寒さ・暑さ対策

ホームセンターの断熱材|種類別の特徴とおすすめ品を解説!

2025年7月20日

「自宅の夏は暑く、冬は寒い…光熱費も気になるし、どうにかしたい」

「DIYで断熱性能をアップさせたいけれど、どんな材料を選べばいいのだろう?」

このように考えて、ホームセンターの断熱材について情報を探しているのではないでしょうか。

いざ、コーナン・カインズホームやコメリといったお近くのホームセンターへ足を運んでみると、多種多様な断熱材が並んでいて、どれを選べば良いか迷ってしまうことも少なくありません。例えば、定番のグラスウールや発泡スチロール、手軽そうな断熱ボードなど、選択肢は実に豊富です。

「一番使われている断熱材は何ですか?」と店員さんに聞くのも一つの手ですが、その前に「断熱素材で最強なのは何ですか?」あるいは「発泡スチロールとスタイロフォームの断熱性の違いは?」といった具体的な疑問を解消しておきたいと思うかもしれません。

この記事では、ホームセンターで扱っている断熱材の種類について、断熱材料の一覧から、それぞれの特徴、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。

断熱材 ランキングや、DIYにおすすめの断熱材も紹介しますので、あなたの目的にぴったりの商品を見つける手助けとなるはずです。

  • ホームセンターで手に入る断熱材の主な種類とそれぞれの特徴
  • 価格・性能・DIYのしやすさなど目的別の断熱材の選び方
  • 主要なホームセンターごとの品揃えの傾向と具体的な商品例
  • DIYで断熱材を施工する際の基本的な注意点やポイント

ホームセンターで扱う断熱材の種類や基礎知識

ホームセンターで扱う断熱材の種類や基礎知識

ホームセンターで断熱材を選ぶ前に、まずはどのような種類があるのか、基本的な知識を身につけておきましょう。

ここでは、断熱材の全体像から、特に人気の素材、DIYで使いやすいボードタイプ、そしてよく似た素材の違いまでを詳しく解説します。

  • DIYで使える断熱材料の一覧は?
  • 一番使われている断熱材は何ですか?
  • 手軽さが人気の断熱ボードとは
  • 発泡スチロールとスタイロフォームの断熱性の違いは?
  • 目的別に解説!断熱材ランキング

DIYで使える断熱材料の一覧は?

DIYで利用できる断熱材は、その原料や形状から、大きく「繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系」の3つに分類できます。

素材によって性能や価格、扱いやすさが異なるため、それぞれの特徴を把握することが、適切な断熱材選びの第一歩となります。

主な断熱材の特徴を以下の表にまとめました。

系統主な種類メリットデメリット価格帯の目安
繊維系グラスウール・安価
・不燃性で火に強い
・施工性が高い
・湿気に弱い
・施工時に繊維が飛散
安価
ロックウール・グラスウールより高機能
・撥水性が高い
・価格がやや高い
・施工時に繊維が飛散
安価~中価格
発泡プラスチック系押出法ポリスチレンフォーム(スタイロフォームなど)・耐水性が高い
・加工しやすい
・軽量
・熱に弱い
・燃えると有毒ガス発生の恐れ
安価~中価格
ビーズ法ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)・非常に安価
・超軽量
・水や衝撃に弱い
・熱に弱い
安価
硬質ウレタンフォーム・高い断熱性
・自己接着性がある
・価格が高い
・紫外線に弱い
高価
フェノールフォーム・最高クラスの断熱性
・耐火性が高い
・非常に高価
・衝撃に弱い
非常に高価
天然素材系セルロースファイバー・高い調湿性
・防音、防虫効果
・施工が専門的
・水に弱い
高価
羊毛、炭化コルク・環境負荷が低い
・高い調湿性
・非常に高価
・入手しにくい
非常に高価

この表を見ると、安価で手に入りやすいグラスウールやポリスチレンフォームから、高性能ながら高価なフェノールフォームまで、様々な選択肢があることが分かります。

DIYでは、特に繊維系のグラスウールや、発泡プラスチック系のポリスチレンフォーム(断熱ボード)がよく利用されています。

一番使われている断熱材は何ですか?

住宅用として最も広く使われている断熱材は「グラスウール」です。多くのハウスメーカーで標準的に採用されており、ホームセンターでも必ずと言っていいほど見かける、まさに断熱材のスタンダードと言える存在です。

その理由は、第一に価格の安さが挙げられます。他の断熱材と比較してコストを抑えられるため、広い面積に施工する場合でも予算を組みやすいのが大きな魅力です。加えて、ガラスが主原料であるため燃えにくく、万が一の火災時にも延焼を防ぐ効果が期待できます。

ただし、グラスウールには大きな弱点もあります。それは「湿気」です。水分を含むと、繊維の間に保持されていた空気が失われ、断熱性能が著しく低下してしまいます。そのため、グラスウールを使用する際は、室内からの湿気が壁の中に入り込まないように、防湿気密シートを正しく施工することが非常に大切になります。

このように、メリットとデメリットを正しく理解し、適切な施工を行えば、グラスウールはコストパフォーマンスに優れた非常に優秀な断熱材です。

断熱ボードとは?手軽さが人気!

DIY初心者の方でも手軽に扱えることで人気なのが「断熱ボード」です。これは、発泡プラスチック系の断熱材を板状に加工したもので、ホームセンターでは「スタイロフォーム」や「カネライトフォーム」といった商品名で販売されているものが代表的です。

断熱ボードの最大のメリットは、その加工のしやすさにあります。カッターナイフで比較的簡単に 원하는サイズにカットでき、軽量なので持ち運びや設置も容易です。壁に立てかけたり、床に敷き詰めたりと、様々な場所で活用できます。

素材としては、前述の押出法ポリスチレンフォームが主流で、耐水性に優れているため、湿気の影響を受けやすい床下の断熱にも適しています。

一方で、注意点も存在します。発泡プラスチック系の多くは熱に弱い性質を持つため、火気の近くでの使用は避けなければなりません。また、グラスウールなどの繊維系断熱材と比較すると、価格がやや高くなる傾向にあります。手軽さと性能のバランスを考えながら、用途に合わせて選ぶことが鍵となります。

発泡スチロールとスタイロフォームの断熱性の違いは?

ホームセンターでよく見かける「発泡スチロール」と「スタイロフォーム」。どちらも同じポリスチレンを原料とする断熱材ですが、その性能には明確な違いがあります。結論から言うと、一般的にスタイロフォームの方が断熱性・耐水性・強度のすべてにおいて優れています。

この性能差は、製造方法の違いから生まれます。

  • 発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム/EPS)ポリスチレンの小さな粒(ビーズ)を蒸気で加熱し、金型の中で膨らませて作られます。ビーズ同士がくっついて固まる構造のため、内部に隙間が生まれやすく、水を吸収しやすい性質があります。
  • スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム/XPS)ポリスチレンに発泡剤を加えて溶かし、金型から連続的に押し出して発泡させます。これにより、均一で気泡が細かい、緻密な構造が形成されます。

この製造方法の違いにより、以下のような性能差が生じます。

項目発泡スチロール (EPS)スタイロフォーム (XPS)
断熱性◎(より高い)
耐水性△(吸水しやすい)◎(ほとんど吸水しない)
強度△(比較的もろい)◯(より硬く丈夫)
価格◎(非常に安価)◯(やや高価)

したがって、水濡れの心配がなく、とにかくコストを抑えたい簡易的な用途であれば発泡スチロールが、床下や基礎部分など、湿気や荷重に耐える必要がある場所にはスタイロフォームが適していると考えられます。

 

断熱材種類ランキングTOP9!種類別に解説

断熱材を選ぶ際、何を最も重視するかは人それぞれです。

ここでは「価格」「断熱性能」「DIYのしやすさ」という3つの目的別に、ホームセンターで手に入る断熱材をランキング形式で紹介します。

 

 価格の安さで選ぶなら

とにかくコストを抑えて断熱対策をしたい方におすすめのランキングです。

  1. グラスウール:圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。広い面積の施工に最適です。
  2. ビーズ法ポリスチレンフォーム(発泡スチロール):非常に安価ですが、用途は限定されます。
  3. 押出法ポリスチレンフォーム(スタイロフォームなど):グラスウールよりは高いものの、性能を考えれば十分に経済的です。

断熱性能を最優先するなら

多少コストがかかっても、最高の断熱効果を求める方向けのランキングです。

  1. フェノールフォーム:熱伝導率が極めて低く、最強クラスの断熱性能を持ちます。
  2. 硬質ウレタンフォーム:フェノールフォームに次ぐ高い断熱性能を誇ります。
  3. 押出法ポリスチレンフォーム(高性能タイプ):一般的な製品よりも高性能なタイプが選択肢に入ります。

IYのしやすさで選ぶなら

専門的な工具がなくても、自分で手軽に施工したい方向けのランキングです。

  1. 断熱ボード(スタイロフォームなど):カッターで切断でき、加工が非常に簡単です。
  2. ポリエチレンフォーム(シートタイプ):ハサミで切れる手軽さ。窓の断熱など局所的な対策に向いています。
  3. グラスウール(袋入り・マットタイプ):サイズが決まっていれば、柱の間に嵌め込むだけで施工できます。ただし、繊維の飛散対策は必須です。

これらのランキングを参考に、ご自身の目的やスキルに合った断熱材を見つけてください。

ホームセンターにある断熱材の種類とおすすめ

ホームセンターにある断熱材の種類とおすすめ

断熱材の基礎知識を学んだところで、次はいよいよ実践編です。

実際にどこで、どのような商品を選べば良いのでしょうか。

ここでは、性能を重視する場合の最強の選択肢から、主要なホームセンターの品揃え、そして具体的な選び方までを掘り下げていきます。

  • 性能重視なら断熱素材で最強なのは何ですか?
  • コメリで買える断熱材グラスウールの特徴
  • コーナン・カインズホームの品揃えを比較
  • 断熱材のホームセンターおすすめの選び方
  • 用途に合うホームセンターの断熱材 種類を選ぼう

性能重視なら断熱素材で最強なのは何ですか?

断熱性能を何よりも優先する場合、現在の建築用断熱材の中では「フェノールフォーム」が最強の素材と考えられます。その理由は、熱の伝わりやすさを示す「熱伝導率」が、他の断熱材に比べて際立って低いからです。

例えば、一般的なグラスウールの熱伝導率が約$0.038 W/(m·K)0.020 W/(m·K)$前後と、ほぼ半分の数値です。

これは、同じ厚みであれば約2倍の断熱性能を発揮することを意味します。逆に言えば、同じ断熱性能を求めるなら、半分の厚みで済むということです。これにより、壁の厚みを抑えつつ、室内空間を広く確保できるというメリットも生まれます。

また、フェノールフォームは熱に強く、燃えにくいという優れた特性も持っています。

しかし、これだけの高性能を持つだけに、最大のデメリットはその価格にあります。グラスウールと比較すると数倍の価格になることも珍しくなく、家全体の断熱をすべてフェノールフォームで行うと、建築コストは大幅に上昇します。

そのため、予算に限りがあるDIYで全面的に採用するのは難しいかもしれませんが、「絶対に冷気を入れたくない北側の壁」や「西日が厳しい壁」など、特に断熱を強化したい場所に限定して使用する、といった使い方が現実的かもしれません。

コメリで買える断熱材グラスウールの特徴

全国に店舗網を持つコメリは、DIYユーザーにとって非常に頼りになるホームセンターです。断熱材に関しても、特にスタンダードなグラスウールは安定した品揃えと手頃な価格で提供されています。

コメリで扱われているグラスウールは、主に壁や天井の柱・間柱の間に充填するのに適したマットタイプ(袋入り)が中心です。規格化された木造住宅の柱の間隔(約455mm)に合わせたサイズで販売されていることが多く、袋から出してはめ込むだけで施工できる手軽さが魅力です。

購入する際にチェックしたいのは「密度」と「厚み」です。密度は「10K」「16K」のように表記され、数字が大きいほど繊維が密で断熱性能が高くなります。厚みも「50mm」「100mm」など様々あり、厚いほど断熱性能は向上します。コメリのプライベートブランド品なども含め、複数の選択肢の中から、施工場所のスペースや求める性能に合わせて選ぶことができます。

前述の通り、グラスウールを扱う際は、ガラス繊維が飛散して肌に付着したり、吸い込んだりするのを防ぐため、必ず長袖・長ズボン、ゴーグル、防じんマスク、手袋を着用してください。これらの保護具もコメリで一緒に揃えることが可能です。

コーナン・カインズホームの品揃えを比較

コーナンとカインズホームもまた、DIYユーザーに人気の高いホームセンターであり、断熱材の品揃えも充実しています。両者にはそれぞれ特色があります。

カインズホームの特色

カインズホームは、プライベートブランド(PB)商品が豊富で、DIY初心者にも分かりやすいパッケージや説明が充実している傾向にあります。断熱材では、特に押出法ポリスチレンフォームの断熱ボードや、シート状の断熱材などが様々なサイズで展開されており、用途に合わせて選びやすいのが特徴です。また、オンラインストアでの情報発信も積極的で、事前に商品の仕様や在庫を確認しやすい点もメリットと言えます。

コーナンの特色

コーナンには、一般向けの「ホームセンターコーナン」の他に、プロの職人も利用する「コーナンPRO」が存在します。この「PRO」店舗では、より専門的な建材が扱われており、断熱材の種類や関連部材(高性能な防湿気密シート、専用テープなど)の選択肢が広がる可能性があります。一般的なホームセンターでは見かけない高密度なグラスウールや、ロックウールといった断熱材が見つかることもあります。

どちらの店舗を選ぶにしても、店舗の規模によって在庫状況は大きく異なります。大規模なリフォームなどでまとまった量が必要な場合は、事前にオンラインストアで在庫を確認するか、最寄りの店舗に直接問い合わせてみるのが確実な方法です。

断熱材のホームセンターおすすめの選び方

多種多様な断熱材の中から、自分に合ったものを選ぶためには、いくつかの判断基準を持つことが大切です。ホームセンターで断熱材を選ぶ際は、主に「施工する場所」「求める断熱性能」「全体の予算」という3つの軸で検討を進めることをおすすめします。

施工する場所で選ぶ

まず、どこに断熱材を使用するかを明確にしましょう。場所によって、断熱材に求められる特性は異なります。

  • 床下: 地面からの湿気の影響を受けやすいため、耐水性に優れた押出法ポリスチレンフォーム(スタイロフォームなど)が最適です。
  • 壁・天井裏: 湿気対策を前提とすれば、コストパフォーマンスに優れるグラスウールが第一候補になります。軽量であることも天井への施工には有利です。
  • 窓際や部分的な隙間: 加工しやすいシート状のポリエチレンフォームや、隙間充填用のスプレータイプのウレタンフォームが便利です。

 求める断熱性能で選ぶ

次に、どの程度の断熱性能が必要かを考えます。商品のパッケージには「熱抵抗値(R値)」や「熱伝導率(λ)」が記載されている場合があります。熱抵抗値は数字が大きいほど、熱伝導率は数字が小さいほど断熱性能が高くなります。これらの数値を比較することで、性能を客観的に判断できます。

 全体の予算で選ぶ

最後に、予算を考慮します。断熱材の価格は、種類と性能によって大きく異なります。施工したい面積を算出し、「単価 × 面積」でおおよその総額を見積もりましょう。安価なグラスウールと高性能なフェノールフォームでは、総額に数倍の差が出ることもあります。予算内で最大限の効果が得られるよう、性能と価格のバランスが取れた製品を選ぶことが現実的なアプローチです。

用途に合うホームセンターの断熱材 種類を選ぼう

この記事では、ホームセンターで手に入る断熱材の種類と選び方について詳しく解説してきました。最後に、今回の内容の要点を箇条書きでまとめます。ご自身のDIYプランを立てる際のチェックリストとしてご活用ください。

  • 断熱材は大きく繊維系・発泡プラスチック系・天然素材系の3つに分類される
  • 住宅で最も広く使われているのはコストパフォーマンスに優れたグラスウール
  • DIY初心者にはカッターで切れる断熱ボードが加工しやすくおすすめ
  • スタイロフォームは発泡スチロールより断熱性・耐水性・強度で優れている
  • 断熱性能だけで見れば最強クラスの素材はフェノールフォーム
  • コストを最優先するならグラスウールが最も経済的な選択肢となる
  • ホームセンターではDIYに適した様々な種類の断熱材が購入可能
  • コメリでは多様なサイズや密度のグラスウールを手頃な価格で提供している
  • カインズはPB商品、コーナンはPRO店舗など品揃えに特色がある
  • 断熱材選びの基本は「施工場所」「求める性能」「予算」の3つの軸で考える
  • 床下のような湿気が多い場所には耐水性の高いポリスチレンフォームが適している
  • グラスウールの施工時は肌や呼吸器を保護するため防護具が必須
  • 断熱性能は熱抵抗値(R値)や熱伝導率の数値で客観的に比較できる
  • 必要な量が決まっている場合は事前にオンラインストアで在庫を確認すると確実
  • それぞれの素材のメリット・デメリットを理解し最適な断熱材を選ぶことが大切
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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