冬の寒さ対策や結露防止、あるいは防音対策として内窓(二重窓)の設置を検討する際、導入コストを抑えるために「単板ガラスで十分ではないか」と考える方は非常に多くいらっしゃいます。単板ガラスは構造がシンプルで安価であるため、初期費用を抑えたい場合には魅力的な選択肢に見えるからです。
しかし、単板ガラスの性能や効果を正しく理解せずに選んでしまうと、期待していた断熱性能の地域や区分の目安を満たせず、設置後も冬場の底冷えや窓辺の結露に悩み続けることになるかもしれません。
また、より高性能な複層ガラスやペアガラスが必要な場合と比較して、目先の価格差や費用相場(単板 vs 複層)だけで判断してしまうと、長期的な光熱費の節約シミュレーションにおいて、結果的に損をしてしまう可能性すらあります。
この記事では、単板ガラスで十分なケースや、逆に単板ガラスで後悔する、あるいは失敗だと感じるケースについて、プロの視点から具体的に解説します。ガラスの厚さ(3mm・5mm)の選び方やサッシの種類に関する基礎知識、さらには単板ガラスの防音効果の限界についても詳しく触れていきます。
特に注意が必要なのが、補助金や助成金の対象外リスクがあるので注意が必要な点です。内窓を一部だけ設置する場合の考え方も含め、あなたが後悔のない最適な選択をするための情報をお届けします。
内窓は単板ガラスで十分?効果と性能の真実
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- 単板ガラスの性能や効果の現実を知る
- 限定的な単板ガラスの防音効果
- 結露で後悔?単板ガラスで失敗だと感じるケース
- 補助金・助成金の対象外リスクがあるので注意
- 内窓を一部だけ設置等、単板ガラスで十分なケース
内窓は単板ガラスで十分?後悔しないための最終判断基準
ここまで内窓のガラス選びについて詳しく解説してきましたが、結局のところ「我が家の場合、内窓は単板ガラスで十分なのか、それとも複層ガラスにすべきなのか」という点こそが、最も知りたい結論ではないでしょうか。
プロとしての正直な回答は、「防音目的や温暖な地域での使用なら十分な場合もあるが、寒さ対策や結露防止を期待するなら単板ガラスでは不十分なケースが多い」となります。
安易に「安いから」という理由だけで単板ガラスを選んでしまい、設置後に「思ったほど暖かくない」「内窓自体が結露して掃除が大変」と後悔するのを防ぐため、以下の判断基準を参考にしてください。
単板ガラスでも「十分」と言えるケース
- 目的が「防音」のみである場合:寒さは気にしておらず、外の話し声などを軽減したいだけなら、厚みのある単板ガラス(5mm以上)で十分な効果が得られます。
- 冬でも氷点下にならない温暖な地域の場合:九州南部や太平洋沿岸部など、冬場の冷え込みが厳しくない地域であれば、単板ガラスによる二重窓化(空気層の断熱効果)だけで快適になります。
- とにかく初期費用を最安に抑えたい場合:補助金を申請する予定がなく、工事費をとにかく安く済ませたい場合は選択肢に入ります。
単板ガラスでは「不十分(後悔する可能性大)」なケース
- 目的が「結露防止」や「寒さ対策」である場合:単板ガラス自体は冷えやすいため、外気温が下がると内窓の室内側に結露が発生します。断熱効果も複層ガラスの半分程度にとどまります。
- 「先進的窓リノベ事業」などの補助金を使いたい場合:多くの大型補助金制度では、高い断熱性能(Low-E複層ガラス等)が要件となっており、単板ガラスは対象外となることがほとんどです。
- 長期的な光熱費を節約したい場合:冷暖房効率を上げて電気代やガス代を減らしたいなら、断熱性能が高い複層ガラス以上でないと効果は限定的です。
結論として、「内窓は単板ガラスで十分か?」という問いに対しては、「ご自宅の環境と予算、そして何より『何を解決したいか』による」というのが真実です。
しかし、迷った場合は、将来的な快適性と資産価値、そして補助金のメリットを考慮して、複層ガラス(特にLow-Eタイプ)を選んでおくのが最も失敗の少ない選択と言えるでしょう。
単板ガラスの性能や効果の現実を知る
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内窓リフォームにおいて、最も安価な選択肢である単板ガラスですが、その性能については正しい理解が必要です。単板ガラスとは、その名の通り1枚のガラスのみで構成されているものを指します。一般的に3mmから5mm程度の厚さが住宅用として用いられています。
内窓として設置した場合、既存の外窓と内窓の間に新たな「空気層」が生まれます。空気は熱を伝えにくい性質を持っているため、この空気層が断熱材のような役割を果たし、窓が1枚だけの状態よりは確実に断熱性が向上します。
しかし、ここで重要なのは「ガラスそのものの断熱性能」です。単板ガラス自体には断熱性能がほとんどありません。そのため、外気の冷たさはガラスを通して室内に伝わりやすく、2枚のガラスの間に空気層やガス層を持つ複層ガラス(ペアガラス)と比較すると、その断熱効果は限定的と言わざるを得ません。
板硝子協会などが公表しているデータを見ても、単板ガラスの熱貫流率(熱の伝えやすさを表す数値)は、複層ガラスやLow-E複層ガラスに比べて非常に高く、熱を逃がしやすいことがわかります。
ポイント
単板ガラスの内窓は「窓が二重になることによる空気層」での断熱効果はありますが、ガラスそのものの断熱性能は低いため、過度な期待は禁物です。特に寒冷地や断熱性を重視するリフォームでは力不足となることが一般的です。
詳細なガラスの性能比較については、業界団体のデータも参考にしてください。
限定的な単板ガラスの防音効果
防音対策として内窓を検討している場合、単板ガラスでも一定の効果は期待できます。音は空気の振動を通して伝わるため、窓を二重にして気密性を高めることで、隙間から入ってくる騒音を物理的に遮断できるからです。多くの内窓製品は気密性が高い樹脂サッシを採用しているため、設置するだけで外の音が聞こえにくくなるのを実感できるでしょう。
特に、人の話し声、犬の鳴き声、遠くのチャイムといった「中高音域」の騒音に対しては、単板ガラスの内窓でも十分な軽減効果を感じられることが多いとされています。ガラスの厚みを3mmではなく5mmにすることで質量を増やし、さらに遮音性を高めることも可能です。
しかし、すべての音に対して万能ではありません。ガラスは「コインシデンス効果」と呼ばれる現象により、特定の周波数で遮音性能が低下する性質があります。また、重低音は物質を振動させて伝わるため、薄い単板ガラスでは防ぎきれないことが多いのです。
注意点:低音域の防音は苦手
大型トラックの走行音、電車の通過音、工事現場の重低音など、地面や建物を振動させるような低い音に対しては、単板ガラスでは防音効果が薄い傾向にあります。本格的な防音を目指す場合は、防音合わせガラスなどの専用ガラスが必要です。
結露で後悔?単板ガラスで失敗だと感じるケース
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「内窓をつければ結露が完全になくなる」と期待して単板ガラスを選んだ結果、後悔するケースは少なくありません。前述の通り、単板ガラス自体は外気の影響をダイレクトに受けやすく、表面温度が下がりやすい性質を持っています。
既存の外窓(アルミサッシ+単板ガラスなど)の結露はある程度軽減されることが多いですが、今度は新しく設置した内窓のガラス表面(室内側)に結露が発生してしまうことがあるのです。
これは、室内の暖かい空気が、冷え切った単板ガラスに触れることで急激に冷やされ、空気中の水蒸気が水滴に変わるためです。
特に以下のような環境では、単板ガラスの内窓では結露を防ぎきれない可能性が高いといえます。
- 外気温が氷点下になるような寒冷地(北海道、東北、北陸、甲信越など)
- 加湿器を常時使用している部屋や、洗濯物の部屋干しをする部屋
- 北向きで日当たりが悪く、湿気がこもりやすい寝室やクローゼット
- 石油ファンヒーターやガスファンヒーターなど、燃焼時に水蒸気を発生させる暖房器具を使用している場合
「せっかく内窓をつけたのに、毎朝ガラスを拭く手間が変わらなかった…」とならないよう、結露対策を最優先にするなら、ガラス表面温度が下がりにくい複層ガラスやLow-E複層ガラスを検討するのが賢明ですよ。
補助金・助成金の対象外リスクがあるので注意
内窓リフォームをお得に行うために欠かせないのが、国や自治体による補助金制度です。近年では、カーボンニュートラル実現に向けて、環境省などが主導する「先進的窓リノベ事業」などの大型補助金が非常に人気を集めています。
しかし、ここで強く注意すべきなのが「ガラスの性能要件」です。多くの補助金制度では、高い省エネ効果が見込める「一定以上の断熱性能(熱貫流率 Uw値)」を持つ窓が補助の対象となります。一般的に、単板ガラスを使用した内窓は断熱性能が低く、この基準に達しないことが多いため、補助金の対象外となるケースがほとんどです。
| ガラスの種類 | 補助金対象の可能性 | 備考 |
|---|---|---|
| 単板ガラス | ×(ほぼ対象外) | 断熱性能(熱貫流率)が低いため、国の大型補助金基準を満たさないことが多い。 |
| 一般複層ガラス | △(要確認) | 制度や製品によっては対象となる場合があるが、補助額のグレードは低くなる傾向。 |
| Low-E複層ガラス | ◎(高確率で対象) | 高い断熱性能を持つため、多くの制度で対象となり、補助額も高額になりやすい。 |
「初期費用が安いから」という理由だけで単板ガラスを選んだ結果、数万円から十数万円規模の補助金がもらえず、実質負担額で計算すると、高性能なLow-E複層ガラスを選んだ方が安く済んだ、という「逆転現象」が起きることも珍しくありません。必ず最新の補助金情報を確認し、シミュレーションを行うことが不可欠です。
最新の補助金対象製品や要件については、環境省の公式サイト等で確認することをお勧めします。
内窓を一部だけ設置等、単板ガラスで十分なケース
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ここまでデメリットやリスクを中心にお伝えしましたが、全てのケースにおいて単板ガラスが不向きなわけではありません。
使用目的が明確で、設置環境が適している場合に限り、単板ガラスでも十分満足できるケースは存在します。
単板ガラスがおすすめなケース
- 目的が「防音」のみである場合:断熱性を全く求めておらず、外からの話し声などを少しでも小さくしたい場合は、厚めの単板ガラス(5mmなど)がコストパフォーマンスに優れています。
- 温暖な地域に住んでいる場合:冬でも氷点下にならず、現状でも結露がほとんど発生しない温暖な地域(九州南部や太平洋側の平野部の一部など)であれば、単板ガラスによる二重窓化の効果(空気層による断熱)だけで十分に快適性が向上します。
- 日当たりの良い部屋や、使用頻度の低い部屋:北側のトイレや浴室、寝室ではなく、日中日差しが入って暖かく過ごせる南向きのリビングや、普段人が居ない物置部屋などであれば、高価な断熱ガラスを入れる必要性は低くなります。
- 一部の窓だけお試しで設置する場合:まずは1箇所だけ設置して効果を確認したい場合など、予算を最小限に抑えたい時には有力な選択肢です。
内窓は単板ガラスで十分とは限らない!選び方と費用
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- 断熱性能の地域や区分の目安を知ろう
- 快適さを求めて複層ガラス・ペアガラスが必要な場合
- ガラスの厚さ(3mm・5mm)の選び方の基本
- ガラスだけでなくサッシの種類も確認
- 気になる価格差・費用相場(単板 vs 複層)
- 長期的な光熱費の節約シミュレーション
- よくある質問(FAQ)をわかりやすく解説
断熱性能の地域や区分の目安を知ろう
日本は南北に長く、地域によって気候が大きく異なります。そのため、省エネ基準では全国を8つの「地域区分」に分け、それぞれの地域に適した断熱性能の基準を設けています。
内窓のガラスを選ぶ際も、自分が住んでいる地域がどの区分に該当するかを知ることが重要な判断材料となります。
- 1〜3地域(北海道、東北、北関東の一部など):
寒さが厳しいこの地域では、単板ガラスの内窓では断熱性能が圧倒的に不足します。結露対策としても、Low-E複層ガラス(断熱タイプ)以上の性能が強く推奨されます。 - 4〜5地域(北関東、甲信越、北陸など):
冬の冷え込みが厳しいため、単板ガラスでは快適性を確保するのが難しいエリアです。複層ガラス以上を選ぶのが一般的です。 - 6〜7地域(東京、大阪、名古屋、九州北部など):
比較的温暖ですが、冬場の最低気温は氷点下近くになることもあります。結露などの悩みが深い場合は複層ガラスが安心ですが、環境によっては単板ガラスでも効果を感じられる場合があります。 - 8地域(沖縄など):
断熱よりも遮熱(日射対策)が重要になるため、ガラス選びの基準が異なります。
お住まいの地域の区分や推奨される断熱性能については、公的な情報を確認してください。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「住宅の省エネポータルサイト」)
快適さを求めて複層ガラス・ペアガラスが必要な場合
「冬は暖かく、夏は涼しい」という一年を通した快適な室内環境を求めるのであれば、複層ガラス(ペアガラス)の選択が必要不可欠です。複層ガラスは2枚のガラスの間に乾燥空気やアルゴンガスなどを封入しており、単板ガラスに比べて約2倍、製品によってはそれ以上の断熱性能を持っています。
この高い断熱性能により、窓辺の「ヒヤッ」とする冷気(コールドドラフト現象)を大幅に軽減できます。また、遮熱タイプのLow-E複層ガラスを選べば、夏場の強い日差し(日射熱)を特殊な金属膜でカットし、冷房効率を高めることも可能です。単板ガラスでは防げない「夏の暑さ」対策ができるのは、複層ガラスならではの大きなメリットといえるでしょう。
ガラスの厚さ(3mm・5mm)の選び方の基本
単板ガラスを選ぶ際、厚さを3mmにするか5mmにするかで迷うことがあるかもしれません。価格差はそれほど大きくありませんが、基本的には「窓のサイズ」と「目的」に応じて選ぶのが正解です。
窓のサイズによる基準
一般的に、腰高窓のような小さな窓には3mm厚が標準的に使われます。一方で、ベランダに出るような掃き出し窓(高さ180cm以上、幅170cm以上など)のような大きな窓には、ガラス自体の強度を保つために5mm厚のガラスが推奨されます。大きな面積で薄い3mmガラスを使用すると、開閉時の風圧や衝撃でたわみやすく、最悪の場合割れてしまうリスクが高まるためです。
防音目的での選び方
防音効果を少しでも高めたい場合は、窓のサイズに関わらず5mm厚を選ぶのがおすすめです。音響学には「質量則」という法則があり、壁やガラスなどの遮蔽物は、質量(重さ)があるほど音を遮る能力が高まるという性質があります。厚いガラスの方が重くなるため、その分だけ遮音性は高くなります。
ガラスだけでなくサッシの種類も確認
内窓の性能はガラスだけで決まるわけではありません。ガラスを支える枠となる「サッシ」の素材も非常に重要です。内窓のサッシには主に「樹脂製」と「アルミ製」がありますが、断熱・結露対策を目的にするなら必ず樹脂製サッシを選んでください。
アルミは非常に熱を伝えやすい金属ですが、樹脂はアルミに比べて熱伝導率が約1000分の1と非常に低く、外気の冷たさを室内に伝えにくい素材です。
現在、大手メーカー(LIXILのインプラス、YKK APのプラマードU、大信工業のプラストなど)の内窓製品は樹脂製が標準となっています。しかし、ホームセンターなどで販売されている安価なDIYキットなどでは、断熱性の低い簡易的な素材が使われていることもあるため注意が必要です。
気になる価格差・費用相場(単板 vs 複層)
単板ガラスと複層ガラスの価格差は、内窓設置を検討する上で最も気になるポイントの一つです。
製品やサイズ、施工業者によって異なりますが、一般的な腰高窓(幅170cm×高さ120cm程度)の製品価格で比較すると、以下のような相場感となります。
| ガラス仕様 | 製品価格の目安(工事費別) | 単板との差額 |
|---|---|---|
| 単板ガラス(5mm) | 約30,000円〜45,000円 | - |
| 一般複層ガラス | 約40,000円〜60,000円 | +10,000円〜15,000円 |
| Low-E複層ガラス | 約50,000円〜75,000円 | +20,000円〜30,000円 |
上記はあくまで製品代の目安であり、これに施工費が加算されます。
一見すると単板ガラスが安く見えますが、前述の通り「補助金の有無」を考慮すると、数万円高いLow-E複層ガラスを選んだ方が、補助金で半額程度が戻ってくるため、結果的に支払う金額が安くなるケースが多々あります。見積もりを取る際は、必ず「補助金適用後の実質価格」で比較することが大切です。
長期的な光熱費の節約シミュレーション
窓の断熱性能を高めることは、毎月の光熱費削減に直結します。住宅の熱の出入りは、冬場で約50%、夏場で約70%が「窓」からと言われています。単板ガラスの内窓でも、設置前(アルミサッシ+単板ガラス)に比べれば熱の流出を抑えられますが、Low-E複層ガラスと比較するとその差は歴然です。
例えば、一般的な戸建て住宅で全ての窓を内窓リフォームした場合、Low-E複層ガラスであれば、冷暖房効率が向上し、年間数万円単位での電気代・ガス代削減が期待できるという試算もあります。単板ガラスの場合、断熱性能が低いため、その節約効果は半分程度にとどまる可能性があります。
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よくある質問(FAQ)をわかりやすく解説
最後に、内窓(二重窓)と単板ガラスに関するよくある疑問について、プロの視点からQ&A形式で解説します。設置してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、細かい疑問点もしっかり解消しておきましょう。
Q. 割れてしまったガラス部分だけを単板ガラスに交換できますか?
- A. はい、可能です。最も安価な修理方法ですが、性能向上は期待できません。
ガラスが割れた場合、同じ種類の単板ガラスに入れ替えるのが一般的で、費用も最も安く抑えられます。ただし、これはあくまで「修理」であり、断熱性や防音性の向上といった「リフォーム効果」はありません。
もし寒さや結露に悩んでいるのであれば、単なる修理ではなく、このタイミングで複層ガラスへのグレードアップや内窓の設置を検討することをお勧めします。
Q. 予算の都合で、リビングの一部だけ内窓を設置しても効果はありますか?
- A. 効果はありますが、部屋全体の断熱バランスには注意が必要です。
「まずは一番長く過ごすリビングの掃き出し窓だけ」といった部分的な設置も可能ですし、その窓付近のヒヤッとする冷気(コールドドラフト)は確実に軽減されます。しかし、同じ部屋に内窓がない窓が残っていると、そこから熱が逃げたり、逆にその窓に結露が集中したりするリスクがあります。可能な限り、1つの部屋にある窓はすべてセットで施工するのが理想的です。
Q. 単板ガラスの内窓でも、防音効果は実感できますか?
- A. 人の話し声などの中高音域には効果的ですが、重低音には不向きです。
内窓を設置することで気密性が高まるため、単板ガラスであっても「隙間から入ってくる音」は大幅にカットできます。子供の声やペットの鳴き声などは聞こえにくくなるでしょう。一方で、トラックの走行音や工事の振動音のような「重低音」はガラスを突き抜けて伝わるため、単板ガラスでは防ぎきれません。騒音の種類に合わせてガラスを選ぶ必要があります。
Q. 内窓をつければ、絶対に結露しなくなりますか?
- A. 「外窓」の結露は減りますが、「内窓」が結露する可能性があります。
内窓を設置すると、既存の外窓の結露は大幅に軽減されます。しかし、選んだ内窓が「単板ガラス」の場合、断熱性能が低いため、外気温が極端に低い日には内窓の室内側に結露が発生することがあります。「結露拭きから解放されたい」という目的であれば、単板ガラスではなく、ガラス表面が冷えにくい複層ガラスやLow-E複層ガラスを選ぶことを強く推奨します。
Q. DIYで内窓キットを取り付けるのと、業者に頼むのでは違いますか?
- A. 気密性と仕上がりに大きな差が出ます。
ホームセンターなどで簡易的な内窓キットが販売されていますが、これらは素材が簡易的(ポリカーボネートなど)であったり、採寸や取り付け精度が甘くなりやすかったりします。内窓の効果は「隙間をなくすこと(気密性)」が命です。数ミリの隙間があるだけで効果は半減してしまうため、確実な断熱・防音効果を求めるなら、プロによる正確な採寸と施工が不可欠です。
単板ガラスで十分とは言えない:まとめ
- 単板ガラスは「費用を最優先」にし、かつ補助金を使わない(使えない)場合の選択肢として考えるべき
- 「結露を止めたい」「冬の寒さを劇的に変えたい」という強い要望があるなら、単板ガラスでは力不足
- 防音効果は話し声などの中高音域なら期待できるが、電車やトラックなどの重低音には不向き
- ガラスの厚さは、小窓なら3mm、掃き出し窓や防音向上目的なら5mmを選ぶのが基本
- 補助金制度(先進的窓リノベ事業など)を活用する場合、単板ガラスは対象外となるリスクが高い
- 実質負担額では、高額な補助金が出る複層ガラス(Low-E)の方が、単板ガラスより安くなる「逆転現象」に注意
- 断熱性能が高いガラスを選ぶほど、将来的な光熱費の節約効果も大きくなり、トータルでお得になる
- 内窓の枠(サッシ)は、断熱性の高い樹脂製を選ぶことが大前提
- 温暖な地域や、日当たりの良い南向きの部屋であれば、単板ガラスでも十分な効果を感じられるケースはある
- 長期的な居住快適性や健康を求めるなら、Low-E複層ガラスが最も推奨される選択肢
- 単板ガラスでも、内窓がない状態に比べれば空気層の効果により一定の断熱・防音効果は確実にある
- 失敗しないためには、目先の価格だけでなく「自分が解決したい悩み(寒さ、結露、音)」に合致するかで選ぶ
- 見積もりの際は、必ず「補助金適用後の実質価格」で単板と複層を比較検討する
- 迷った場合は、ガラスの種類を変えた2パターンの見積もりを業者に依頼するのがベスト