夏の強い日差しは、室内の温度を上昇させる大きな原因です。
窓の日除けを外側に取り付けたいけれど、窓の内側に設置する場合と比べて遮熱効果はどう違うのか、そもそも日除けやサンシェードの種類や違いは何があるのか、疑問に感じていませんか。
いざ設置を考え始めると、取り付け場所に対応するフックの種類や、サンシェードの固定方法、さらには外壁に穴を開けずにサンシェードを取り付ける方法はあるのかといった具体的な悩みが出てきます。
また、サンシェード取り付け時に網戸が邪魔になる場合の対処法や、便利なサンシェード取り付けのアイデアを探している方もいるでしょう。ニトリなどの店舗で手軽に購入できるのか、日除けやサンシェードにデメリットはあるのかといった点も気になるところです。
この記事では、これらの疑問や不安をすべて解消し、ご自宅に最適な日除けを設置するための知識を網羅的に解説します。
- 外側日除けの圧倒的な遮熱効果とメリット・デメリット
- 目的に合ったサンシェードの種類と失敗しない選び方
- 外壁に穴を開けない具体的な取り付け方法と固定のコツ
- 網戸の干渉など、設置時によくある悩みの解決策
目次
窓の日除けを外側に取り付けて夏の暑さ対策をしよう!
- 窓の日除けは内側より外側が遮熱に有効
- 日除け・サンシェードの種類や違いは?
- 日除け・サンシェードにデメリットはあるのか?
- 窓の日除けは外側用がニトリでも購入可能
- 参考になるサンシェード取り付けアイデア集
窓の日除けは内側より外側が遮熱に有効
夏の室温上昇を抑える対策として、窓の日除けは非常に効果的です。その際、日除けを窓の内側と外側のどちらに設置するかが、遮熱効果を大きく左右するポイントになります。
結論から言うと、日除けは窓の外側に取り付ける方が、内側よりも格段に高い遮熱効果を発揮します。なぜなら、太陽の熱は窓ガラスを通して室内に入り込むため、ガラス自体が熱くなる前に外側で熱を遮断することが最も効率的だからです。
例えば、室内に設置するカーテンやブラインドの場合、太陽熱を遮る効果は約50%程度と言われています。一度窓ガラスを通過してしまった熱がカーテンに当たり、その熱が室内に放たれてしまうため、効果は限定的になります。
一方で、窓の外側に設置するサンシェードやオーニングは、太陽熱の約80%から90%をカットできるとされています。
日差しが直接窓ガラスに当たるのを防ぎ、日陰を作り出すことで、窓周辺の温度上昇を根本から抑え込むのです。これにより、室内の温度上昇を大幅に抑制でき、冷房の使用を減らすことにも繋がります。したがって、省エネや光熱費の節約という観点からも、外側への設置が優れていると考えられます。
日除け・サンシェードの種類や違いは?
サンシェードと一言でいっても、機能や素材によって様々な種類が存在します。ご自身の目的や設置場所に合わせて最適なものを選ぶことが、快適な空間作りの鍵となります。ここでは、代表的なサンシェードの種類とその特徴をご紹介します。
種類 | 主な特徴 | こんな方におすすめ |
通常タイプ | 高密度に編まれた生地で、日差しと紫外線をしっかりカットします。最も一般的なタイプです。 | 強い西日を遮りたい、室内の温度上昇を最大限抑えたい |
通風タイプ | 生地に適度な隙間があるメッシュ状で、日差しを遮りつつ風を通しやすい構造になっています。 | 遮熱と同時に自然の風を室内に取り込みたい |
防水・雨よけタイプ | 生地に撥水加工や防水シートが施されており、小雨程度なら防ぐことができます。 | 急な雨から洗濯物を守りたい、ベランダへの雨の吹き込みを軽減したい |
ベランダ目隠しタイプ | 横長の形状で、主にベランダやフェンスに取り付けて、外からの視線を遮るために使用されます。 | 通行人の視線が気になる、ベランダでのプライバシーを確保したい |
これらのタイプを選ぶ際には、素材にも注目すると良いでしょう。一般的に、ポリエチレン製は耐久性があり、価格も手頃なものが多いです。ポリエステル製は、しなやかでデザイン性が高い傾向にあります。
また、UVカット率や遮光率も製品によって異なります。UVカット率は紫外線が肌や家具に与えるダメージを防ぐ指標、遮光率は光を遮る度合いを示す指標です。日中の室内の明るさを保ちたい場合は遮光率が低めのものを、しっかりと日差しを遮りたい場合は遮光率が高いものを選ぶなど、ライフスタイルに合わせて検討することが大切です。
日除け・サンシェードにデメリットはあるのか?
高い遮熱効果を誇るサンシェードですが、導入を検討する上ではいくつかのデメリットや注意点も理解しておく必要があります。メリットだけでなく、これらの点を把握することで、より満足のいく日除け対策ができます。
最も注意すべきデメリットは、風に弱いことです。サンシェードは布製で面積が大きいため、風圧を直接受けてしまいます。
そのため、強風や台風が予想される際には、必ず取り外すか、巻き取って収納する手間が発生します。これを怠ると、シェード本体が破損するだけでなく、煽られて外壁や窓ガラス、駐車している車などを傷つける恐れがあり、非常に危険です。
また、長期間屋外で使用するため、経年劣化は避けられません。紫外線や雨風にさらされることで、生地の色褪せや強度の低下が起こります。製品の素材や品質によって耐久年数は異なりますが、数年ごとの交換が必要になる場合もあります。
他にも、設置場所によっては、シェードと壁の隙間に虫が巣を作ったり、落ち葉が溜まったりすることがあります。定期的な清掃やメンテナンスを面倒に感じる方もいるかもしれません。
さらに、夏場は快適な日陰を作ってくれますが、日差しの貴重な冬場には、逆に室内に光が入りにくくなり、部屋が暗く寒く感じられることも考えられます。季節に応じて取り外しが簡単な製品を選ぶか、ロールスクリーンのように収納できるタイプを選ぶと、この問題に対応しやすくなります。
窓の日除けは外側用がニトリでも購入可能
窓の外側に取り付ける日除けは、専門的なリフォーム業者に依頼するイメージがあるかもしれませんが、近年ではホームセンターやインテリアショップでも手軽に購入できるようになりました。中でもニトリは、多様なサイズやデザインのサンシェードを手頃な価格で提供しており、DIYで設置を考えている方にとって有力な選択肢の一つです。
ニトリで販売されているサンシェードは、UVカット機能や撥水加工が施されたものが多く、基本的な性能は十分に備わっています。取り付け用のヒモや金具がセットになっている製品もあり、購入後すぐに設置に取り掛かれる手軽さが魅力です。デザインもシンプルなものからおしゃれな柄物まで揃っているため、家の外観に合わせて選ぶ楽しさもあります。
ただし、手軽に購入できる製品と、LIXILの「スタイルシェード」のような建材メーカーが提供する専門的な製品とでは、機能性や耐久性に違いが見られます。例えば、スタイルシェードは専用の固定金具を使って窓のサッシ枠にしっかりと設置でき、ボックスにスッキリと収納できるロールスクリーンタイプが主流です。耐風性も考慮されており、生地の耐久性も高い傾向にあります。
どちらを選ぶかは、予算や求める機能、設置の手間などを総合的に判断することになります。まずはニトリやカインズといった身近な店舗で実物を見て、どのような製品があるのかを把握し、より本格的な機能が必要であれば専門的な製品を検討するという進め方も良いでしょう。
参考になるサンシェード取り付けアイデア集
サンシェードは、単に窓に沿って垂らすだけでなく、少し工夫を加えることで、より機能的でおしゃれな空間を演出できます。ここでは、ご家庭ですぐに試せる取り付けアイデアをいくつか紹介します。
タープのように斜めに張る
掃き出し窓など、人の出入りがある場所に特におすすめのアイデアです。サンシェードの上部はシャッターボックスや軒下に固定し、下部をウッドデッキや地面に設置したペグや重りに結びつけます。こうすることで、窓との間に空間が生まれ、日差しを遮りながらも風の通り道を確保できます。日陰の面積も広がるため、窓辺に快適な半屋外スペースを作り出すことができます。
建物から離して固定する
庭にパーゴラや独立した柱がある場合、それらを利用して建物から少し離れた位置にサンシェードを張るのも一つの方法です。これにより、建物全体を大きな日陰で覆うような効果が期待でき、外壁や地面の温度上昇も抑えられます。見た目にも開放感があり、カフェテラスのようなおしゃれな雰囲気を楽しめます。
上下を固定して目隠し効果を高める
サンシェードの上部だけでなく、下部も手すりやフェンスにしっかりと固定する方法です。こうすることで、シェードが風でばたつくのを防ぎ、道路や隣家からの視線を効果的に遮ることができます。プライバシーを確保したい1階の窓や、ベランダでのくつろぎ空間を作りたい場合に最適です。シェードの生地をピンと張ることで、見た目もすっきりとします。
これらのアイデアを参考に、ご自宅の環境や目的に合わせて取り付け方を工夫してみてください。
窓の日除けを外側に取り付けて夏の暑さ対策!取り付け方法と注意点
- 外壁に穴を開けずにサンシェードを取り付ける方法は?
- 取り付け場所に対応するフックの種類は
- 強風に備えるサンシェード固定方法
- サンシェード取り付け時に網戸が邪魔な時の対処法
外壁に穴を開けずにサンシェードを取り付ける方法は?
サンシェードを設置したいけれど、「家の外壁に穴を開けるのは抵抗がある」「賃貸住宅なので傷をつけられない」と考える方は非常に多いです。幸いなことに、現在は外壁に穴を開けずにサンシェードを取り付ける方法が主流になっています。
最も一般的なのは、既存の構造物を利用して固定金具を取り付ける方法です。具体的には、窓のアルミサッシ枠、シャッターボックス、雨戸の戸袋、ベランダの手すり、物干し竿などを利用します。これらの場所に取り付けられる専用のフックや金具が市販されており、ドライバー1本で簡単に設置できるものも少なくありません。
例えば、LIXILの「スタイルシェード」で採用されている「アナノン®構造」は、サッシ枠に専用金具を引っ掛けて固定する仕組みです。これにより、壁に一切穴を開けることなく、しっかりとしたロールスクリーンタイプのシェードを設置できます。
より簡易的な方法としては、強力なマグネットタイプのフックをスチール製のシャッターボックスや雨戸に取り付ける方法があります。これなら工具も不要で、位置の調整や取り外しも自在です。ただし、設置面の材質が磁石に対応しているか、事前に確認する必要があります。
また、窓枠の上下に突っ張り棒を設置し、そこにシェードを固定するタイプもあります。この方法は特に工事が不要で、賃貸住宅でも安心して採用できる手軽さが魅力です。
このように、様々な製品やアイデアを活用することで、外壁を傷つけることなくサンシェードの設置は可能です。ご自宅の窓周りの状況を確認し、最適な方法を見つけることが大切です。
取り付け場所に対応するフックの種類は
外壁に穴を開けずにサンシェードを設置する場合、取り付け場所の材質や形状に合ったフックを選ぶことが、安全で確実な設置の第一歩となります。ここでは、主な取り付け場所と、それに対応するフックの種類を紹介します。
取り付け場所 | 対応するフックの種類 | 特徴と注意点 |
アルミサッシ枠・雨戸のレール | サッシ用フック(ネジ締め付けタイプ) | ネジを締めてサッシ枠を挟み込んで固定します。枠の厚みや形状によっては取り付けられない場合があるため、購入前に適合サイズを必ず確認してください。 |
シャッターボックス・スチールドア | マグネットフック | 強力な磁石で接着します。工具不要で最も手軽ですが、接着面の材質がスチール製である必要があります。アルミや樹脂製には使用できません。耐荷重の確認も必須です。 |
コンクリート・ブロック・レンガの外壁 | 接着式フック | 特殊な接着剤や両面テープで固定します。凹凸のない平滑な面での使用が基本です。一度取り付けると剥がすのが難しい場合や、跡が残る可能性があります。 |
ベランダの手すり・物干し竿 | バンドタイプフック、結束バンド | パイプ状のものにバンドを巻き付けて固定します。長さや太さを調整できるため、様々な形状の手すりに対応可能です。 |
これらのフックを選ぶ際に最も重要なのは、耐荷重を確認することです。サンシェードは風を受けると、想像以上の力がフックにかかります。
サンシェードのサイズや重さ、そして風の影響を考慮し、十分な余裕を持った耐荷重のフックを選んでください。安全性を確保するため、フックは1つだけでなく、シェードのハトメ(ヒモを通す穴)の数に合わせて複数使用することが基本です。
強風に備えるサンシェード固定方法
サンシェードを安全に使用し続けるためには、日々の取り付けだけでなく、風に対する備えが欠かせません。特にDIYで設置した場合は、固定が不十分だと事故につながる危険性があるため、しっかりとした対策を講じましょう。
まず基本となるのが、サンシェードの下部をきちんと固定することです。付属のヒモだけでは心もとない場合、伸縮性のあるゴム製の固定用バンドや、丈夫なロープを使用することをおすすめします。伸縮性のあるバンドは、風の力を吸収して生地やハトメへの負担を和らげる効果があります。
下部の固定先としては、専用のシェードウェイト(重り)が最も手軽で効果的です。水や砂を入れて使用するタイプがあり、十分な重さでシェードのばたつきを抑えます。地面が土や芝生の場合は、テントに使うようなペグを深く打ち込んで固定するのも良い方法です。その際は、ペグが簡単に抜けないよう、しっかりと固定されているか定期的に確認してください。
また、風が強い日には、シェードを半分巻き上げておく、あるいは完全に取り外すといった対応が必要です。台風や暴風の予報が出た場合は、面倒でも必ず事前に収納してください。
近年では、生地自体に細かいメッシュ加工が施され、風が抜けやすい「通風タイプ」のサンシェードも人気です。風の影響を受けにくい製品を選ぶことも、有効な対策の一つと言えます。これらの対策を組み合わせることで、安全にサンシェードを活用することができます。
サンシェード取り付け時に網戸が邪魔な時の対処法
サンシェードを窓のサッシ枠に取り付けようとした際に、「網戸のレールやフレームが干渉してフックがうまく設置できない」という問題に直面することがあります。これは特にDIYで設置する際によくある悩みですが、いくつかの方法で解決が可能です。
一つ目の対処法は、網戸の可動域を避けてフックを取り付けることです。サッシ枠をよく観察すると、網戸が動く範囲の外側や、窓の固定フレーム部分など、フックを取り付けられるスペースが見つかる場合があります。少し位置をずらすだけで干渉を避けられるケースは少なくありません。
二つ目の対処法は、オフセットタイプのフックを使用することです。これは、取り付け部分からフックを掛ける部分が少し離れた位置(オフセットした位置)に設計されている金具です。このタイプを使えば、網戸のフレームを避けて外側にフックを出すことができ、サンシェードと網戸の干渉を防げます。ホームセンターなどで探すか、オンラインショップで「サンシェード フック 網戸よけ」などのキーワードで検索すると見つけやすいでしょう。
三つ目の方法として、サッシ枠ではなく、その上部にあるシャッターボックスや、窓枠の外壁部分にフックを取り付けることも検討できます。シャッターボックスがスチール製であればマグネットフックが使えますし、外壁に接着式のフックを取り付けることで、網戸との物理的な距離を確保できます。
どの方法が最適かは、ご自宅の窓やサッシの構造によって異なります。まずは取り付けたい場所をじっくりと観察し、網戸の動きを確認した上で、最適なフックや取り付け位置を検討してみてください。
まとめ:窓の日除け外側取り付けのポイント
この記事では、窓の日除けを外側に取り付けるための様々な情報をご紹介しました。最後に、快適で安全な日除けを実現するための重要なポイントをまとめます。
- 日除けは窓の内側より外側への設置が遮熱に圧倒的に効果的
- 室外サンシェードは太陽熱の約8割以上をカットできる
- 冷房効率が上がり省エネや電気代の節約につながる
- サンシェードは目的別に通常・通風・防水・目隠しタイプを選ぶ
- 最も大きなデメリットは風に弱いこと
- 台風や強風が予想される際は必ず取り外すか収納する
- ニトリなどでも手軽に購入できるが専門品は機能性や耐久性が高い
- 外壁に穴を開けない取り付け方法が現在の主流
- 窓のサッシ枠やシャッターボックスなどを活用する
- フックは設置場所の材質や形状に合わせて選ぶことが不可欠
- フックの耐荷重は安全のため必ず確認する
- 下部の固定には専用の重りやペグ、固定用バンドが有効
- 風を逃がす工夫で生地や取り付け部への負担を減らせる
- 網戸との干渉はフックの取り付け位置や種類で解決可能
- 賃貸物件では設置前に必ず管理規約を確認する
- 自分での設置に不安がある場合は専門業者への依頼が最も安心