、防音性を高めることができます。隙間が少なくなるため、エネルギー効率の向上に大きく貢献します。
次に、コストを抑えられる点も魅力です。複雑な部品が少ない分、製品価格が安くなる傾向にあり、リフォーム費用を節約したい場合に適しています。
デザイン面では、フレームが少なくガラス面が広くなるため、非常にすっきりとしたモダンな印象を与えます。ただし、当然ながら換気は一切できなくなるため、風通しを確保したい部屋には向きません。また、外側の窓の掃除がしにくくなるというデメリットも考慮する必要があります。換気の必要がない小窓や、デザイン性を優先したい箇所に、内窓FIXを検討するのは賢い選択と言えるでしょう。
内窓の値段の目安と補助金について
内窓の設置費用は、窓のサイズ、ガラスの種類、そして選択するグレードによって大きく変動します。
一般的な腰高窓(幅165cm×高さ110cm程度)の場合、工事費込みで約6万円から15万円程度が目安となりますが、高性能なLow-E複層ガラスなどを選ぶと価格は上がります。
先進的窓リノベ2024事業の活用
現在、国は省エネリフォームを推進するため「先進的窓リノベ2024事業」という大規模な補助金制度を実施しています。これは、内窓の設置や外窓の交換など、断熱性能の高い窓リフォームに対して費用の一部を補助するものです。
この補助金制度で重要なのは、窓の性能に応じて「SS」「S」「A」といったグレードが設定されており、グレードが高いほど補助額が大きくなる点です。注目すべきは、2025年がこの大型補助金の最終年となる可能性が高いことです。予算がなくなり次第終了となるため、検討している方は早めの行動が推奨されます。
グレード選びの注意点
リフォーム業者によっては、価格を安く見せるために補助額の少ない「Aグレード」で見積もりを提示することがあります。しかし、少し費用を追加して「Sグレード」以上の製品を選ぶと、補助額が大幅に増えるため、結果的に自己負担額はAグレードの場合より安くなるケースが少なくありません。
見積もりを取る際は、必ず複数のグレードで見積もりを依頼し、補助金を適用した後の実質的な負担額で比較検討することが、賢くリフォームを行うための非常に大切なポイントです。
内窓すりガラスのデメリットや後悔しないために:総括
この記事では、内窓にすりガラスを設置する際のデメリットから、後悔しないための具体的な知識までを多角的に解説しました。最後に、重要なポイントを一覧でまとめます。
- すりガラスは汚れやすく掃除に手間がかかることがある
- 水に濡れると透明度が増し、視線を遮る効果が弱まる
- ガラス自体の断熱性能は限定的で、空気層が重要
- より高い断熱性を求めるなら複層ガラスやLow-Eガラスを選ぶ
- 窓の開閉が2回になり、毎日の動作が面倒に感じることがある
- 内窓のレールが追加され、床の段差や掃除の手間が増える
- 防音性が高すぎて、外の雨音や来客に気づきにくい場合がある
- 出窓に設置すると、物を置くスペースが失われ狭く感じることも
- 和室では既存の鍵(クレセント)が内窓に干渉しないか確認が必要
- 夜間は室内の照明でシルエットが外から見えるため、カーテンは有効
- 強い西日対策や、さらなる断熱・防音性向上のためにもカーテンは役立つ
- プライバシー保護目的のガラスにはフロストガラスや型板ガラスなど種類がある
- 換気不要の窓は、気密性が高く安価なFIX窓も良い選択肢
- 内窓の価格はガラスの種類やサイズで変動し、補助金の活用が鍵
- 補助金はSグレード以上を選ぶと自己負担額が安くなるケースが多い
- 2025年が大型補助金の最終年になる可能性があり、早めの検討が推奨される