窓断熱ボードの手作りガイド！ホームセンターやニトリで対策！

冬の厳しい寒さ、その原因の多くは窓にあると言われています。

「窓が寒くないようにするにはどうしたらいいですか？」という悩みは、多くの方が抱える共通の課題です。

その解決策として注目されているのが、窓断熱ボードの手作りです。

しかし、いざ挑戦しようとすると、「そもそも窓断熱ボードの効果はあるのか？」という根本的な疑問や、「プラダンで断熱するとどのくらい効果がありますか？」あるいは「窓にプチプチを貼ると断熱に効果的ですか？」といった素材ごとの違いについての質問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

中には、身近な材料である段ボールに関心を持ち、「窓に段ボールを立てると断熱できますか？」と考える方もいるかもしれません。

この記事では、そうした皆様の疑問に一つひとつお答えします。

プラダンを窓に立てかけるだけの簡単な方法から、窓に断熱ボードをはめ込む少し本格的な設置、さらには窓の寒さ対策としてプラダンレールを使った二重窓化まで、具体的なDIYの手順を詳しく解説します。

また、材料の入手先として便利なホームセンター、例えばカインズやニトリで手に入るアイテム、耐久性に優れたポリカーボネートの活用法、そして手軽なdiyとして100均グッズの可能性にも触れていきます。

窓断熱ボード手作りの効果と基本的な方法

そもそも窓断熱ボードの効果はあるのか？

手作りの窓断熱ボードには、確かな効果が期待できます。家の熱は、冬場には約58％が窓から逃げていくとされています。このため、窓の断熱対策を行うことは、部屋の暖かさを保つ上で非常に合理的です。

窓断熱ボードを設置する主な目的は、窓ガラスとボードの間に「空気の層」を作ることです。空気は熱を伝えにくい性質（低い熱伝導率）を持っているため、この空気層が断熱材の役割を果たします。これにより、外の冷たい空気が室内に伝わるのを防ぎ、同時に室内の暖かい空気が外へ逃げるのを抑制してくれるのです。

具体的には、窓際に立つと感じるヒヤっとした冷気（コールドドラフト現象）を大幅に和らげることができます。この結果、体感温度が上がり、暖房の設定温度を少し下げても快適に過ごせるようになる可能性があります。暖房効率が向上すれば、光熱費の節約にも繋がるでしょう。

ただし、効果を最大限に引き出すためには、ボードを窓枠に隙間なく設置することが大切です。少しの隙間からでも冷気は侵入してくるため、採寸や設置には丁寧さが求められます。あくまで手軽にできる断熱対策の一環であり、プロが施工する二重窓などと比較すると効果は限定的である点も理解しておくと良いでしょう。

プラダンで断熱するとどのくらい効果がありますか？

プラスチックダンボール、通称「プラダン」は、手作り断熱材として非常に高い効果を発揮します。その理由は、素材の性質と構造の2つの側面にあります。

まず、プラダンの素材であるポリプロピレンは、熱伝導率が約0.17〜0.19W/mKと、ガラス（約1.0W/mK）に比べて格段に熱を伝えにくい素材です。素材自体が断熱性に優れていることが、効果の基本となります。

そして、プラダンの最大の特徴は、ストローを並べたような「中空構造」です。この内部に無数に存在する空気の層が、熱の移動を強力にブロックします。動かない空気は非常に優れた断熱材であり、プラダンはこの空気層を構造的に保持しているため、高い断熱性能が期待できるのです。体感としては、プラダンを1枚挟むだけで窓際の冷え込みが明らかに和らぐのを感じられるでしょう。

一方で、デメリットも存在します。一つは、半透明の素材ではあるものの、透明なガラスに比べると部屋に入る光の量が減り、少し暗く感じられる可能性があることです。また、ポリプロピレンは紫外線に弱く、長期間日光に晒されると劣化して硬くなったり、割れやすくなったりする場合があります。そのため、数シーズンごとの交換が必要になることも考慮しておきましょう。

窓にプチプチを貼ると断熱に効果的ですか？

梱包材としておなじみの「プチプチ」（気泡緩衝シート）を窓に貼る方法は、手軽にできる断熱対策として一定の効果が見込めます。プチプチが断熱効果を持つ理由は、その一つひとつの気泡にあります。

この気泡の中に閉じ込められた空気が、熱の伝わりを妨げる断熱層として機能します。窓ガラスに直接貼ることで、ガラス面と室内の間に空気の層を作り出し、外の冷気と室内の暖気が直接触れ合うのを防ぎます。これにより、窓際の温度低下を緩和し、結露の発生を抑制する効果も期待できるのです。近年では、水で簡単に貼れる窓用の断熱シートとして販売されている製品も多く、手軽に試せるのが大きな魅力です.

しかし、いくつかの注意点も存在します。まず、見た目の問題です。梱包材であるため、窓に貼ると室内の景観を損なうと感じる方も少なくありません。また、両面テープで貼り付けた場合、剥がす際にテープの跡がガラスに残ってしまうことがあります。水で貼るタイプでも、結露がひどい場合には重みで剥がれ落ちてしまうことも考えられます。

断熱効果の面では、プラダンなど他の素材と比較すると限定的です。手軽さとコストの低さを重視する場合には有効な選択肢ですが、より高い断熱性能を求めるのであれば、他の方法を検討するのが良いでしょう。

窓に段ボールを立てると断熱できますか？

段ボールを窓に立てかける方法は、一時的な断熱対策として、また緊急時の手段としては有効に機能します。段ボールもプラダンと同様に、波状の中芯によって作られた内部の空気層が断熱効果を発揮するためです。

例えば、特に冷え込む夜間だけ窓際に立てかけておけば、コールドドラフトを防ぎ、室温の低下をある程度抑えることができます。材料費がかからず、誰でもすぐに実践できる点は大きなメリットと言えます。

しかし、この方法は多くの深刻なデメリットを抱えているため、長期的な使用は全く推奨できません。

 カビの温床になるリスク

最大のデメリットは、湿気の問題です。段ボールは紙製品であるため、非常に湿気を吸いやすく、窓の結露を吸収してしまいます。湿った段ボールはカビの絶好の繁殖地となり、健康被害を引き起こすアレルゲンを室内に撒き散らす原因になりかねません。

その他のデメリット

他にも、光を完全に遮断するため日中でも部屋が真っ暗になること、見た目が著しく悪いこと、そして紙製品であるため火災のリスクがあることなどが挙げられます。

以上の理由から、段ボールの使用はあくまで「他に手段がない場合の一時しのぎ」と捉え、常用することは避けるべきです。安全で衛生的な断熱を考えるのであれば、他の専用の素材を選ぶようにしましょう。

100均の材料を使いdiyする際の注意点

100円ショップで手に入る材料を使って窓断熱をDIYすることは、コストを極限まで抑えたい場合に魅力的な選択肢です。店内には、アルミコーティングされた断熱シートやデザイン性のある結露吸収テープ、小さなサイズのプラダン風シートなど、活用できそうなアイテムが数多く並んでいます。

これらの商品を組み合わせることで、費用を数百円程度に抑えながら断熱対策を行うことが可能です。例えば、プチプチ状のシートを窓全体に貼り、さらに隙間を埋めるように結露テープを貼る、といった工夫が考えられます。

ただし、100均の材料にはいくつかの注意点があり、それらを理解した上で利用することが大切です。

第一に、サイズの限界です。多くの商品はサイズが小さいため、リビングの掃き出し窓のような大きな窓をカバーするには、何枚も継ぎはぎして使う必要があります。その継ぎ目から冷気が漏れ、断熱効果が低下する可能性があります。

第二に、耐久性の問題です。専門のホームセンターなどで販売されている製品に比べ、素材が薄かったり、粘着力が弱かったりすることがあります。ワンシーズン持たずに劣化したり、すぐに剥がれてきたりするケースも少なくありません。

最終的に、断熱性能自体も専用品に劣る場合が多いと考えられます。手軽に試せる点はメリットですが、「安物買いの銭失い」になる可能性も考慮し、まずはトイレの小窓など、小さな範囲で効果を試してみるのが良いかもしれません。

窓断熱ボード手作りのアイデア！素材別に解説

プラダンを窓に立てかけるだけの簡単設置

プラダンを使った窓断熱の中で、最も手軽ですぐに始められるのが、窓とカーテンの間に立てかける方法です。特別な工具や技術をほとんど必要とせず、誰でも簡単に設置できるのが最大の魅力です。

この方法の目的は、プラダンを「衝立（ついたて）」のように使い、窓ガラスで冷やされた空気が床に下降してくる「コールドドラフト」現象を物理的に遮断することです。これにより、足元の冷えを直接的に防ぐことができます。

設置の手順

設置は非常にシンプルです。まず、窓枠の内側の「横幅」と「高さ」、そして「奥行き」を正確に測ります。次に、プラダンを「高さ：窓枠の高さ」「横幅：窓枠の横幅＋窓枠の奥行き」のサイズにカットします。そして、奥行きの部分でカッターを使い、表面一枚を残すように浅く切り込みを入れると、きれいに「コ」の字型に折り曲げることができます。この形にすることで、プラダンが自立し、窓枠にはめ込みやすくなります。

この方法のメリットは、なんといってもその手軽さです。また、日中は外して光を取り入れたり、窓を開閉したりするのが容易な点も挙げられます。

一方で、ただ立てかけているだけなので、窓枠との間に隙間が生まれやすく、気密性は高くありません。そのため、断熱効果は後述する「はめ込み式」や「レール式」に比べると限定的です。まずは断熱DIYを試してみたい、という初心者の方におすすめの方法です。

隙間なく窓に断熱ボードをはめ込む方法

立てかける方法から一歩進んで、より高い断熱効果を目指すなら、窓枠に断熱ボードを隙間なくはめ込む方法がおすすめです。この方法は気密性を高めることができ、冷気の侵入をさらに効果的に防ぎます。

成功の鍵は、とにかく「正確な採寸」にあります。窓枠の縦と横のサイズを、数ミリの誤差もないように慎重に測定してください。同じ窓に見えても、場所によって微妙に寸法が異なることがあるため、上・中・下、左・中・右と、複数箇所を測って最も小さい数値に合わせるのが基本です。

はめ込みの手順

採寸ができたら、プラダンなどのボードをそのサイズ通りにカットします。大きなカッターと、カッターマット、そして定規として使う長い金属製の物差しがあると、まっすぐきれいに切ることができます。一度で切ろうとせず、カッターで数回に分けて軽く切り込みを入れていくのがコツです。

カットしたボードを窓枠にゆっくりとはめ込みます。もし少しきつい場合は、角を少しだけヤスリで削るとスムーズに入ります。逆に少し隙間ができてしまった場合は、その部分に市販の「隙間テープ」を貼ることで気密性を確保できます。

この方法のメリットは、立てかけるだけの場合に比べて格段に断熱効果が高まることです。デメリットとしては、採寸とカットに手間がかかる点、そして頻繁に開閉する窓には不向きである点が挙げられます。普段あまり開けない窓や、冬の間は閉めっぱなしにしておく窓に最適な方法と言えるでしょう。

ホームセンターやカインズ、ニトリの材料

窓断熱DIYの材料を揃えるなら、ホームセンターやインテリアショップが便利です。それぞれの店舗で特徴の異なる製品が手に入るため、目的に合わせて使い分けるのが良いでしょう。

ホームセンター（全般）

ホームセンターは、DIYの材料が最も豊富に揃う場所です。プラダンや、より高性能なポリカーボネート（中空ボード）も、様々な厚みや大きなサイズで見つけることができます。また、プラスチックレールや両面テープ、カッター、隙間テープといった関連ツールも一度に購入できるのが大きな利点です。専門的な知識を持つ店員さんに相談できる場合もあります。

カインズ

大手ホームセンターのカインズでは、プライベートブランド（PB）製品が充実していることがあります。手頃な価格で質の良いプラダンや、オリジナルの断熱シート、窓関連の便利グッズが見つかる可能性があります。ウェブサイトで事前に在庫や取り扱い商品をチェックしておくと、効率的に買い物ができます。

 ニトリ

インテリアショップであるニトリは、「見た目」や「利便性」を重視した製品が特徴です。例えば、外から見てもお洒落な柄付きの断熱シートや、カーテンレールに直接吊り下げて使用する「断熱カーテンライナー」など、インテリアの雰囲気を壊さずに寒さ対策ができるアイテムが見つかります。プラダンのような素材そのものよりは、すぐに使える完成品に近い商品が多い傾向にあります。

このように、本格的なDIYならホームセンター、インテリアとの調和を考えるならニトリ、といったように、自分の目的やスキルに合わせて店を選ぶことが、満足のいく窓断熱DIYへの第一歩となります。

窓の寒さ対策はプラダンレールで二重窓化

プラダンを使ったDIYの中でも、最も本格的で効果が高いのが、プラスチック製のレールを使って簡易的な二重窓（内窓）を作成する方法です。この方法は、断熱性を大幅に向上させつつ、窓の開閉も可能にするため、利便性と快適性を両立できるのが大きな特徴です。

このDIYの核となるのは、「窓枠用」として販売されているプラスチック製のレールです。一般的に上下セットで販売されており、「ヨ」の字や「E」の字のような形をしています。このレールの溝に、カットしたプラダンをはめ込むことで、左右にスライドする引き違い窓を作ることができます。

二重窓化の手順

1. 採寸とレールのカット: まず窓枠の上下の長さを測り、そのサイズに合わせてプラスチックレールを金ノコなどでカットします。
2. レールの設置: カットしたレールを、強力な両面テープを使って窓枠の上下に貼り付けます。このとき、水平になるよう慎重に作業してください。
3. プラダンの準備: 窓の高さと幅に合わせてプラダンをカットします。幅は窓全体の半分のサイズに合わせ、2枚準備します。開閉しやすいように、プラダンの端に簡易的な取っ手を付けるとさらに便利です。
4. はめ込み: 準備した2枚のプラダンを、少ししならせながら上下のレールにはめ込みます。これで簡易二重窓の完成です。

この方法のデメリットは、材料費が他の方法より少し高くなることと、作業に手間がかかる点です。しかし、その分、断熱効果と使い勝手は格段に向上します。特に、人の出入りが多い掃き出し窓や、換気で頻繁に開け閉めする窓におすすめの、非常に満足度の高いDIYと言えるでしょう。

本格的な窓断熱DIYならポリカーボネート

より高いレベルの断熱性能、耐久性、そして見た目の美しさを求めるなら、プラダンに代わって「ポリカーボネート」の中空ボードを使用するのが最適です。ポリカーボネートは、プラダンと同様に中空構造を持つシート状の素材ですが、多くの面でプラダンを上回る性能を持っています。

最大のメリットは、その「透明度」の高さです。ガラスに近い透明感を持つため、設置後も部屋が暗くなることがなく、外の景色も楽しむことができます。これは、光を取り入れたいリビングの窓などには非常に大きな利点となります。

さらに、「耐久性」と「耐候性」にも優れています。ポリカーボネートは非常に衝撃に強く、割れにくい素材です。また、紫外線による劣化にも強いため、プラダンのように数年でボロボロになることがなく、長期間にわたって安定した性能を維持できます。断熱性能自体も、プラダンと同等か、製品によってはそれ以上の効果を発揮します。

もちろん、これだけの高性能にはデメリットも伴います。それは「価格」です。ポリカーボネートはプラダンに比べて数倍高価であり、初期投資が大きくなります。また、素材が硬いため、カットする際には専用のカッターが必要になるなど、加工の難易度も少し上がります。

予算に余裕があり、長期的な視点で最高のDIY断熱を目指すのであれば、ポリカーボネートは最も有力な選択肢となるでしょう。

結論として窓が寒くないようにするには？

これまで様々な手作りの窓断熱方法を見てきましたが、最終的に「窓が寒くないようにする」という根本的な課題を解決するには、どうすれば良いのでしょうか。

紹介してきたプラダンやポリカーボネートを使ったDIYは、コストを抑えつつ一定の効果を得られる優れた方法です。しかし、これらの方法はあくまで既存の窓に「付け加える」対策であり、その効果には限界があることも事実です。特に、熱の出入り口となる窓枠（サッシ）自体の断熱性は、DIYでは改善することができません。日本の住宅で多く使われているアルミサッシは非常に熱を伝えやすく、ここから多くの熱が逃げていきます。

もし、DIYで対策を施してもまだ寒さが気になる場合や、より恒久的で高いレベルの断熱性能を求めるのであれば、プロの業者によるリフォームを検討する段階かもしれません。

具体的な選択肢としては、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓（二重窓）の設置」や、今ある窓ガラスを断熱性能の高い「高断熱ガラス（Low-E複層ガラスや真空ガラスなど）」に交換する方法があります。これらの方法は初期費用こそかかりますが、断熱効果はDIYとは比較にならないほど高く、結露防止や遮音効果も期待できます。

DIYの手軽さと低コストを取るか、プロによる確実な効果と快適性を取るか。ご自身の予算や住まいの状況、そしてどこまでの効果を求めるかをじっくりと考え、最適な選択をすることが、冬の寒さ問題を根本から解決する鍵となります。

窓断熱ボード手作りの効果と基本的な方法：総括

この記事では、窓断熱ボードの手作りに関する様々な情報をお届けしました。

最後に、あなたにとって最適な方法を選ぶためのポイントをまとめます。